表紙 日本視覚障害者団体連合 弱視部会 弱視者の困り事 資料集 第6号 (令和5年2月発行) 【テーマ】  ●ウェブサイトやアプリ等に関する困り事  ●日視連加盟団体での弱視(ロービジョン)に関する取り組み 【目次】 T はじめに 1ページ  1.資料集について 2ページ  2.出典情報 3ページ U ウェブサイトやアプリ等に関する困り事 5ページ  1.文字色や背景色、デザイン 6ページ  2.アイコンや絵文字、スタンプ等の画像 7ページ  3.ウェブサイトやアプリでの入力 8ページ  4.画像認証やパズル認証 8ページ  5.ウェブサイトやアプリの掲載内容 9ページ  6.弱視者(ロービジョン)が読みやすいフォント 10ページ  7.ウェブサイトやアプリ側で文字サイズや色合いを変更・調整する機能 12ページ  8.その他 14ページ V 日視連加盟団体での弱視(ロービジョン)に関する取り組み 17ぺージ  1.神奈川県視覚障害者福祉協会の取り組み「ロービジョン分科会の開催」 18ページ  2.名古屋市視覚障害者協会の取り組み「ロービジョンカフェの開催」19ページ  3.会合やイベントの開催、要望活動 21ページ  4.団体が独自に実施する事業 23ページ  5.スマートサイト(ロービジョンケアネットワーク)への参加・協力 24ページ W 参考資料 27ページ  A 名古屋市視覚障害者協会での弱視(ロービジョン)に関する取り組み 28ページ  B 弱視部会が発行した資料等 33ページ 1ページ T はじめに 2ページ 1.資料集について  弱視者(ロービジョン)が日常生活を送る上で抱えている困り事は大変多いと言われている。そこで、本資料集は、本連合の弱視部会の委員より寄せられた困り事等の情報を整理したものである。困り事の整理を行い、幅広く情報発信することで、全国の弱視者(ロービジョン)の困り事の解決を目指している。  第6号のテーマは「ウェブサイトやアプリ等に関する困り事」「日視連加盟団体での弱視(ロービジョン)に関する取り組み」になる。  一つ目のテーマ「ウェブサイトやアプリ等に関する困り事」は、社会全般でデジタル化の流れが加速している中で、弱視者(ロービジョン)ならではの困り事が増えてきていることからテーマとした。情報を集めた結果、様々な困り事や課題があることが分かり、資料集ではこれらを整理して掲載している。これらの困り事や課題は、社会全体で改善に向けた取り組みが必要である。一方で、弱視者(ロービジョン)を含めた視覚障害者自身が問題点の改善を求め、声を挙げることも必要である。  また、弱視者(ロービジョン)の日常生活を改善させるためには、地域レベルでの取り組みが重要とされている。そのため、本連合の加盟団体における弱視(ロービジョン)関連の取り組みを団体内で共有化することを目的に、「日視連加盟団体での弱視(ロービジョン)に関する取り組み」を二つ目のテーマにした。情報を集めた結果、視覚障害当事者団体が実施すべき価値のある事例が多数寄せられた。本連合の加盟団体において弱視(ロービジョン)関連の取り組みが推進できるよう、引き続き、本部会では事例の収集に努める。  第6号では以上の内容を整理して掲載している。本資料集の発行により、掲載した弱視者(ロービジョン)の困り事が改善されることを期待している。 3ページ 2.出典情報  本資料集に掲載した情報は、以下の期間に収集した情報になる。 (1)ウェブサイトやアプリ等に関する困り事  @メーリングリスト   募集期間 令和4年7月26日〜8月3日  A意見交換会   開催日 令和4年8月6日(令和4年度委員総会にて開催)  B備考   該当テーマは、上記の期間に「弱視者(ロービジョン)におけるデジタル化」として情報収集を行った。本資料集においては、テーマ名を改題して掲載している。 (2)日視連加盟団体での弱視(ロービジョン)に関する取り組み  @メーリングリスト   募集期間 令和4年10月7日〜10月21日  A意見交換会   開催日 令和4年10月27日(第4回オンライン意見交換会にて開催) 5ページ U ウェブサイトやアプリ等に関する困り事  6ページ 1.文字色や背景色、デザイン (1)困り事 ・ウェブサイトでグレーや中間色といったデザイン的に凝った配色をしていると、文字や背景の色を反転させても文字等が読みにくいことがある。弱視者(ロービジョン)としては、お洒落なものより見やすさを優先してほしい。 ・ウェブサイトやアプリを利用していて、画面上に文字が書いてあることに気付かないことは「弱視者(ロービジョン)」の始まりだと思っている。もしかしたら、自分が弱視(ロービジョン)であると気付いていない人が、デザインが凝っているホームページを閲覧したら、文字が書いてある部分に気付かず、大切な部分を見落としてしまうかもしれない。誰にとっても見やすいウェブサイトやアプリを広めてほしい。 ・ウェブアクセシビリティの規格として、JIS(日本産業規格)には「JIS X 8341−3(高齢者・障害者等配慮設計指針)」というものがある。この中には、ウェブサイトの配色等の規定があり、見やすさを確保するためのコントラスト比を「4.5:1以上」にする決まりがあるので、これを守ってホームページを作ってほしい。ただ、ホームページのデザイナーに話を聞くと、このコントラスト比でウェブデザインを組むことは、デザイン面や様々な理由で難しいそうだ。 ・マイクロソフトのInternet Explorerの対応終了に伴い、過去に作られたホームページの中には、Internet Explorer以外のブラウザで見るとレイアウト等が崩れていたりするものがある。これらは、弱視者(ロービジョン)にとって見にくいものが多い。 (2)工夫 ・Google Chrome等の一部のブラウザだと、背景色を変更できる仕組みが用意されている。これは便利です。(※1) ・電子書籍アプリの中には、文字色と背景色の組み合わせ、文字の大きさ、フォントの変更(明朝・ゴシック)、縦書き・横書きの変更等の機能が入っているものがある。 (※1)背景色を変更できる仕組み「Google Chrome ヘルプ ダークモードまたはダークテーマでブラウジングする」 @パソコンの場合 https://support.google.com/chrome/answer/9275525?hl=ja&co=GENIE.Platform%3DDesktop&oco=0 AiPhoneとiPadの場合 https://support.google.com/chrome/answer/9275525?hl=ja&co=GENIE.Platform%3DiOS&oco=0 BAndroidの場合 https://support.google.com/chrome/answer/9275525?hl=ja&co=GENIE.Platform%3DAndroid 7ページ 2.アイコンや絵文字、スタンプ等の画像 (1)困り事 ・LINEの絵文字やスタンプを利用しようと思っても、スマートフォンの画面で小さく表示されていて、目当てのものが見つけられない。また、相手から送られてきた絵文字やスタンプは何が表示されているのかが分からない。そのため、絵文字やスタンプに代替テキストを付加させておき、内容を読んでくれる仕組みがあるとよい。 ・ここ最近、スマートフォン用のアプリでは、設定に関するものは「歯車」のアイコン、検索に関するものは「虫眼鏡」のアイコンになっていて、何でも絵のアイコンで表現することが多い。こういったアイコンは、弱視者(ロービジョン)が見ると、人によっては「歯車」が「少しギザギザした丸の絵」に見えるかもしれない。こういった絵のアイコンがあることで、目的のアイコンが見つけられない弱視者(ロービジョン)もいるだろう。 (2)工夫 ・LINEのスタンプだと「しゃべるスタンプ」があり、スタンプの絵の内容を声で読み上げてくれるので助かっている。これだと、事前にスタンプの内容を音声で確認できるし、相手から送られてきたスタンプの内容が分かる。 8ページ 3.ウェブサイトやアプリでの入力 (1)困り事 ・色々な自治体や企業のホームページから手続きや申し込みを行っていると、ホームページによっては入力画面の配色、ボタン・アイコン等のデザイン、入力に関する説明文章が違っていて、記入する所が見つけられなかったりすることがある。全てを統一してほしいとは言わないが、弱視者(ロービジョン)にとっては、内容が統一されていた方が探しやすく、記入もしやすいので、一定の基準や規格を作ってほしい。 ・ウェブサイトやアプリの入力欄は、なるべく操作が統一されている方が良いと思う。私の場合は、テキストボックスのような直接入力する欄や、択一式の選択をするラジオボタンに絞られていると、色々な端末に対応できるので使いやすい。 8ページ 4.画像認証やパズル認証 (1)困り事 ・ウェブサイトで申し込みの手続きをしていて、最後に画像認証やパズル認証等があると、私は完全にお手上げです。アカウントの作成等の簡単な会員登録でも、この認証が出てくるので困っている。視覚障害者が入力できる代替手段を用意してほしい。 ・画像認証やパズル認証の目的は「本当に人間が操作しているのか」「コンピュータがなりすましをしていないか」を見分けることが目的になっている。一方で、ウェブサイトの利用者には様々な障害者がおり、これらの者は視力や聴力、手指の筋力等をパソコンやスマホのソフトで補って利用している。つまり、パソコンやスマホに画面操作を肩代わりしてもらっていることになり、これらの認証と極めて相性が悪いと言える。 (2)工夫 ・一部のウェブサイトでは、視覚障害者に向けて雑音の中から数字やアルファベットの読み上げを聞き取り、入力するという代替手段が提供されている。こういった代替手段が一般的になると良いと思う。 ・最近では、携帯電話のショートメールに届く番号を入力することで認証する方式も増えている。これは、画像認証やパズル認証ができない場合の代替手段として普及してほしいと思っている。 9ページ 5.ウェブサイトやアプリの掲載内容 (1)困り事 ・ウェブサイトで情報を得ようとすると、図や表、写真で説明しているものが多く、視覚障害者の大半はその情報を得ることができない。特に、商品を紹介するものだと、ヴィジュアルを重視した写真を多用しており、弱視者(ロービジョン)にとっては読みにくいものが多い。こういった情報を掲載する際は、図や表、写真と併せて言葉や文章で分かりやすく伝えるようにしてほしい。 ・自治体や企業のホームページ等では、資料やチラシを掲載する時、PDF版だけを掲載することが多い。そして、大半のものは、視覚障害者には音声で読み取れなかったり、デザインが複雑で読むことができないものが多い。これは困るので、PDF版と併せてテキスト版を掲載してほしい。テキスト版があれば、弱視者(ロービジョン)が読みやすい文字の大きさに拡大したり、音声で読み上げさせることができる。 ・一部の自治体では、申請に必要な書類をウェブサイトからダウンロードして、紙に印刷したものを手書きで記入し、自治体に提出することがある。手作業が必要なことは視覚障害者にとって困る事が多い。ウェブサイトで完結できるものは、ウェブサイトで完結してほしい。 (2)工夫 ・国の一部の府省庁では、会議の資料をPDF版とテキスト版を同時に掲載してくれている。こういった試みは、他の府省庁、全国の自治体や企業も真似してほしい。 10ページ 6.弱視者(ロービジョン)が読みやすいフォント (1)読みやすいフォントは人それぞれ ・弱視者(ロービジョン)が読みやすいフォントは、恐らく大まかな傾向はあるとは思うが、それぞれ好みがあるだろう。私は明朝体はダメで、ゴシックが好みだった。 ・どのフォントが良いかはそれぞれの弱視者(ロービジョン)によって好みが分かれるだろう。私はゴシック体のような線の太さが一定の方が見やすいが、他の弱視者(ロービジョン)の中では、このフォントが逆に見にくいという者もいる。 ・近年、UDフォント(ユニバーサルデザインフォント)と呼ばれている、視認性や可読性を意識したフォントの開発が盛んになっている。中でも「UDデジタル教科書体」は、Windows10に標準で搭載されているほか、自治体や企業での採用事例が増えてきている。私が仲間と一緒に作った本を出版した際、このUD教科書体を使用し、本文は横書き12ポイントにしたことがある。軽度の弱視者(ロービジョン)からは「読みやすい」との評価があった。 ・私はUD教科書体が見にくく、MSゴシックやUDゴシックが見やすい。UD教科書体が見やすいという評判は私の周りでも耳にするだけに、見え方の不思議さを実感している。 ・現在、Windowsの標準フォントになっている「游ゴシック」は、かすれていたり、にじんで見えるので、ゴシック系なのに読みにくいフォントだと思う。ただ、「游ゴシック」はMacでは綺麗に表示されるようなので、OSによる表示の違いがあるのかもしれない。 ・近年、掲載内容の読みやすさを考慮したホームページが増えてきている。ただ、ホームページによって使用しているフォントはバラバラになっている。恐らく、ホームページを作っている人が「このフォントが誰にでも読みやすいだろう」と思ったものを採用しているのだろう。ただ、弱視者(ロービジョン)は人によって読みやすいフォントが違うので、ホームページの提供側でそれぞれの考えでフォントを決められてしまうと、結果的に弱視者(ロービジョン)にとって読みにくいものになってしまう。 (2)読みやすいフォントとは? ・弱視者(ロービジョン)は、人によって読みやすいフォントが違うので、それぞれが読みやすいフォントに変えられることが理想だと思う。また、弱視(ロービジョン)だけではなく、読字障害や発達障害等の様々な要因で文字を読むことが苦手な人がいる。こういった人も、自分にとって読みやすいフォントがあるはずだ。情報を提供する側がフォントを決めるのではなく、情報を得る側が読みやすいフォントに変えたり、選べたりすることが大切だと思う。 ・高齢者向けの操作が簡単な携帯電話やスマートフォンでは、画面全体をゴシック体、教科書体(明朝体)で切り替える設定項目があり、いつでも切り替えることができる。これは弱視者(ロービジョン)にとっても活用できると思う。 ・パソコン環境だと自分で簡単にフォントを変えられるが、スマートフォンでウェブサイトやアプリを見ようとすると、自分の見やすいフォントに変更することができないものが多い。スマートフォンでもフォント等を簡単に変えられる機能があると良いと思う。 12ページ 7.ウェブサイトやアプリ側で文字サイズや色合いを変更・調整する機能 (1)利用しているかどうかは人それぞれ ・自治体等のホームページの上部に、そのウェブサイトに記載されている文字のサイズを変えたり、背景や文字の色を変更するボタンがある。実は、私はこれらの機能を使ったことがない。理由は、文字だけでなく画面全体を拡大したいからで、パソコンを起動した瞬間から拡大したり、色の反転をしないと、そもそもパソコンの画面に映し出された文字等を読むことができない。 ・Windowsやブラウザの設定によって見やすさの調整を行っているので、ウェブサイト側の機能を使ったことはない。また、iPhoneやiPadにもOSの機能として同じようなものがある。 ・以前はウェブサイト側の機能で画面を拡大していたが、その後、見え方が変わってきて、これらの方法では画面が見づらくなってしまった。そのため、今はOS側の拡大機能等で見るようになった。 ・考えてみれば、弱視(ロービジョン)になって間もない頃は、OSやブラウザ側で文字サイズ等を調整する機能があることを知らなかった。もしかしたら、今でも弱視者(ロービジョン)によっては、こういった便利な機能があることを知らない人が多いのではないか。 (2)機能を導入する背景 ・自治体や企業とアクセシビリティの仕事をしている中で、これらの担当者に「ウェブサイト側で文字や背景を変更・調整する機能をなぜ導入したか」と聞くと、「周りの自治体や企業が導入しているから」「アクセシビリティやユニバーサルデザインに取り組んでいるというアピールになるから」「ウェブ制作会社やその他企業の営業に勧められたから」との回答を聞くことが多い。恐らく、利用者となる視覚障害者の声を聞いて導入しているわけではないようだ。 ・ウェブサイト側で文字や背景を変更・調整する機能を実装した際に、視覚障害者にとって見やすいものかどうかをテストすることはあまりない。