149ページ 資料@ ICT訓練等の実施機関の紹介  視覚障害者向けにパソコンの操作方法等の訓練や支援を行う機関は、全国各地に点在し、視覚障害者のニーズに応じて、様々な形で訓練や支援を実施している。  ここでは、視覚障害者向けに訓練や支援を実施する機関の一例を紹介する。 150ページ 1 自立訓練(機能訓練/視覚)の施設 1.施設概要 (1)施設名  国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局 (2)所在地  〒359−8555 埼玉県所沢市並木4−1 (3)連絡先  担当 総合相談支援部総合相談課  電話 04−2995−3100(代表)  FAX 04−2992−4525(直通)  メール rehab-soudan@mhlw.go.jp (4)ホームページ  http://www.rehab.go.jp 2.実施内容  自立訓練(機能訓練/視覚)では、主に視覚に障害のある方を対象に、地域や家庭等で持てる力を最大限に生かし、より充実した社会生活を送れるよう、歩行訓練、パソコン・点字等のコミュニケーション訓練、日常生活訓練、ロービジョン訓練等を行います。訓練内容・期間については、利用される方それぞれの必要性、ご意向等を踏まえて設定します。パソコン訓練、歩行訓練の内容は次の説明(1)(2)の通りです。また、訓練の他、社会福祉制度の紹介や利用される方の生活支援、家族支援等、担当ケースワーカーが相談支援を行います。  なお、見学・相談や利用申込み手続きについては、上記総合相談課までお問い合わせください。 (1)パソコン訓練の内容  パソコン訓練では画面を見ながら操作する代わりに、画面読み上げソフトを使用し、パソコン操作ができるよう訓練します。また、見えづらい方には画面の拡大縮小機能等を使って、パソコン操作の訓練も行います。昨今のニーズに応じて、パソコン訓練では「iPhone」「AIスピーカー」「Zoom」等のオンライン会議用ソフトの訓練にも対応しています。 (2)歩行訓練の内容  屋内・外を安全に歩行できるよう、建物内の移動方法や移動の介助を受ける方法、「白杖」という白い杖の基本操作技術を訓練します。また、電車やバス等の公共交通機関の利用方法も訓練します。 3.利用者  主に視覚に障害のある方で、施設利用について市区町村から「障害福祉サービス受給者証」の交付を受けた方がご利用いただけます。 4.利用料金  障害者総合支援法に定められた基準に基づいて、ご利用の障害福祉サービス費と食費・光熱水費をご負担いただきます。なお、所得に応じて軽減される場合がありますので、市区町村窓口へご相談ください。 【写真1:歩行訓練の様子】 【写真2:パソコン訓練の様子】 152ページ 2 就労支援の施設 1.施設概要 (1)施設名  社会福祉法人日本視覚障害者職能開発センター (2)所在地  〒160−0003 東京都新宿区四谷本塩町2−5 (3)連絡先  電話 03−3341−0900  FAX 03―3341−0967  メール shokunou@jvdcb.jp (4)ホームページ  https://www.jvdcb.jp/ 2.実施内容  当センターは、一人でも多くの視覚障害者の「働きたい、働き続けたい」を実現することを目的に、視覚障害に特化した就労支援を行う専門機関です。当センターの就労支援は、就労移行支援、就労定着支援、就労継続支援B型、職能開発訓練の4つの事業を実施しています。これらの内、ICT訓練を実施している3つの事業をご紹介します。それぞれの事業についての詳細をお知りになりたい方は、上記までお問い合わせください。 (1)就労移行支援  基礎コース、応用コース、ビジネス・ワークコース、速記コースの4コースを用意しています。  基礎コースでは、8か月(約80時間)をかけて、音声パソコン初心者の方へ段階的な訓練を実施します。電源の入れ方やキーの位置の説明から始まり、タッチタイピングによる文字入力、Windowsの基礎的な操作、WordやExcelの基本操作、ウェブサイト閲覧や電子メールの基本を習得することができます。  応用コースでは、6か月(約400時間)をかけて、より高度な職業訓練を行います。具体的には、WordやExcel等の高度な使い方、Outlookを利用したスケジュールやタスクの管理、PowerPointによるプレゼンテーション、日商PC検定対策講座等があります。また、これらの実技訓練に加えて、秘書検定講座、英会話、就職活動のための情報アクセシビリティ講座等の講義も実施しています。  なお、令和2年度に就労移行支援を利用された方の内、27名の方が就職または内定を得る等の結果が出ています。 (2)就労定着支援事業  仕事を継続する上での課題や日常生活での様々なご相談に応じています。具体的には、システムが入れ替わり音声ソフトでの利用方法が分からないので職場に来て支援してほしい、最新のWindowsに対応した操作を教えてほしい等、様々な希望にできる限り応じられるような支援を目指しています。  