19条連絡会ニュース 8 発行日:2019年10月23日 発行:あん摩師等法19条連絡会     〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2 日本盲人福祉センター内     電話:03-3200-0011(代表) FAX:03-3200-7755 発行責任者:竹下義樹 (幹事会の開催後に発行) (本号の担当:日視連) ────────────────────────────────────── ────────────────────────────────────── いよいよ判決が言い渡されます あん摩師等法19条連絡会 会長 竹下義樹(たけした・よしき)  東京、大阪、そして仙台で戦われてきたあんま師等法19条訴訟のうち、東京地裁で審理されていた訴訟は9月5日の審理で結審となり、12月16日午前11時30分に判決が言い渡されることとなりました。ある程度予測されていたこととはいえ、判決を迎えるとなると緊張感が高まってきます。絶対に負けるわけにはいきません。  平成医療学園グループが仕掛けた訴訟は、決して国民のためではありませんし、真の意味で「晴眼者」のための訴訟でもありません。自らの事業存続のためのものでしかありません。平成医療学園グループは、あんま師等法19条が制定されてから50年余りが過ぎ、視覚障害者の福祉も充実し職業選択の幅も広がっているなどと主張していますが、そうした主張は視覚障害者が置かれている現実を直視したものではありません。晴眼あはき師が増え続ける中で、視覚障害あはき師の経営は厳しくなる一方です。これ以上の環境悪化を食い止めるためにも、12月16日の判決では、視覚障害あはき師が置かれている現状を正しく認識した判断を期待するばかりです。12月16日の判決日までに私たちにできることはすべてやり切りたいと思います。署名、はがき、街頭宣伝、そして運動を支えるカンパ活動をやり切ろうではありませんか。 ────────────────────────────────────── ■ 19条連絡会第15回幹事会議事要旨 ■ ────────────────────────────────────── 日 時 :令和元年8月31日(土)10時30分〜12時30分 場 所 :日本盲人福祉センター研修室 1.出席者の確認 出席者(敬称略)   日 盲 連 竹下、小川、須藤、三宅、逢坂、小柴   日 マ 会 野本   理 教 連 栗原、本田   全 視 協 東郷、生田目、稲垣   全鍼師会 仲澤   東北協議会 及川   関東協議会 鈴木   近畿協議会 辰巳 オブザーバー   筑波技術大学 藤井教授 欠席者(敬称略)   日 マ 会 安田   理 教 連 杉本   全 視 協 山城 2.会長挨拶 特になし。 3.議題 (1)新たな情勢について  東京地裁は被告に対して、原告の主張に反論があれば提出するように告げていたため閲覧に行ったが反論文章は無かった。書記官が整理をできておらず出ていないのか、反論が出ていないのかはわからない。 (4)9月5日を含む、今後の取り組みについて  竹下会長より、結審した場合には判決日も告げられること、結審から判決までは2か月かかることから、判決は10月末から11月あたまが考えられるとの見通しが示された。また、関東協議会では、9月5日に結審した場合は、集会を計画しており、ビラ配り、横断幕、大胡田先生からの裁判の経過や総合的な報告を予定、結審しなかった場合は、口頭弁論後に通常通り報告会を行う予定であることが報告された。  竹下会長より、記者会見を行うことが望ましいとの発言があり、幹事会後に関東協議会で検討することとなった。 (2)各団体の取り組みについて  理教連:前回幹事会で一度団体へ持ち帰りとなっていた拠出金10万円は了承。3月に国会議員への陳情を行ったが、陳情書は大阪地裁、東京地裁に送った。仙台地裁は準備が整い次第送る。7月6日に総会があり、引き続き19条問題を重要案件として進めていくことが確認された。  全鍼師会:10万円の拠出金については了承。団体署名は、栃木、群馬、埼玉、茨城で42筆集まった。  全視協:署名、カンパともに動きは鈍いが集まっている。「点字民法」の増刊に「19条裁判がわかる」という特集を組んだ。学習会を年に数回行っている。拠出金は了承。  日マ会:拠出金10万円、了承。署名と募金は、6月の総会の案内に合わせて依頼をしているが動きは鈍い。現在、日マ会の会員は療養費に目が向いている感じがある。  日盲連:署名は少し増え、現在の署名筆数は東京地裁宛25,262筆、大阪地裁宛26,548筆、仙台地裁宛29,292筆。20万円の拠出金、了承。 (3)各協議会の取り組みについて  東京:大きな動きはないが、9月5日に向けての段取りについて調整している。引き続き署名活動も行っている。  近畿:前回の幹事会以降、大きな動きはないが、結審した場合の活動についてはこれから検討していく。次回、口頭弁論は10月11日である。  東北:大きな動きはない。結審後の動きについては東京地裁、関東協議会の動きを見て検討していく。継続的な動きは必要であり、今後、結審や判決に対応した活動をしていく。 (5)19条連絡会の予算について  前述の通り幹事会参加の全ての団体より拠出金の了承が得られた。