つまり、視覚障害者にとって本当に使いやすいかどうかが分からないまま、色々な自治体や企業がホームページに採用している。これらの機能を採用した自治体や企業、そして、こういった機能を開発・提供する企業は、視覚障害者の声をもっと聞くべきだと思う。 (3)ウェブサイトやアプリを読みやすくするには? ・地域の様々な視覚障害者から相談を受けていると、身体障害者手帳の等級が低いため、パソコンで音声を読み上げるためのスクリーンリーダーを買えない人がいる。そのため、ウェブサイト側で文字や背景を変更・調整できることも大切だと思う。こうした無料で使えるインフラの大切さを痛感している。 ・覚障害の手帳は持っていないが、見えにくさを感じている人は非常に多い。それこそ、高齢者で老眼により見えにくい人もいるだろう。ウェブサイトというものは「全ての人にとって文字等が読みやすいもの」であるべきだと思うので、こういった機能が増えることも必用かもしれない。 ・ウェブサイトの色合いを調整したり、文字を大きくすることができることを知らない人は多い。その意味では、ウェブサイト側で調整ができることも必要だし、OSやブラウザで調整できることも必要で、その人の見え方やニーズに沿って選べることが大切だと思う。つまり、選択の幅を広げておき、その人が一番見やすい方法を「選択できること」が大切だろう。 (4)今後、取り組むべきこと ・ウェブサイトのアクセシビリティを推進することに対して、視覚障害者の意見が取り入られていないことが多いと感じている。このことを踏まえると、やはり「視覚障害者自身が声を挙げて、自分たちが必要なアクセシビリティを求めること」が大切だと思う。私たち自身が、自治体や民間企業、開発メーカーに対して、積極的に意見を出すようにしたい。 ・こういった機能の効果を、私たち自身が検証した上で問題点や改善点を提案することが必要だと思う。その上で、様々なアプローチを上手く共存させていくようにすることで、ウェブサイトのアクセシビリティは向上していくと思う。 ・見えなくなって困っている人向けに「ウェブサイトやアプリ等を読みやすくするための方法を教えるサイト」があると良いと思う。そのサイトで、文字を拡大したり、色を変更する方法が分かれば、その人のデジタル環境は大幅に向上するだろう。また、公共のホームページ等では、そのサイトへ誘導する旨を記載すれば、助かる人が増えるのではないか。 ・弱視者(ロービジョン)が見やすい文字や背景に変更す・調整できる機能は、ウェブサイトやアプリだけでなく、その他のものにも導入してほしい。例えば、銀行のATMにも搭載してほしい。この機能があることで覗き見されやすい等のリスクがあるかもしれないが、角度が変わると見えない機能等もあるので、それを組み合わせたら実用化できるかもしれない。 14ページ 8.その他 (1)OSのアップデート ・OSのアップデートをしているかどうかは、画面上では何らかの動きがあり、分かる人には分かるのかもしれないが、視覚障害者には分かりにくいものだ。アップデートしていることを視覚障害者にも分かるようにしてほしい。 ・OSをアップデートしたら、アップデート自体は正常に行えたものの、日本語IMEがパソコン上から消えてしまう、会社のネットワークへの接続ができない等の不具合が発生した。普段は会社のIT担当者に相談して直してもらっているが、今は在宅勤務のため、会社のIT担当者への相談が上手くできず、1週間経っても解決することができなかった。 ・在宅勤務をしているので、会社から支給されているパソコンのアップデートは自力で行っている。ただ、アップデート後に、インストールしている一部のアプリの修正が必要で、これには困っている。大半が画面を見ながらの作業になるので、いつも会社の許可を得て、勤務外の日にヘルパーに画面を見てもらいながら、修正作業を行い、なんとか更新をしている。 ・OSの更新やアプリの入れ替え等でパソコン環境が代わるたびに、視覚障害者はパソコンを操作するために手に入れたスキル・知識・経験が使えなくなったしまうことがある。例えば、OSが変わったことで、今までと違う表示になり、表示内容が読みにくくなったり、音声で読み上げなくなったりすることがある。そのため、無理して古いOSやアプリを使うこともある。こういったことは、個人の努力では何も改善できないので、OSやアプリを開発する側が障害者のアクセシビリティを考えて開発することが必要だと思う。 (2)パソコンやスマホに関する支援制度 ・スマートフォンやタブレットが世界中で浸透し、視覚障害者の中でも生活必需品になりつつある。ただ、これらは金額が高いことから、自治体から費用の補助を受ける「日常生活用具給付等事業」の品目に入れてほしいという声が根強い。実際、一部の自治体では、これらを日常生活用具として認めているので、全国で認められるようになってほしい。 ・日常生活用具には耐用年数が設定されているが、色々と困る事がある。例えば、点字ディスプレイやスクリーンリーダー等の情報通信支援用具は、地域によって違いはあるが耐用年数は6年程度に設定されている。しかし、こういったICT機器は、5、6年経過すると古くて使いにくくなっていたり、OSが新しくなり使えなくなってしまうことがある。ただ、日常生活用具として購入した場合は、耐用年数の間は購入した製品を使い続けなければならない。つまり、技術の進歩と日常生活用具の制度が上手くかみ合っていない。このことは、今後、デジタル化社会がより進展すると、この乖離がより顕著になってくるのではないかと懸念している。 