毎回のように新型コロナウイルスのことを報告しなければならないのは、非常に残念です。日本だけではなく世界からも新型コロナウイルスを克服するワクチンが早くできることを願っています。そうでないと来年のオリンピック・パラリンピックも実現しないでしょうし、私たちの来年5月に予定している岡山大会も実施できなくなる恐れがあります。それらを考えて、私たちの社会生活・日常生活が早く平常に戻ることを願ってやみません。  さて、それらの社会情勢はあるものの私たちの願いを実現するための、日視連の活動は遅ればせながらも進めております。本来は、6月か7月に実施すべきだった大会決議を受けての陳情活動は、今年は秋になってしまいました。文章での送付だけに終わった所もありましたが、厚生労働省のように直接陳情の機会を持つことができた所もありました。  そうした中で、私たちの陳情活動をどこまで中身のあるものとして進めていくことができるか。私たちの声がどれだけ行政を動かすことができるか、一つ一つの願いが一日も早く実現することを私たちは願っている訳ですが、陳情の繰り返しだけでは、残念ながら私たちの声は形にならないということも事実であります。それだけに100項目を超える私たちの要求の中で今、実現に近いもの。そして、どうしても壁が厚いけれども繰り返し陳情を続けていかなければならないものといった、区分けもしながら、一つ一つの要求活動の実現に力を入れていきたいと思っております。  そうした中で実現したものが、今年の10月からスタートすることになっています。これまでにも報告しましたが、自営業者に対する支援と通勤に対する支援です。本年10月からこの二つはスタートする訳ですが、残念ながら13の自治体でしか、この10月からはスタートしません。来年の4月に向けて全国にどれだけ広がりを持たせることができるかが課題です。  自営業者への支援は、あはき師や、それ以外の自営業を営む視覚障害者が支援を受けることができます。場合によっては、事業所内での支援、あるいは、外出の際における支援、その双方が、制度の中身として用意されています。要は全国の自治体が、この自営業者に対する支援を実施しなければ、私たちはそれを利用できないわけであります。それだけに各自治体へ私たちの声を届けることが極めて重要になっております。通勤支援も同じことであります。  そういう私たちの声が形になってきていますが、それを具体的に実施する所までたどり着けていないという事柄も、ぜひ皆さんと一緒に、力を合わせて運動することによって、実現できるようにしていきたい。私たちの社会生活・日常生活が充実したものになるために引き続き頑張りたいと思います。  ご存じの通り安倍晋三【あべ しんぞう】総理大臣が、にわかに病気を理由に退任されました。私たちにとっては寝耳に水だったかもしれませんが、今度誕生した菅【すが】政権が、私たちの声を受け止める政権であってほしいものであります。  菅政権のもとで、厚労大臣に復帰した田村憲久【たむら のりひさ】大臣は、私たち日視連にとってもなじみ深い大臣です。それだけに厚生労働省に対する私たちの願いの大きな力となってくれること、私たちの要求が一日も早く実現することを願うばかりであります。  私たちは全ての省庁に対して要求活動を続けている訳でありますが、それらの要求が形になるかどうかというのは、私たちの声をどれだけ丁寧に伝えるか、官僚だけではなくて、大臣にまで実感を持った声が届くかどうかです。そこで私たち日視連の存在が必要になるのだろうと思っています。  ぜひとも新しくできた政権のもとに私たちの声が届くことを願って、今後の活動を強めていきたいと思います。