表紙 読み書きのお願いをしてみませんか? 視覚障害者への 代筆・代読支援 【写真:支援者から「代筆・代読支援」を受けている様子】 厚生労働省 令和元年度障害者総合福祉推進事業 「地域における視覚障害者への代筆・代読支援に向けた調査研究」 報告書 概要版 社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合 ※報告書の完全版は、本連合のホームページ(http://nichimou.org/)、 または右側のQRコードからアクセスできます。 QRコードのURL http://nichimou.org/all/news/secretariat-news/200323-jim/ 中頁(A3見開き) 上側 視覚障害者の約86%は読み書きに困っています! 「代筆・代読支援」を活用しよう! 視覚障害者にとって、チラシや申込書を「読むこと」「書くこと」は大変な苦労を伴います。そのため、自治体による公的な福祉サービスの1つである意思疎通支援事業「代筆・代読支援」は、日常的な読み書きの支援を行う福祉サービスとして活用されています。支援を受けている視覚障害者からは「大変助かっている」「日常生活になくてはならない存在だ」との声が寄せられており、非常に価値のある福祉サービスとなっています。 中段の左側 < 読むこと > 【写真:支援者が読んでいるチラシ】 ●読んでもらっている内容  ・イベントの開催案内  ・役所からのお知らせ  ・スーパーのちらし  ・ホームページの掲載内容  ・友達からの絵葉書  ・思い出の写真  など ●良いところ  ・自宅でゆっくりと、自分のペースで読んでもらえる  ・聞き逃したところは繰り返し読んでもらえる  ・絵や写真の内容も説明してくれる 中段の右側 < 書くこと > 【写真:支援者が申請書に記入をしている】 ●書いてもらっている内容  ・役所から届いた申請書  ・生協やスーパーなどの注文書  ・俳句大会への作品登録の記入  ・ホームページの申し込みフォームへの入力  など   ●良いところ  ・内容を読んでもらいながら、記入が必要なところは教えてくれる  ・記入をお願いする内容は、読み上げ確認をしながら、丁寧に記入してくれる 下側 ●公的な福祉サービスでの代筆・代読の支援 全国の自治体では、様々な方法で視覚障害者への代筆・代読の支援が実施されています。特に意思疎通支援事業「代筆・代読支援」は、同行援護や居宅介護では対応しきれないニーズへの支援が可能となっており、その活用が期待されています。 しかし、「代筆・代読支援」には大きな課題もあります。全国で、誰もが「代筆・代読支援」を受けられるようにするためには、これらの課題を解決することが必要となっています。 左@同行援護 ●代筆・代読の支援 ・外出時の情報提供として実施している。       ↓ ・居宅での支援は実施できない。 左A対面朗読 ●代筆・代読の支援 ・実施施設に訪問して支援を受ける。 右@居宅介護 ●代筆・代読の支援 ・家事援助の一環で実施している。       ↓ ・他の優先度の高い支援に時間を取られてしまう。 ・認定区分が低い者は、居宅介護が利用できない。 真ん中 地域生活支援事業 意思疎通支援事業 「代筆・代読支援」 ●良い点 ・居宅で代筆・代読の支援が受けられる。      ・同行援護と居宅介護の支援者が対応できる。      ・地域の実情や個別ニーズに応じた支援が可能。 ●課題  ・実施自治体が全国的に少なく、利用者が少ない。      ・周知や理解が足らず、利用者が拡大しない。 裏表紙 意思疎通支援事業「代筆・代読支援」の実施は簡単です!  意思疎通支援事業「代筆・代読支援」について、既に実施している自治体と実施を予定している自治体に調査を行ったところ、既に地域で実施している福祉サービスの枠組みを上手く利用して「代筆・代読支援」を実施していることが分かりました。つまり、未実施の自治体でも、既存の枠組みを利用して「代筆・代読支援」を開始することは十分に可能であると言えます。そして、効果的に「代筆・代読支援」を開始するためには、次の「行動」と「3者の協力関係」が重要でした。  未実施の自治体においては、皆で「代筆・代読支援」の開始を考えてみませんか? 【以下、3者の関係性を示した図になります。流れ順にテキスト化をします。】 1.行動 (1)視覚障害当事者 ・自治体に対して「代筆・代読支援」の開始を要望する。 ・要望と共に   @先駆的自治体の代表的モデル   A視覚障害者のニーズ  を情報提供することが効果的。 (2)自治体 ・先駆的自治体の代表的モデルを参考にしながら、地域に合った制度を検討する。 ・同行援護や居宅介護の事業所と相談しながら、円滑なサービス提供が可能となる制度を立案する。 (3)事業所(支援者) ・同行援護における代筆・代読の支援方法などを参考にしながら、支援者の確保と養成を行う。 ・代筆・代読の支援で「できること/できないこと」を整理し、視覚障害当事者と合意の上で支援を行う。 2.協力関係 (1)視覚障害当事者と(2)自治体の相互矢印:本音を出し合い、時に協力し合う関係が大切! (2)自治体と(3)事業所(支援者)の相互矢印:困ったことがあれば相談! (3)事業所(支援者)と(1)視覚障害当事者の相互矢印:お互いを信頼しながらサービスを実施する! ●先駆的自治体の代表的モデル(一例) ※詳しくは本連合ホームページに掲載している報告書の完全版をご参照ください。  支給時間:月5〜10時間、週1回程度、1回あたり1〜2時間前後。  対象者:障害等級のみで判断せず、個々のニーズや状況によって定める。  周知:地域でサービスの利用者を増やすためには、積極的な周知が必要。  その他:障害者支援を行うための法律や条令を根拠に制度を開始する。 ●発行 令和2年(2020年)3月   社会福祉法人日本視覚障害者団体連合(旧・日本盲人会連合)   住 所:〒169−8664 東京都新宿区西早稲田2−18−2   電 話:03−3200−0011  FAX:03−3200−7755   ホームページ:http://nichimou.org/