17ページ V 日視連加盟団体での弱視(ロービジョン)に関する取り組み    ※参考URL 日視連加盟団体の紹介ページ     http://nichimou.org/introduction/member/ 18ページ  1.神奈川県視覚障害者福祉協会の取り組み「ロービジョン分科会の開催」 (1)概要  神奈川県視覚障害者福祉協会では、同協会が主催する福祉大会の中で、テーマ別の議論を行うために分科会を開催している。分科会は生活、バリアフリー、職業に加えロービジョンをテーマの一つに設定している。  このバリアフリーの分科会は10年程前から設定しており、会員より「全盲と弱視(ロービジョン)とでは要望やニーズが違う部分がある」との意見があったことがきっかけになっている。この分科会を作ったことで、弱視(ロービジョン)に関する要望が集まり、同協会の要望活動において、弱視(ロービジョン)関連の要望を県や関係団体に届けている。例えば、鉄道やバスの表示を見やすくするために文字を大きくしてコントラストを付けることや、鉄道駅の駅ホームの縁端部にCPラインを設置すること等を要望している。  なお、この分科会では、要望に関する議論の他に研修会や講演会も開催している。令和3年度は県内のスマートサイト「スマートサイトかもめ」の紹介、令和4年度は弱視部会の神田部会長、青年協議会の片平協議会長より、各団体の取り組みを紹介している。  また、同協会は、分科会の開催以外にも様々な弱視(ロービジョン)に関する取り組みを進めている。令和4年度は、地域での弱視児のスクリーニング調査の実施を強く求めていることから、県内の医療関係者に対するアンケート調査を行っている。 (2)意見交換会での意見 ・地域レベルで弱視(ロービジョン)の仲間を増やすことは非常に大切なので、このような分科会があることは価値がある。引き続き、このような取り組みは進めてほしい。 ・こういった取り組みは他の団体でも簡単に実践できるのかもしれない。また、こういった取り組みを進めることで、新たな会員の入会に繋がるのかもしれない。 19ページ 2.名古屋市視覚障害者協会の取り組み「ロービジョンカフェの開催」 (1)概要  ロービジョンカフェは、同協会の中で「弱視者(ロービジョン)が気軽に集まれる場を作りたい」との意見があったことから、令和4年度に設立した部会の一つである。現在は月1回、5名の会員がスタッフとして動き、意見交換会を中心に活動している。今年度はオンライン開催が中心だった。なお、ロービジョンカフェの詳細は本資料集の28ページに掲載している。  まず、ロービジョンカフェの参加者は、弱視者(ロービジョン)に限定せず、全盲の者も参加可能で、弱視(ロービジョン)に興味がある者であれば、誰でも参加できるようにしている。また、同協会とこれまで接点がなく、それこそ地域で受けられる福祉制度等があることを知らない者も参加できるようにしており、これをきっかけに参加者が福祉の制度や同協会に繋がることを意識している。そのため、ロービジョンカフェの開催案内は、同協会の広報誌、メール、ホームページで対外的に周知し、参加者を幅広く募集している。  そして、意見交換会では様々な内容をテーマにしており、参加者から人気だったのはICTに関すること、特にアプリの使い方を紹介することが人気だった。アプリの使い方をテーマにした際は、担当者が実際にアプリを使用している様子をZoomの画面共有で紹介し、参加者からは「大変勉強になった」との評価があった。ロービジョンカフェという場所は、同じ視覚障害者がお互いの悩みを共有し、お互いで勉強しあうことができる場所だと考えている。このことは、仲間と交流したり情報交換する機会が少ない弱視者(ロービジョン)にとって魅力的な場所だと思う。そのため、今後も様々な弱視者(ロービジョン)がロービジョンカフェに参加してもらえるよう、幅広い情報発信が重要と考えており、情報発信を強めるため、以後の開催では動画作成をテーマにすることにしている。  しかし、ロービジョンカフェの開催を進める中で、様々な課題にも直面している。例えば、スタッフの数が少ないこと、イベント開催等の情報発信力が弱いこと等は課題となっている。特に、スタッフに関しては、多くの会員は日中にそれぞれの仕事をもっており、この活動だけに時間がさけないため、常にマンパワー不足を抱えている。ただ、ロービジョンカフェを開催したことで、同協会の中で弱視者(ロービジョン)を応援する流れが生まれ、自然とロービジョンカフェを応援する会員が増えている。こういった機運もあるので、徐々に課題を解決し、ロービジョンカフェの更なる活性化を図っていきたい。そして、この活性化により、協会自体の活動の活性化に繋げていきたいと考えている。 (2)意見交換会での意見 ・アプリ等のICTに関することをテーマにすることは、弱視者(ロービジョン)が視覚障害の当事者団体の活動に参加するきっかけになるテーマだと思う。テーマ設定が当事者視点なのが非常に良いと思う。 ・弱視(ロービジョン)に関するイベント等に会員ではない者も入ることを考えると、ある程度の「緩さ」が必要だと思う。会員、非会員の垣根が無かったり、弱視(ロービジョン)や全盲の垣根が無かったりするのは上手い設定だと思った。あまり堅苦しいものだと、地域の弱視者(ロービジョン)は、この活動に入ってこないだろう。 ・同協会が主催するイベントに参加したことがあるが、弱視(ロービジョン)の参加者がアクティブな人が多く、色々と参考になった。