皆さん、こんにちは。皆さんはよいお年をお迎えでしょうか。  2020年は、新型コロナ感染症拡大のために全く一年の活動ができない年でした。皆さんの生活も大変、不自由なものになっていたのではないでしょうか。日本視覚障害者団体連合の活動もほとんど予定していたものがこなせませんでした。宮城県での全国視覚障害者福祉大会は中止。女性協議会や青年協議会、音楽家協議会の大会も中止。各ブロックの大会・研修会も中止などなど、大変に活動が制約された一年でした。  そんな中にあっても、この一年で取り組みが一つ一つ前進したものもあるのではないかと思います。日視連においても、工夫をしながら将棋大会をオンラインで実現するなど、いくつかの新しい取り組みができた年でもありました。  こうした苦しい経験を2021年にはどういう風にいかしていくのか、そういうことも考えて一年のスタートを切らねばなりません。昨年の反省とともに、私たちの新たな出発として、どんな発想で何を作り出すのか、ぜひ皆さんと知恵を出し合いたいと思います。  全く一年の活動ができなかったと言っても、国もそれなりに動いておりますので、少しその紹介をしたいと思います。  まず一つ目は、2020年10月から福祉の政策を通勤や自営業にも適用しようという、福祉と雇用の連携が実現しました。例えば、通勤に同行援護事業が使えるようになったとか、自営業者であるあはき師の皆さんが施術所における支援や訪問マッサージに行く場合の介助などの援助を受けられるとか、同行援護を使えるとかいう風に制度が大きく前進したわけであります。  ところが、形はできたものの具体的な中身としては極めて不十分なままでスタートしております。現時点では、全国で超例外的な取り組みとして、14自治体で動きはありましたけれども、視覚障害者を対象としたサービスは全く実現しておりません。  国においても制度を前進させるべく、福祉と雇用の政策の連携を図るための検討会が設置されました。その中にいくつかのワーキングチームを作って専門的な議論が行われ、2021年6月には私たちの社会参加、とりわけ雇用に向けた取り組みがまとめられる予定であります。ぜひ期待したいと思いますし、私たち日視連の力も発揮していきたいと思っています。  二つ目は、昨年議論されてきた、障害者差別解消法の改正の問題であります。残念ながら2020年のうちには、法律改正にまで至りませんでした。しかし、2021年の通常国会では、障害者差別解消法の改正法がほぼ間違いなく提案されると思います。  その中の最大の目玉は、民間事業者による合理的配慮の提供が、努力義務から法的義務に格上げされることであります。これが実現しますと、私たちの社会生活における大きな前進を勝ち取ることになりますし、それを梃子【てこ】にした取り組みが我々にも求められるわけであります。  2021年5月24日、25日には、岡山県で全国視覚障害者福祉大会を予定していますが、その大会ではこうした取り組みの成果をぜひ皆さんに報告できるようにしたいと思っております。  私たちの新しい一年がいわゆるイノベーションという言葉で示されるように新しい切り口、新しい発想で、物事に取り組む一年にしたいと思います。