また、月に一度、利用者が参加できるミーティングを実施しています。ミーティングには平均して10名が参加し、定期的に相談の機会を得ることで、職場での悩みを解決する助けになっている等、利用者から好評を得ています。 (3)職能開発訓練事業  東京障害者職業能力開発校からOA実務科の運営委託を受けて実施しています。OA実務科の利用料は無料で、訓練期間中は条件により訓練手当が支給されます。定員は5名、期間は1年間(1,400時間)で、視覚障害者が一般企業等へ就職することを目的とし、パソコン技術と事務業務に必要な知識の講習を行っています。当センターの訓練の中で最も期間が長く、学科や実技を含めた幅広い内容を習得することができます。 【写真1:施設の外観】 【写真2:OA実務科の授業】 154ページ 3 パソコンサポート団体 1.施設概要 (1)施設名  特定非営利活動法人スラッシュ (2)所在地  〒167−0051 東京都杉並区荻窪5−16−7−101 (3)連絡先  電話 03−5397−0644  FAX 03―5397−0644  メール slash101@me.point.ne.jp (4)ホームページ  http://www4.point.ne.jp/slash/ 2.実施内容  当団体は「誰にでも分かりやすく」をモットーに、視覚に障害のある方にパソコン・スマートフォン・タブレット・その他関連機器の使用方法等をご案内しています。一人でも多くの視覚に障害のある方がICT機器等を使うことで、より豊かな生活が実現することを願っています。  なお、火曜日を除く午前10時〜午後5時が営業時間となり、講習は予約制になります。 (1)初心者向けのパソコン講習  パソコンやタブレット等を使えるようになりたいと思っている方、何から始めたらよいか分からない方等を対象に、講師と1対1の対面形式、またはリモート形式の授業を行います。授業の内容は受講者の要望によって、各種ソフトの使い方やインストール方法、インターネットの利用方法、さらには各種携帯電話・スマートフォン・タブレットの使用方法等、様々な内容を懇切丁寧に対応しています。 (2)電話によるサポート  パソコンや周辺機器に関するご質問・ご相談を無料にて受け付けています。 (3)パソコン等の購入の相談対応  お一人でパソコンを始めるにあたり、機器を購入されるのが難しい方を対象に、よりスムーズなご購入ができるよう、ご相談に応じています。 (4)インストールの代行  OSのインストールをはじめ、各種アプリケーションソフトのインストールを代行します。 3.利用者  視覚に障害のある方。身体障害者手帳の有無に関わらずご利用可能です。 4.利用料金 (1)利用会費  6,000円(4月から翌年3月までを有効期間とします。)   ※利用会費の納入は必須ではありませんが、活動の継続のためご協力いただけますと幸いです。 (2)授業料  1時間 1,500円(非会員の場合は2,000円)  30分 1,000円(非会員の場合は1,500円) (3)その他  出張料 5,000円+交通費  パソコン等の初期設定 7,000円 等 【写真1:支援の様子】 【写真2:支援の様子】 157ページ 資料A 調査票、関連資料 158ページ 1 視覚障害あはき師向け書面調査 調査票 ※テキスト版では割愛する。墨字版では使用した調査票を画像で掲載している。 160ページ   2 訓練機関等向け書面調査 調査票 ※テキスト版では割愛する。墨字版では使用した調査票を画像で掲載している。 161ページ 3 あはき師養成機関向け書面調査 調査票 ※テキスト版では割愛する。墨字版では使用した調査票を画像で掲載している。 162ページ 4 療養費支給申請書(入力補助シート付) 【写真1:療養費支給申請書(見本)】 【写真2:Excelの入力補助シート】 1.療養費支給申請書(入力補助シート付)について  本ページに掲載する申請書は、Excelをベースに作られたもので、本調査検討委員会の委員が視覚障害あはき師の声を受け、試作したものである。  まず、この申請書は、以前より視覚障害あはき師がデータ入力をすることが難しいとされており、いかにしてデータ入力をするかが課題となっていた。そこで、本調査事業では、データ入力をするための訓練や支援に着目し、各種調査を実施した。しかし、入力側のアクセシビリティの確保も重要であることから、この試作版の申請書を作成した。具体的には、Excelの転記機能を活用した入力補助シートを付け、この入力補助シート上で入力すると、左ページの療養費支給申請書に転記される仕組みを考案した。その際、この入力補助シートは、縦移動で進むことにより「入力内容の説明」「入力欄」を交互に繰り返す仕組みにしたことで、視覚障害あはき師が入力内容を確認しながら、効率的に入力できる方式を採用している。  なお、本事業では、ヒアリング調査において、対象者へのテスト用のソフトとして使用した。