特に「弱視者(ロービジョン)が一人にならないようにすること」を実践していて、勉強になった。 21ページ (1)札幌市視覚障害者福祉協会 ・月に1回程度、弱視者の集まりを開催している。内容は視覚に関する様々なテーマを設定している。 (2)北海道視覚障害者福祉連合会 ・暗所視支援眼鏡のような新しい日常生活用具が出たら、できるだけ速やかに講習会を行うよう努めている。ただし、道内の広域を活動地域としている当法人としては、加盟団体16団体のうち、実施できているのは会員数の多い4団体ほどに留まっている。 (3)千葉県視覚障害者福祉協会 ・3年前に「弱視部」という部会を発足させた。発足後、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で思うような活動はできなかったが、読書バリアフリー法に関する講演会、福祉機器展等を開催している。 ・この部会を作ったことで、協会内の要望活動や相談活動の推進に繋げることができている。例えば、視覚障害者誘導用ブロックの黄色を保つために、県内で既に敷設されている同ブロックの補修を求めたり、駅の安全対策を求める運動を行った。その結果、駅については、私たちの協会のセンターがある駅の職員等が理解してくれ、弱視者(ロービジョン)が困らないようにするため、切符が入る改札の床に進行方向を示した大きな矢印を設置してくれた。 (4)富山県視覚障害者協会 ・理事12名の中から4〜5名が参加する「利便性委員会」(※1)を立ち上げ、全盲、弱視(ロービジョン)を問わず、様々な困り事を解決する取り組みを進めている。弱視者(ロービジョン)だけでなく、盲導犬の利用者の困り事等も取り上げている。 (5)京都府視覚障害者協会 ・協会の中に「生活環境改善部」があり、ここで弱視(ロービジョン)に関する要望活動等を行っている。要望活動の中では、視覚障害者誘導用ブロックの色は黄色またはそれに準ずる色での敷設、それらの色が目立つような配慮を心がけた敷設を要望している。その他に、市が発行する広報誌を14ポイントのゴシックを標準的な仕様としてもらったり、バスの行き先表示の見やすさの改善を求めたりしている。 ・京都にはいわゆる景観条例があり、視覚障害者誘導用ブロックや看板等、様々なものが弱視者(ロービジョン)にとって見えにくいものが多い。そのため、この部会を通して、弱視者(ロービジョン)の視認性を高めることを目指した要望活動を行っている。ただ、景観条例に関わるものは、なかなか要望が通らない。 (6)三重県視覚障害者協会 ・当協会では、まだ弱視のことについて検討する部門はないが、県議会議員の会派宛に要望活動を行う中で、視覚障害者誘導用ブロックの色彩に関する要望を出している。その結果、「三重県ユニバーサルデザインのまちづくり推進条例」に基づき黄色を基本とし、分かりやすい色合いになるよう努めていく旨の回答が得られた。 ・団体内の情報共有として、弱視部会が発行した資料は、全盲・弱視(ロービジョン)に関わらず役員には読んでもらっている。 (※1)富山県視覚障害者協会の「利便性委員会」のホームページ  https://toyama-shikaku-ribensei.simdif.com/ 23ぺージ (1)石川県視覚障害者協会 ・社会福祉法人石川県視覚障害者協会では、石川県からの受託事業「弱視者機能訓練事業」として、弱視者(ロービジョン)に対する様々な支援を行っている。具体的には、協会が運営する施設にロービジョンルームを設置し、拡大鏡や拡大読書器、遮光眼鏡等の視覚補助具の体験や相談を行う場所を設けている。この取り組みのきっかけは、20年前に弱視者(ロービジョン)の会員から「県内には拡大鏡や拡大読書器を置いている所が少ないので困っている。しっかりと品物を手に取って選びたい」との声を受けたことで、その後、協会の事業として取り組みが実現したものである。この事業では、視能訓練士による視覚補助具の選定相談、ロービジョン研修会等を実施している。 ・拡大鏡や拡大読書器等の視覚補助具は、体験に加えて、弱視者(ロービジョン)に合ったものを「選定すること」が大切である。そこで、県内の視能訓練士に相談員を委嘱し、相談があった視覚障害者の要望に合った視覚補助具を選定できるようにしている。相談員が視覚補助具を正しく選定できるよう、相談者の見え方等が分かる資料が必要であることから、相談者は眼科医の指示書を持参し、選定に活用している。選定結果は、眼科医に返書としてフィードバックしている。現在、この事業の相談員として登録している者は30名を超えている。視能訓練士等の医療関係者に加え、石川県立盲学校教育相談担当教員も参加している。 ・石川県は地域も広く、金沢市にある私たちの施設に出向くのが大変な人もいることから、県内の市町に出向いての相談も行っている。遠方の視覚障害者には大変評判が良い。 ・これらの取り組みに加えて、市町が実施する視覚障害者生活相談・訓練事業を併せて実施している。二つの制度を利用することにより、弱視者(ロービジョン)にとって「有効な支援」になると考えている。例えば、拡大読書器を選定し、購入した後、拡大読書器の使い方を覚えることが必要になるので、市町の生活訓練事業に繋げ、使い方の訓練を受けてもらっている。視覚障害者協会の複数の事業を組み合わせることは、利用者にとっても、視覚障害者協会にとってもメリットがある。 (2)新潟県視覚障害者福祉協会 ・県内の視覚障害者からの相談に幅広く対応できるように、職員体制充実に努めている。