愛盲時報 令和3年7月25日(日)第271号 目次  1.第74回全国視覚障害者福祉大会〜晴れの国 岡山で初のオンライン開催〜  2.日視連総合相談室 ICT相談はじまる  3.就任のご挨拶  情報部長 吉泉豊晴  4.あん摩師等法19条訴訟 第2審大阪高等裁判所で判決下される  5.「点字付き世界地図」が寄贈されました  6.速報!!  新執行部決まる!  7.令和3年度 東京都専門点訳奉仕員養成講習会受講者募集  8.ご寄付のお願いについて  9.奥付  *見出しの頭には「--(半角で2つ)」の記号が挿入されているので、検索機能を使って頭出しをする際にご利用下さい。  また検索の際、目次でご紹介した数字を続けて半角で入力すると、その項目に直接移動することができます。  (例)1をご希望のときは、「--1(すべて半角)」と入力。 (以下、本文) --1.第74回全国視覚障害者福祉大会〜晴れの国 岡山で初のオンライン開催〜 【写真】竹下義樹日視連会長(右)と片岡美佐子岡山県視覚障害者協会会長(左) 日本視覚障害者団体連合に改名後 はじめての大会はオンラインで 【写真】第74回全国視覚障害者福祉大会(岡山大会)の様子  5月24日、日本視覚障害者団体連合と岡山県視覚障害者協会主催による第74回全国視覚障害者福祉大会が、岡山県倉敷市の倉敷アイビースクエアを会場に開催されました。  今大会は、新型コロナウイルス感染症の全国的な感染拡大を受け、オンラインで開催することとなりました。また、例年3日間で開催している大会は1日で開催され、大会式典はYouTubeでライブ配信するなど、2年ぶりに開催した全国大会は、初めての試みが行われた大会となりました。 【写真】午前の全国団体長会議では、全国60団体の代表者とオンラインで繋いで、活発な議論が交わされた  大会は、午前に全国団体長会議が開かれ、午後には、全国大会(大会式典、大会議事)が行われました。 【写真】第1回全国団体長会議の様子  午前の全国団体長会議は、1月26日に開かれた令和2年度臨時評議員会において各加盟団体長の声を反映させる場として設置することが承認されたもので、今大会では第1回を開催しました。  会議は、日視連橋井正喜(はしいまさき)常務理事の司会、岡山県視覚障害者協会片岡美佐子(かたおかみさこ)会長と名古屋市視覚障害者協会田中伸明(たなかのぶあき)会長の議事進行で行われ、全国の加盟団体の代表者(代理含む)が参加しました。  令和3年度運動方針(案)を議論し、その後、団体提出議案の中で特に要望が多かった(1)同行援護、(2)情報保障の2つのテーマに関し、活発な議論と地域の取り組み状況等の情報提供が行われました。  令和3年度運動方針(案)では、竹下会長よりデジタル化への対応、情報保障、無人駅を含む鉄道のバリアフリー、あはき、就労、合理的配慮の拡大等の本年度取り組むべき運動方針を提案しました。  続く、団体提出議案では、制度が開始されて10年が経過した同行援護事業について、さらに制度の充実を図ることが求められる旨の意見が出されました。また、情報保障では、ICT機器のユーザビリティの向上及びアクセシブルな環境の整備を求める意見が出されました。竹下会長からは、寄せられた意見を含め、改善を求めて、国及び関係機関へ陳情していく旨の報告がありました。  午後には、第74回全国視覚障害者福祉大会が全国団体長会議と同様にオンラインで執り行われました。大会の模様は、YouTubeでライブ配信され、全国の視覚障害者が視聴しました。 【写真】滋賀県視覚障害者福祉協会での福祉大会の視聴の様子  第1部の大会式典では、岡山県視覚障害者協会川田忠茂(かわだただしげ)常務理事の開会宣言、国歌・会歌斉唱の後、岡山県視覚障害者協会片岡美佐子会長から歓迎の挨拶が述べられました。  挨拶の中で片岡会長は、2018年の西日本豪雨災害に触れ、「全国から視覚障害被災者へのあたたかいご厚情をいただきましたこと心より感謝いたします。この教訓を基に視覚障害者団体の組織の充実、強化と地域との連絡を図り、自然災害時における防災・減災対策の推進を求めていくことの重要性をあらためて考えさせられました」と語りました。  次に、日本視覚障害者団体連合竹下義樹(たけしたよしき)会長から主催者挨拶があり、「第74回岡山大会がオンラインという形でしか開催できなかったことを非常に悔しく思っています。昨年、第73回宮城大会を中止した私たちとしては、2年連続で大会を中止することはとても辛く、団体として全国の皆さんの結集を何としても実現したいという思いから、オンラインという形で、今日、岡山県で実現することができました。