p.1(表紙) 厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業 視覚障害者への代筆・代読支援 厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業  このリーフレットは、厚生労働省令和4年度障害者総合福祉推進事業の「視覚障害者の代筆・代読の効果的な支援方法に関する調査研究」の結果を元に、各自治体において視覚障害者への代筆・代読支援の普及を図り、代筆・代読支援が効果的に行われることを目的に作成したものです。 ※本事業の報告書は、本連合のホームページ(http://nichimou.org/)に掲載されています。 p.2(見開き左) 自治体の皆様へ 視覚障害者の日常生活における読み書きを支援するため、代筆・代読支援を実施していますか? 意思疎通支援事業の代筆・代読支援の実施を求める視覚障害者の声 〇居宅介護(家事援助)において代筆・代読支援を受けることができるが、調理や掃除を優先してお願いするので代筆・代読をしてもらう時間がない。 〇同行援護では、外出先での代筆・代読支援なので、手紙や資料等を代筆・代読してもらうには個人情報が洩れる可能性があるので心配。 〇家族がいれば、家族に代筆・代読してもらえるが、いない時が多い。また、たとえ家族でもあっても個人的な情報を読んでもらうことにためらいがある。 〇拡大読書器やルーペ等を使用して、読み書きしているが、全体や必要な部分を把握するのに時間がかかり難しい。また、眼が疲れる。 〇弱視なので読み書きに困っているが、障害支援区分が低いため、居宅介護(家事援助)の制度で代筆・代読が受けられない。 〇移動すること自体が大変なので、できることなら自宅で代筆・代読支援を受けたい。 地域の視覚障害者のニーズを把握してください!! 障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が令和4年5 月25 日に公布・施行されました!  全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的として、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に推進することが明記されています。  視覚障害者にとって、代筆・代読により情報の取得・発信・意思疎通支援の重要性が法制度の上でも増しています。 https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jouhousyutoku/pdf/jouhou_gaiyo.pdf p.3(見開き右) 意思疎通支援事業の代筆・代読支援の実施のお願い  視覚障害者にとって代筆・代読支援を受けることは社会参加する上で必要不可欠です。居宅介護や同行援護においても、代筆・代読支援を受けることは可能ですが、障害支援区分等の条件があります。  しかし、地域生活支援事業の意思疎通支援事業として実施する場合には、地域の実状に応じて、見えない・見えにくいことで読み書きに困っている人の支援を行うことができます。  ぜひ、意思疎通支援事業での代筆・代読支援の実施をお願いします。 POINT 市区町村で行う地域生活支援事業の中で、意思疎通支援事業は「必須事業」に位置付けられています。また、手話通訳者、要約筆記者、代筆・代読等の意思疎通を支援する者の派遣等を行うことが明記されています。 POINT  既に、意思疎通支援で代筆・代読支援をおこなっている自治体では、視覚障害者団体等との協議を重ねて、地域の特性や利用者の状況に合わせながら柔軟に実施されています。また、同時に実績や利用者のニーズを把握しながら、利用時間や範囲等を増やす等の制度をブラッシュアップする取り組みも行われています。まずは始めることが重要です。 POINT  弱視(ロービジョン)の方も、読み書きに困っています。ほとんどの文字が小さい、罫線や枠などが薄い等の理由で自分だけでは読み書きが難しく、代筆・代読支援を求めています。 POINT  ガイドヘルパー、ホームヘルパー、自治体や団体が実施する代筆・代読支援従事者養成研修の修了者等が代筆・代読支援にあたっています。 自治体の実施例等の詳細はホームページに公開されている報告書を御覧ください。 p.4(裏表紙) 視覚障害者は読み書きで困っています!! 国連の権利条約や障害者差別解消法においても障害者が自ら意思決定することが重要だとされています。そのため、視覚障害者が困っている読み書きの支援が不可欠です。 □ どこからの郵便物なのかわからない、郵便物が読めない □ どれが重要な書類なのかわからない □ 回覧板の内容が読めない □ イベントや催し物の内容がわからないので申し込めない □ 薬や家電製品等の説明書及び注意書きが読めない □ 子どもが通う学校からの便りやお知らせが読めない □ 子どもの習い事の申請が難しい □ レシートが整理できない □ スーパー等の広告やチラシがわからない □ 病院の問診票が書けない □ 自治体の申請・届け出書類が書けない 意思疎通支援の代筆・代読支援の他に、同行援護(外出時の支援)、居宅介護(家事援助の一環)で代筆・代読の支援が行われています。 発行 令和5年(2023 年)3月 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 住所 〒169−8664 東京都新宿区西早稲田2−18―2 電話 03-3200-6169 ファックス 03-3200-7755 ホームページ:http://nichimou.org/