例えば、歩行訓練士の複数配置を目指し、新卒の視能訓練士を雇い、今は歩行訓練士の訓練を受けてもらっている。 ・これまで弱視部会が公開してきた資料は、自立支援室の専門相談員が相談時に活用している。 24ページ 5.スマートサイト(ロービジョンケアネットワーク)への参加・協力(※1) (1)新潟県視覚障害者福祉協会 ・弱視(ロービジョン)に関する取り組みを行うため、県内の医療と福祉が連携する「ささだんごネット」という体制があり、事務局を当協会が担っている。このスマートサイトを周知するため、県内の眼科医約150名と30市町村障害福祉担当窓口にリーフレットを配置している。 ・昨年から、県内の眼科医会と「ビジョンサポート相談会」を共同で開催している。 (2)富山県視覚障害者協会 ・県内のスマートサイト「富山県スマートサイト」は、富山大学医学部眼科学講座に事務局があり、県内の視覚障害者福祉センターの所長が委員として参加している。本協会は眼科医からの要請によって、視覚障害者の相談に応えている。 ・県内の視覚障害者を支援するいろいろなボランティア団体、視覚総合支援学校、当協会で構成している「視覚障害者ケアネットワークとやま」という連携体制がある。当協会の会長が副会長を務め、事務局を当協会に置いている。今はコロナ禍で大きな相談会は実施できていないが、この団体でロービジョン相談会を年に何回か開催し、個々の相談に応じている。 (3)京都府視覚障害者協会 ・府内の関係団体が連携する「京都ロービジョンネットワーク」に参加している。参加したことで、私たちの協会宛の相談が増えている。眼科医経由で相談が来ることが多く、視覚障害者の高齢化が影響していると考えている。ただ、協会に届く相談の件数が非常に多く、現状では届いた相談を何とか対応している状況である。 (※2)全国のスマートサイトに関する情報「日本眼科医会 スマートサイト関連情報」  http://www.gankaikai.or.jp/info/detail/SmartSight.html 27ページ W 参考資料 28ページ A 名古屋市視覚障害者協会での弱視(ロービジョン)に関する取り組み ※注意 本資料は、令和4年10月27日に開催した「第4回オンライン意見交換会」で配布した資料に、令和4年10月以降に開催したイベント等を追記したものである。 令和5年1月 名古屋市視覚障害者協会 弱視部の活動について 名古屋市視覚障害者協会 弱視部長 小池恭子 1.弱視部設立の主旨  日視連に弱視問題対策部会(現 弱視部会)が発足する中、名視協においても、弱視の固有課題に取り組む部署を設ける必要性を感じています。  2009年発表の日本眼科医会の調査によれば、日本の視覚障害者数は約164万人、そのうち弱視は約145万人とされています。身体障害者手帳所持者は32.2万人ですので、その5倍近い数の弱視者がいることになります。こうしたことから、必要な情報や支援が得られない中で過ごしておられる方も、今なお非常に多くいらっしゃることが推測されます。さらに今後、超高齢化社会の進展や視覚障害認定の見直し等もされる中、ますます弱視者の人口は増加すると予測されます。  弱視者の中には、一般就労されている比較的若年層の方も多いと思われますが、この方たちも情報や支援が少ない中、また仲間にもなかなか巡り合えずに孤軍奮闘する方も多いと聞きます。私自身も一般就労していますが、自分の見え方を周囲の人にどのように理解していただくかとか、新しいITスキルに対してどう習得していくか、といった課題に直面しています。  こうしたことから、会内部に、弱視の課題に取り組む部署を作り、若年就労層やまだ組織化されていない多くの弱視の人たちを取り込んで、会の活性化をも図っていきたいと考えます。  活動の第一段階としては、弱視の人たちが集まり、交流や情報交換が行える場づくりを行いたいと思います。生活や就労等の悩みを話し合ったり、弱視に役立つ研修・学習活動、QOL向上のための諸活動を行っていきたいです。将来的には、教育・医療・リハビリテーション機関、福祉・行政関連組織との連携も深めながら、弱視者の相談支援等に貢献できる団体を目指したいと思います。なお、この活動の通称を、「ロービジョンカフェ」としたいと思います。 2.活動1:ロービジョンカフェの活動 (1)2021年の活動  10月 キックオフミーティング開始   開始以降、おおむね月1回のペースで、オンラインでミーティング開催 (2)2022年の活動  1月 第1回ロービジョンカフェ(オンライン開催)   テーマ:弱視者のアプリ活用の情報交換(LINEのKeepメモを使った道順の覚え方、キャッシュレス決済アプリの比較等)   参加者:25名  4月 第2回ロービジョンカフェ(オンライン開催)   テーマ:弱視者のキャッシュレス決済のいろいろ(キャッシュレス決済アプリ、ネットバンキング、電子マネー等の情報交換)   参加者:22名  6月 第3回ロービジョンカフェ(リアル開催)   テーマ:弱視当事者の自作便利グッズ展示会(自作のルーペや白杖、お湯を注ぐときに便利な道具等の展示と情報交換)   参加者:17名  7月 第4回ロービジョンカフェ(オンライン開催)   テーマ:弱視者のPC活用の情報交換(見えやすくするための機能やアプリ、PC-Talkerの視覚補助機能等)   参加者:12名  8月 視覚障害者の生活を考える会(ハイブリッド開催)   テーマ:弱視&ロービジョン、悩みを共有、課題解決を考える       @福祉制度拡充の経緯と今後の展望(名古屋市)       A当事者のニーズと必要な支援(日視連弱視部会 伊敷副部会長)       B視覚リハビリテーションとしての支援(名古屋市総合リハビリテーションセンター)       Cロービジョンの不便さを語る〜当事者のニーズと支援のありかた  9月 第5回ロービジョンカフェ(オンライン開催)   テーマ:公共施設を利用しての困りごと   参加者:13名  10月 第6回ロービジョンカフェ(オンライン開催)   テーマ:便利な家電の情報交換   参加者:14名  12月 アイコサポート体験会(リアル開催、女性部との共催イベント)   参加者:8名 3.