新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中で二転三転する状況を踏まえながらも、今日まで準備を進めていただいた片岡会長をはじめ、地元岡山県視障協の皆さん、自治体、関係者の皆さんにお礼申し上げます」と感謝の意を表しました。  更に74年間に渡り積み上げてきた日視連の運動は、国を動かし、社会を変えていったと述べた上で「私たちの運動というのは、一人ひとりの人権や人間性を大事にすること。視覚に障害があってもそのことは決して軽く考えてはならないということを社会に知っていただくのが運動の柱です。それだけにこの大会を成功させることは、リアルでの交流に加え、オンラインで繋ぐ広がりもあるような、来年度からの新たな形式を模索する第一歩だろうと思います」と述べました。  そのほか、日視連顕彰表彰式、加藤勝信(かとうかつのぶ)内閣官房長官からのビデオメッセージ、田村憲久(たむらのりひさ)厚生労働大臣、萩生田光一(はぎうだこういち)文部科学大臣、伊原木隆太(いばらぎりゅうた)岡山県知事、伊東香織(いとうかおり)倉敷市長からの祝辞、祝電披露が行われました。 日視連 顕彰等被表彰者氏名 (敬称略・順不同でご紹介します) 【村谷昌弘福祉賞】組織功労 大橋博(おおはしひろし)(滋賀県) 前川昭夫(まえかわあきお)(中国ブロック・広島県) 小川幹雄(おがわみきお)(中国ブロック・島根県) 【礎賞】組織功労 藤澤弘一(ふじさわひろいち)(岡山県) 衛藤良憲(えとうよしのり)(大分県) 菊若啓州(きくわかけいしゅう)(音楽協) 【ブライトスター賞】 教育・スポーツ功労 滝田広子(たきたひろこ)(札幌市) 【光の泉賞】内助等功労 石黒惠子(いしぐろけいこ)(北海道ブロック・札幌市) 廣瀬圭子(ひろせけいこ)(関東ブロック・山梨県) 柳田久雄(やなぎたひさお)(北信越ブロック・富山県) 佐藤吉子(さとうよしこ)(近畿ブロック・大阪府) 村上公子(むらかみきみこ)(四国ブロック・愛媛県) 衛藤照子(えとうてるこ)(九州ブロック・大分県) 【光の泉功労賞】福祉貢献  高橋春江(たかはしはるえ)(関東ブロック・群馬県) 新井美千代(あらいみちよ)(東海ブロック・名古屋市) 門脇保身(かどわきやすみ)(中国ブロック・鳥取県) 【永年勤続表彰】 川村敦男(かわむらあつお)(日視連・東京都) 【感謝状】 一般財団法人 安全交通試験研究センター 社会福祉法人 岡山県視覚障害者協会(第74回全国視覚障害者福祉大会開催) 【写真】賞状を読み上げる竹下義樹日視連会長(左)と表彰を受ける前川昭夫日視連元副会長(右)  第2部の大会議事では、令和2年度決議処理報告、令和3年度運動方針を執行部の原案通り全会一致で可決。続いて宣言・決議も全会一致で採択されました。  議事終了後、次年度の第75回大会開催地団体を代表して、名古屋市視覚障害者協会田中伸明(たなかのぶあき)会長から挨拶があり愛知県名古屋市で開催することが報告されました。  最後に、岡山県視覚障害者協会竹内昌彦(たけうちまさひこ)副会長から閉会が宣言され、拍手の中、オンライン開催という新しい形の大会が幕を閉じました。 第74回全国視覚障害者福祉大会動画 公開  6月24日より、YouTube日視連チャンネルで大会当日のライブ配信動画を編集した「第74回全国視覚障害者福祉大会 岡山大会」(編集版)の配信を開始しました。動画は、第1部式典と第2部大会議事に分かれて公開しています。 ■動画URL 第1部式典(https://youtu.be/9LTgsOtIroo) 第2部大会議事(https://youtu.be/VP1Dcj2Rx48) --2.日視連総合相談室 ICT相談はじまる  コロナ禍により、社会のデジタル化が急速に進んでいます。日常生活においても、ICTを利用する場面が増えてきました。  そのような中で、日視連総合相談室ではICTに関する相談を6月24日より開始しました。  パソコン・スマートフォンの困りごと(操作方法)等、お気軽に電話で相談をお寄せ下さい。  いただいたご相談には専門の相談員 富岡宜喜(とみおかのぶき)が対応します。 ご挨拶 富岡宜喜相談員  私は、富岡宜喜と申します。栃木県足利市に住んでおります。視力は全盲です。  現在、群馬県が運営しております、群馬県障害者情報課支援センターに勤務しております。また、群馬県視覚障害者福祉協会で行っている生活訓練のパソコン講座を担当しております。個人で高知システム開発のソフトの販売店や、ネットショップの運営も行っております。