19条連絡会ニュース 10 その2 発行日:2021年8月17日 発行:あん摩師等法19条連絡会    〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2 日本視覚障害者センター内     電話:03-3200-0011(代表) FAX:03-3200-7755 発行責任者:竹下義樹 (幹事会の開催後に発行) (本号の担当:日視連) あん摩師等法19条裁判の行方 公益社団法人 日本あん摩マッサージ指圧師 会長 安田和正  昭和39年に規定された法第19条に対して、平成27年9月、学校法人平成医療学園は、「あん摩マッサージ指圧師国家試験の受験資格の得られる養成課程」の新設を国に申請しました。  しかし国は、翌年の2月に医道審議会あはき柔整分科会の審議をふまえ、あん摩師等法19条を理由に同課程の設置申請を却下しましたが、法人側は、これを不服として「国が新設を認めないのは開設希望者の職業選択の自由を制限している」として憲法第22条第1項違反を訴え、さらに申請却下の過程が妥当な手続きによるものとはいえないとして憲法31条違反をも主張してきましたが、 地裁、高裁とも却下され、約5年間に亘って争われてきたこの裁判も、いよいよ大詰めの最高裁判決を迎えようとしています。  この問題は、新設を申請している医療学園も含め、しっかりと考察していかなければならないのではないか。国民の保健衛生を守る私たちとしては、禍根を残さないようにしないといけない。 全鍼師会の立場からみた、あん摩師等法19条問題 公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会 視覚障害委員長  仲澤 進  公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会(以下本会と呼ぶ)は、晴盲一帯の職能団体です。そのうち、視覚障害者は会員の20パーセントと思われます。本会では、「視覚障害あはき師の経営実態調査」というアンケートを行いました。その質問項目の1つに「あなたの施術所では数年前と比べ、患者さんの数が増えていますか」という問いに対し、「減っている」と答えた視覚障害会員が大半です。  この要因の1つとして、健常あん摩マッサージ指圧師(以下あん摩師と略す)の増加があげられます。  一方、80パーセントの健常者もこれ以上のあん摩師の増加が過当競争になることへの懸念を感じています。  本会は、あん摩師、鍼灸師業界の健全な発展を願い、日々活動しております。あん摩師等法19条裁判におけるあん摩師教育の定員増を臨む平成医療学園グループの主張は、三療業界の不健全な方向に導くものと考えます。よって、国厚労省の言い分である当分の間、視覚障害あん摩師の比率をこれ以上減らさないことを目的にあん摩師養成施設を規制するという姿勢を支持します。   あはき違憲訴訟の最終局面を迎えて思う あはき19条を守る東北協議会 会長 及川清隆  読者の皆さんこんにちは。  平成28年9月に仙台地裁で開かれた、あはき違憲訴訟第1回口頭弁論から、2か月程で5年を迎えようとしております。  仙台地裁及び仙台高裁で、原告の訴えが却下されたことは、私たちの国勝訴に向けた、これまでの運動の結果だと感じております。  しかし、昨年の12月26日に原告は最高裁に上告しておりますので、まだまだ私たちの闘いは続くことになりました。  私は、この際、原告の上告を受けて、最後まで司法の場において、徹底的に審査していただきたいと考えております。  その結果が、今後のあはき業に携わる多くの仲間への大道となると信じております。  東北協議会は6月から最高裁に向けた署名活動を行っておりますが、新型コロナウイルス感染拡大によって、なかなか大変な活動となっております。  とは言え、何としても、多くの署名数を最高裁に届けて、私たちの強い思いを具現化したいと思っております。  今後の運動については、最高裁の判決結果にもよりますが、先を見据えた組織のあり方等の論議を幹事会で深めたいと思っております。  皆様、この闘いも最終局面に入っております。  共に心ひとつにして、完全勝訴に向けて頑張ろうではありませんか。 いよいよ最高裁! 関東ブロックの取り組み あはき法19条関東協議会 会長 鈴木孝幸  長きにわたった裁判も、最終局面に入ったと言える。東京・仙台・大阪の判決は国側勝訴であったが、この最高裁での判決が出るまでは、いや!出たとしても引き続き活動を続けなければならないと考えている。  幸い、今回の会議において、引き続き個人署名並びに団体署名を9月末まで行う事となった。  このことで、これまでと同様に最高裁に対して、我々の声を届けるための具体的な活動を手を緩めることなく進めていかなければならない。  この裁判に勝ったからと言って、巷にあふれる無免許業者や柔道整復師が取り締まられるわけではない。この戦いに勝ってこそ、次の問題を解決する手がかり・足がかりにしていかなければならない。  関東と言う「地の利」を生かし、上京する同志と手を取って最高裁に行かせていただければと考えている。あと一息二息だと思うが、コロナ禍にあっても、息切れしないよう、しっかり取り組んで必ず勝つこと、そして余波を受けないよう闘って行きたい。 あん摩師等法19条訴訟の最高裁判決にむけて 近畿19条問題対策協議会 代表 辰巳壽啓  約5年間にわたる19条裁判においては、多くの方々のご支援とご協力を頂きありがとうございました。  新型コロナウイルス感染症の影響をうけて遅れていました大阪高裁の判決が7月9日にあり、一審に続いて国が勝訴しました。  先日開催されたあん摩師等法19条連絡会第21回幹事会において、最高裁の判決にむけて団体・個人の署名活動を続けることとなり、近畿協議会としてもより一層力を入れて19条を守るために、取り組みたいと考えていますので、皆様のご協力を宜しくお願い致します。