第1回点字考案200年記念事業「記念講演会&シンポジウム」 日時:2022年3月19日(土)13:00〜16:00 YouTube 配信及び東京・大阪会場によるハイブリッド形式 東京会場:日本視覚障害者センター 大阪会場:大阪府立労働センター エル・おおさか 主催:点字考案200年記念事業推進委員会 後援:毎日新聞社点字毎日 全国盲学校長会 特定非営利活動法人 全国視覚障害者情報提供施設協会 特定非営利活動法人 日本点字技能師協会  主催者挨拶  竹下義樹 点字考案200年記念事業推進委員会委員長・日本視覚障害者団体連合会長  コンピューターの進歩とデジタル化によって、視覚障害者を取り巻く環境は大きく変わってきました。しかし、視覚障害者にとって、文字としての点字の重要性は変わりません。ルイ・ブライユが点字を考案してから間もなく200年を迎えようとしていますが、視覚障害者が自由に読み書きできる点字がこの世に生まれていなければ、視覚障害者は十分に教育を受け、様々な職業を選択し、文化を享受することはできなかったのではないでしょうか。にもかかわらず、わが国では、点字の法的な位置づけは未だ明確ではありません。この企画が、韓国の点字法を学び、わが国における点字の市民権を確立する第1歩となることを期待しています。  開催趣旨  世界で初めて点字が考案された1825年から、2025年で200年を迎えようとしています。点字は、視覚障害のある者にとって、唯一、自由に読み書きできる文字として、大きな意義を持っており、この点字の考案と普及が、世界の視覚障害者の自立と社会参加促進に大きく貢献してきました。  私たちはルイ・ブライユの業績に感謝しつつ、今日における点字の意義をさらに大きなものとするために、点字考案200年を迎える2025年に向けて点字の普及と現代社会に即した実用性の拡大を目指して、2021年度から継続的に各種事業を展開していきます。  第1回は、「記念講演会&シンポジウム」として、韓国の点字法に学びながら、これからの点字への期待について議論を深めます。  プログラム 13:00 開会・主催者挨拶 竹下義樹(点字考案200年記念事業推進委員会委員長) 13:10〜14:30 記念講演<進行 指田忠司(日本盲人福祉委員会常務理事)> 「韓国点字法に学ぶ−立法経過とその後の状況−」チェ・ドンイク(崔東益)氏(韓国シロアム視覚障害者福祉館常務理事) 14:30〜14:45 休憩 14:45〜15:50 シンポジウム <進行 渡辺昭一(日本点字委員会会長)>「これからの点字への期待 −新たな輝きを求めて−」 シンポジスト 東京:長岡英司氏(日本点字図書館館長) 江村圭巳氏(筑波大学附属視覚特別支援学校教諭) 大阪:シン・ヨンホン(愼英弘)氏(四天王寺大学名誉教授) 山本宗平氏(大阪府立高等学校教諭) 16:00 閉会  講演者プロフィール ●チェ・ドンイク(崔東益)氏 2007.07−2012.05 社会福祉法人シロアム視覚障害者福祉会・理事 社会福祉法人シロアム視覚障害者福祉館・館長 2010.04−2014.03 韓国視覚障害者連合会(KBU)・会長 2012.03−2014.02 韓国障害者福祉館協会・会長 2012.05−2016.05 大韓民国第19代国会議員(共に民主党) 2016.06−現在まで 社会福祉法人シロアム視覚障害者福祉会・常任理事  シンポジストプロフィール ≪東京会場≫ ●長岡英司氏:日本点字図書館館長…点字図書館・点字出版の立場から  1951年1月生まれ。12歳で完全失明。1977年3月立教大学理学研究科修士課程修了。キヤノン(株)、国立職業リハビリテーションセンター勤務を経て、1990年4月筑波技術短大助教授。2016年3月筑波技術大学教授を定年退職。同年4月(社福)日本点字図書館勤務、翌年4月館長・常務理事(現職)。情報処理技術者試験1種・2種に点字受験で合格。著書に『情報処理用点字のてびき』『数学&情報処理点訳ガイド』など。 ●江村圭巳氏:筑波大学附属視覚特別支援学校教諭…視覚障害教育の立場から  静岡県立沼津盲(現沼津視覚特別支援学校)、神奈川県立平塚盲、京都府立盲等、13年間の盲学校生活の後、橘女子大学(現京都橘大学)卒業。学生時代から1年半にわたり日本ライトハウス点字出版所に勤務する中で、点字校正の基礎を身につけた。1984年より筑波大学附属盲学校(現筑波大学附属視覚特別支援学校)養護訓練(自立活動)教員として勤務。38年にわたって、中学部から専攻科までの低視力あるいは中途視覚障害生徒の点字指導を行っている。 点字を使って生徒が就職その他で成功している話を聞く時が最もうれしさを感じる。筑波大学認定公開講座、免許状更新講習など学内の講師に加え、鶴見大学短期大学部非常勤講師等を行っている。監修書に『目の見えない私たちが作った子育ての本』(かるがもの会)『見えなくてもみんなで子育て‐一人じゃない私たちの30年』(かるがもの会)など。 ≪大阪会場≫ ●シン・ヨンホン(愼英弘)氏:四天王寺大学名誉教授…点字の市民権拡大の立場から  1947年に東京にて出生。小学3年生のときに原因不明で失明。その3年後に盲学校に編入。そのときに点字と出会い、以後64年間点字使用者。「点字はわが人生の導きの羅針盤」。 大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。1997年に花園大学社会福祉学部の助教授、その後に教授。2003年から四天王寺大学大学院人文社会学研究科の教授、2017年に定年退職、四天王寺大学名誉教授。著書に『点字の市民権』(生活書院、2010年)、そのほか著書・論文多数。座右の銘は「情けは人の為ならず」。 ●山本宗平氏:大阪府立高等学校教諭…インクルーシブ教育の立場から  1979年、京都市生まれ。先天性網膜芽細胞腫により失明。地域の小・中・高に通う。大学ではボランティアセンターに点訳の部を作ったり、バンド活動をしたり、短期間アメリカに滞在した。2003年から大阪府立高校で英語を教えている。趣味は音楽鑑賞、旅行、マラソン。