SPAN(スパン)(視覚障害者パソコンアシストネットワーク)に入会しており、毎月発行しているメルマガの編集作業を担当しております。  私自身普段は、WindowsパソコンをPC-Talkerという画面読み上げソフトで使用しております。また、iPhoneをボイスオーバーという画面読み上げ機能で使用しております。高知システム開発から発売されているソフトはすべて所持しておりますので、サポートできると思います。また、パソコンを使いやすくするための設定などについてもサポートできると思います。  視覚障害者にとってパソコンやスマートフォンは生活必需品ではないかと思います。私もまだまだ勉強中ですが、皆さんがパソコンやスマートフォンを大いに活用し、楽しみながら使うことができるようにサポートさせていただきたいと思います。  わからないことにつきましては対応までにお時間をいただくこともあるかと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします。サポートを通じて多くの皆様とふれあえることを心より楽しみにしております。 日視連総合相談室 ICT相談 受付窓口 日本視覚障害者団体連合 総合相談室 【曜日】 毎週木曜日 【受付時間】 午前10時〜午後4時(昼休業あり) 【相談費用】 無料 【電話】03−3200−0011(内線5) 【メール】soudan@jfb.jp --3.就任のご挨拶  情報部長 吉泉豊晴 【写真】吉泉豊晴 情報部長  4月から日視連の情報部長として勤務しております吉泉豊晴(よしいずみとよはる)です。5月7日の日視連の理事会において情報部長の就任をご承認いただきました。よろしくお願いいたします。  それまでは38年間にわたって厚労省で勤務してきました。現在63歳。網膜剥離で失明したのが12歳のときですから、視覚障害者になって50年以上が経過したことになります。今は東京都豊島区(最寄り駅は池袋駅)から日視連の西早稲田に通っています。  日視連ではホームページをはじめとする各種媒体での情報発信に関わっていますが、録音媒体に私の声を収録させていただく機会もあります。原稿を書くのは長年やってきましたが、話をするのはなんだか気恥ずかしく、いまだに慣れません。  また、電話等でご相談に対応させていただくこともありますが、同行援護や日常生活用具等の福祉の問題、点字ブロックや交通機関に関わる問題、あるいは就労の問題と内容が多岐にわたり、まだまだ勉強不足だと実感しているところです。皆様のお知恵をお借りしながらやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 --4.あん摩師等法19条訴訟 第2審大阪高等裁判所で判決下される  視覚障害あん摩マッサージ指圧師の生計を維持するため視覚障害者以外のあん摩マッサージ指圧師養成学校の新設を制限することができる法律として設けられた「あん摩師等法19条」が『職業選択の自由』を定めた憲法22条1項に違反するとして、平成医療学園グループが2016年7月に国を相手に裁判を起こしました。このいわゆる「あん摩師等法19条裁判」は、東京・大阪・仙台の3か所で起こり、昨年6月8日の仙台地裁での判決を最後に一度裁判が終わりを迎えましたが、3地裁とも原告は高等裁判所に控訴し、東京高等裁判所と仙台高等裁判所の第2審判決では、両地裁ともに平成医療学園グループの控訴を棄却することが言い渡されました。  7月9日、平成医療学園専門学校ならびに宝塚医療大学が国に対し、あん摩師等法19条によるあん摩マッサージ指圧師養成施設設置の非認定処分を取り消すことを求める訴訟の第2審判決が大阪高等裁判所202号法廷で行われました。  法廷傍聴には、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮して36名に制限されている中、日本視覚障害者団体連合近畿・中国の各ブロック、日本あん摩マッサージ指圧師会、日本理療科教員連盟、全日本視覚障害者協議会、全日本鍼灸マッサージ師会等の視覚障害当事者・支援者約100名が詰めかけました。  判決では、永井裕之(ながいひろゆき)裁判長より、控訴人の請求を棄却する、裁判費用は控訴人が負担する旨の判決が言い渡されました。 【写真】判決後、大阪高裁近くの堂島ビルヂングで報告集会が行われた --5.「点字付き世界地図」が寄贈されました  6月15日、株式会社サン工芸 杉山欣司(すぎやまよしじ)代表取締役社長が日本視覚障害者センターを訪れ、「点字付き世界地図」を寄贈しました。 