全国の皆さんこんにちは。私の声が皆さんに届いている時には6月2日、3日に熊本県で開催される第77回の全国視覚障害者福祉大会は終了しているかもしれません。私としては本年6月2日、3日に熊本市で開催される全国視覚障害者福祉大会において、皆さんとお会いすることを楽しみにしております。  また、この大会では新しい日視連の活動、新しい日視連の組織イメージを少しでも皆さんに示すことができればなと思っております。私たちは77回大会を迎えるわけですが、この間約76年間、日視連の活動を積み上げてくる中で、伝統としての日視連の存在価値も十分に発揮しているわけですが、それだけでなく、新しい時代に社会の大きな変化を先読みできるような日視連に、そして、イメージだけでなくて発想においても新しいものを見いだせる、いわば日視連自身がイノベーションというものを自ら実践する、そういう運動に発展できないかというのが私の思いであります。これまでの繰り返しではなくて、新しい発想で運動を展開する、要求の立て方を工夫する、組織のあり方も変えていく、会員が減少し、あるいは役員の相手がないという全国の共通する思いはあるものの、そうした状況をも克服できるような取り組みというのは何なのかをぜひみんなと考える、そういうスタートにできればと思っております。是非皆さんのご参加と活発な意見交換と交流ができることを期待しております。  さて前にも触れたことがあるかと思うのですが、来年は点字制定200周年を迎えることになります。ルイ・ブライユが点字を考案してから200年が来年で経過するわけです。この200年間で私たちは点字というものによってもたらされた文化、教育、職業、そして人間の尊厳、人間の夢というものを全て手にすることができたと言っても言い過ぎではないと思うのですね。  しかし今、点字が軽んじられているのも事実です。デジタル化の中で点字はいらないんだという不届きな意見もあります。決してそんなことはありません。点字がなくなれば私たちから文化が奪われ、私たちから職業的な自由が奪われ、私たちの新たな人間として生き様までが奪われることにさえなりかねないと私は思ってます。そうであれば、デジタル化にふさわしい点字の役割とは何なのか、点字の位置付けというのはどうすれば良いのか。  お隣の韓国では、韓国点字法というものが制定されたそうです。我が国においてもそういう社会の変化にふさわしい日本点字法というものの制定を目指すこともぜひ考えていきたいと思っているわけです。そういう意味では、この1年間ないし、来年を通じての2年間の間に、何らかの形を、そして何らかの成果をもたらして今後10年、30年と日本における点字の役割、点字を使用した視覚障害者の人間性をより高めていくような基礎作りにしたいと思っております。ぜひこの点も、皆さんの思いを一つにできればと思っております。  こういう一つの曲がり角に来ているという言い方をしても良いのかもしれません。こういう新しいイメージ、イノベーションという言葉が流行っております。また、日本点字法も含めた我々にとっての礎となる新たな法律も目指して共に頑張ろうではありませんか。