活動2:各種検証活動 ・「広報なごや」見えやすさモニター検証 ・名古屋市内ラウンドアバウトの表示等検証 ・市内改築予定の各区役所の見やすさを中心とした検証 ・名古屋駅ユニバーサルデザイン検証 ・その他公共施設の検証等 4.これまでの活動のふりかえり (1)良かったところ、リソースになること ・現在コアスタッフ5名が意欲的に活動を回してくれている ・名視協全体として、弱視部を応援する空気感ができている ・デジタル作業を行ってくれるチームがバックアップしてくれている ・青年部、女性部とリンクしながら活動できている ・行政機関との太いパイプがある (2)今後の課題 ・参加者がまだ少ない ・全体的に活動が硬い感じがする ・発信力の強化が必要(ホームページの更新や動画配信等) ・マンパワーが不足、疲弊ぎみ(コアスタッフは現役世代が多い、また会でも重複して役割を担っている) ・行政関係の検証作業は、平日に実施することがあり、現役世代の会員の参画が難しい ・オンラインサポーターの必要性を感じる ・予算が少ない(助成金申請中) 5.2023年以降の活動予定 ・ロービジョンカフェ 1月は仲間同士が自由に発言しあえる「なんでも相談会」を開催する ・学習活動 動画配信のノウハウを学ぶ講習を当事者講師をお招きして1月より開始する ・行政機関との折衝、検証活動 ・上記活動も含め、多くの弱視当事者や外部団体を巻き込んでのネットワークづくり 32ページ B 弱視部会が発行した資料等  本部会が発行した資料等は、本連合ホームページで公開している。なお、PDF版の他にテキスト版も掲載している。 1.弱視者の困り事 資料集 (1)紹介ページ http://nichimou.org/all/news/secretariat-news/201201-jimu-2/ (2)資料について  本部会の活動の一つである情報収集の中で、委員向けメーリングリスト、オンライン意見交換会、常任委員会等で集めた情報を整理した資料集。各号ではテーマ別に弱視者(ロービジョン)の困り事を整理しており、弱視者の特性を理解するための資料となっている。なお、これまでに下記の資料集を発行している。  @第1号(令和元年12月発行)   ・移動に関する困り事    ・弱視の父母の子育てでの困り事  A第2号(令和2年3月発行)   ・スマートフォンの活用   ・男性ならでは、女性ならではの困り事  B第3号(令和2年11月発行)   ・新型コロナウイルスの影響で困ったこと  C第4号(令和3年10月発行)   ・障害者手帳を取得するまでの困り事  D第5号(令和4年8月発行)   ・オンライン会議における困り事や活用事例    ・金融機関における困り事や活用事例 2.「見えづらい・見えにくい人のくらし」弱視に関する懇談会 報告書 (1)紹介ページ http://nichimou.org/notice/190122-jimu/ (2)資料について  本部会の前身となる「弱視に関する懇談会」での議論をまとめた資料。弱視(ロービジョン)の見え方や行動が多様であることを紹介し、移動、仕事、生活等の困り事を整理し、改善策等を掲載している。  なお、本連合の弱視部会は、この報告書をきっかけに全国組織を立ち上げている。 3.弱視(ロービジョン)の方向けリーフレット 「見えにくいことは はずかしいことではありません!」 (1)紹介ページ http://nichimou.org/all/news/secretariat-news/200303-jimu/ (2)資料について  視覚障害者の中で弱視者(ロービジョン)は全体の8〜9割と言われている。しかし、自分から弱視(ロービジョン)であることを言えず、困難を抱えながら日常生活を送っている者が大変多いとされている。  そのため、このような者が弱視(ロービジョン)の困難さを感じずに日常生活を送れるよう、「困ったことがあれば相談すること」を周知するため、本リーフレットを発行した。  4.委員総会 報告書 (1)紹介ページ http://nichimou.org/all/news/secretariat-news/220307-jimu-1/ (2)資料について  本部会における重要事項を検討する委員総会の開催内容、委員総会に併せて開催した研修会や意見交換会の開催内容を掲載している。 裏表紙 【発行】 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 弱視部会 〒169−8664 東京都新宿区西早稲田2−18−2 TEL 03−3200−0011 (内線:6) FAX 03−3200−7755 メール jim@jfb.jp URL http://nichimou.org/