【写真】左から株式会社 サン工芸 杉山欣司代表取締役社長、日視連 吉泉豊晴情報部長、三宅隆組織部長  この「点字付き世界地図」は、大きさが横約1メートル60センチ、縦約1メートル、重さ約10キロの大変大きな地図で、センター2階の会計前に設置しています。海と大陸とで手触りが異なり、世界の国と都市を約270ヶ所点字で表記してある地図です。  センターにお越しの際には、ぜひ触れてみて世界の大きさを感じ取ってみてください。 --6.速報!!  新執行部決まる! 【写真】日本視覚障害者センターで行われた第4回理事会の様子。全国の理事、監事とオンラインで繋いで開催された  6月22日に日本視覚障害者センターを会場にオンラインで執り行われた令和3年度日視連定時評議員会では、役員の選任が行われました。理事・監事の選任の議案が審議され、執行部の原案通りに承認。新たに14名の理事、3名の監事が選任されました。その後開催された第4回理事会では、会長に竹下義樹(たけしたよしき)氏、副会長に及川清隆(おいかわきよたか)氏、佐々木宗雅(ささきむねまさ)氏、片岡美佐子(かたおかみさこ)氏の3名が、常務理事に橋井正喜(はしいまさき)氏、後藤英信(ごとうひでのぶ)氏の2名がそれぞれ選任されました。 【上写真】左から佐々木宗雅副会長、竹下義樹会長、片岡美佐子副会長、及川清隆副会長 【左写真】左から順に、橋井正喜常務理事、後藤英信常務理事 --7.令和3年度 東京都専門点訳奉仕員養成講習会受講者募集  日視連では、東京都の委託による「専門点訳奉仕員養成講習会」を実施しております。下記の要領で実施いたしますので、お知り合いのボランティアなど関係する方々にご案内いただけますと幸いです。 ・対象   点訳の知識と経験があり、受講後、都内で活動できる方。 ・期間 令和3年10月6日〜令和4年3月17日 【英語コース】水曜日の10時〜12時 【理数コース】木曜日の14時〜16時 【楽譜コース】水曜日の13時30分〜15時30分 ・定員 各コースとも定員10名、全10回 ・申込書請求 8月2日〜8月31日(必着)に希望コース名を明記した用紙と、住所・氏名を記入し94円切手を貼った返信用封筒(長形3号)を同封の上、下記まで郵送ください。申込時に課題提出と来館による試験があります。詳細は、日本視覚障害者団体連合ホームページ(http://nichimou.org/)をご覧ください。 申込み・問い合わせ先 〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2 日本視覚障害者団体連合 点字図書館 講習会担当 (電話:03-3200-6160) --8.ご寄付のお願いについて 日本視覚障害者団体連合は視覚障害者自身の手で、<自立と社会参加>を実現しようと組織された視覚障害者の全国組織です。  1948年(昭和23年)に全国の視覚障害者団体(現在は、都道府県・政令指定都市60団体が加盟)で結成され、国や地方自治体の視覚障害者政策の立案・決定に際し、当事者のニーズを反映させるため、陳情や要求運動を行っています。  活動内容は多岐にわたりますが、そのために必要な経費の確保は、厳しい財政の中困難を極めています。  視覚障害者福祉の向上を目指し、組織的な活動を維持していくため、皆様からの特段のご厚志を賜りますよう、何とぞ宜しくお願い申し上げます。 ■ゆうちょ銀行 記号番号 00160−5−536104 加入者名 社会福祉法人日本視覚障害者団体連合 ■みずほ銀行 店名 高田馬場支店 預金種目 普通  口座番号 2868101 カナ氏名(受取人名)フク)ニホンシカクショウガイシャダンタイレンゴウ ※領収証が必要な方、本連合が振り込み手数料を負担する専用の振込用紙をご希望の方は、日本視覚障害者団体連合までご連絡ください。(電話:03−3200−0011) --9.奥付 愛盲時報 令和3年7月25日(日)第271号 ※この愛盲時報は鉄道弘済会の不動産賃貸事業などの益金等、日本盲人福祉委員会の愛盲シール維持会費の中から贈られた寄付金などで作られたものです。 発行所:社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合  〒169-8664東京都新宿区西早稲田2-18-2 発行人:竹下 義樹 / 編集人:吉泉 豊晴 電話:03-3200-0011/FAX:03-3200-7755 URL:http://nichimou.org/ Eメール:jouhou@jfb.jp(情報部) 以上で、愛盲時報 令和3年7月25日(日)第271号を終わります。