振込先の口座については、再度、連絡を行う。  竹下会長より、9月5日に結審した場合、判決までの課題として、街頭宣伝、裁判所への働きかけ、判決日に行う集会、声明文の用意、記者会見があげられた。課題によっては、次回幹事会に議題にとりあげる。 19条は議員立法だが、国会議員への働きかけはしないのかとの意見が出たが、今は行わないことになった。 (6)啓発活動について(次回ニュースの発行など)  第15回幹事会の議事要旨は理教連、ニュース作成は日盲連、点字データ作成は全視協が担当。なお、点字版については、今後はデータ送信のみとなった。 (7)その他    ※次回幹事会  令和元年10月26日(土)10時30分から    東京都盲人福祉協会 会議室 ────────────────────────────────────── ■ あはき法19条訴訟東京地裁口頭弁論 終結 ■ ──────────────────────────────────────  平成医療学園グループの横浜医療学園専門学校が国に対して、あはき法19条によるあん摩マッサージ指圧師養成施設設置の非認定処分を取り消すことを求める訴訟に関する第14回口頭弁論が9月5日、東京地裁で行われた。  法廷傍聴には、原告側・被告側を含め180名超がつめかけた(傍聴席は98名分)。  日盲連関東ブロック、日本あん摩マッサージ指圧師会、日本理療科教員連盟、全日本視覚障害者協議会等の当事者・支援者が集まった。  口頭弁論に先立ち、東京地裁に全日本鍼灸マッサージ師会42団体分、全視協97名分の署名簿を提出した。  口頭弁論では、原告側から被告(国)が提出した準備書面に対する反論を提出する予定であるとの発言があった。原告側の文書は裁判官が受理することが確認され、今回をもって弁論を終結することとなった。  口頭弁論終了後、東京地裁2階記者会見室にて記者会見が開かれた。会見には主要な報道機関を中心として15社ほどが参加していた。  会見で大胡田誠弁護士は、裁判の経過を説明した上で、これまで経済的自由権に関する積極な目的の規制には「明白性の基準」で判断されてきたこと、そして今回の判決にもこの基準が焦点となるのではないかとの見解を述べた。大胡田弁護士に続いて、各団体の代表者からの発言もあった。また、記者会見と平行し、東京地裁前で集会が行われた。集会では、判決の日まで街頭宣伝活動の協力を求めるとともに、19条を守るために共に頑張っていくことをあらためて確認した。  なお、判決は12月16日(月)11時30分から東京地裁103号法廷にて行われる。 ────────────────────────────────────── ■ あはき19条違憲訴訟仙台地裁第14回口頭弁論 ■ ────────────────────────────────────── 平成医療学園グループの学校法人福寿会福島医療専門学校が、あん摩マッサージ指圧師養成課程の新設を国に申請し、非認定処分とされたことの処分取り消しを求めて、仙台地裁に提起した裁判の第14回口頭弁論が、9月12日に101号法廷で開かれた。  裁判傍聴には、東北の各県と東京・北関東から、日本盲人会連合、日本あん摩マッサージ指圧師会、日本理療科教員連盟、全日本視覚障害者協議会、盲学校の同窓会会員など93名が参集(傍聴席は79席)。裁判では、裁判長から終結に向かっていることを思わせる発言があり、今回も証人尋問の点には触れることなく次回日程を101号法廷で12月2日(月)15時から、とし閉廷した。  その後、仙台市戦災復興記念館に会場を移し、第13回集会が60名の参加で行われた。  福島県の武藤永治幹事の開会宣言の後、路上集会等で活用される横断幕が会場に紹介された。東北協議会及川清隆会長から9月5日に代表者5名で東京地裁を傍聴した報告と「いよいよ結審が近くなってきたが国勝訴の判決が出されるまで油断せず一層結集して行こう」との呼びかけがあった。また、7月から全日本鍼灸マッサージ師会東北会長に選任された佐々木実会長(岩手県)から「今後運動に協力して行きたい」と挨拶をいただいた。続いて赤門宏志学院の坂本浩樹課長や日マ会安田和正会長の挨拶が行われた。  大胡田誠弁護士の解説では、「結審が近い事が予想される。判決の方向は不透明なので、一層私たち視覚障害者が裁判に強い関心を持って勝訴が出されるまで運動を強めることが大切」ということであった。続いて、第17回幹事会で審議した議案が提案され、結審時から判決までの想定運動方針が承認後、秋田県視覚障害者福祉協会の武田利美会長の閉会の挨拶で散会した。 ────────────────────────────────────── ■あはき法19条訴訟 大阪地裁口頭弁論終結 ■ ────────────────────────────────────── 平成医療学園専門学校ならびに宝塚医療大学が国に対し、あはき法19条によるあん摩マッサージ指圧師養成施設設置の非認定処分を取り消すことを求める訴訟に関する第15回口頭弁論が、10月11日、大阪地裁202号法廷にて行われた。  法廷傍聴には、日本視覚障害者団体連合(旧日盲連)中国・近畿・東海の各ブロック、日本あん摩マッサージ指圧師会、日本理療科教員連盟、全日本視覚障害者協議会、全日本鍼灸マッサージ師会等の視覚障害当事者・支援者約110名が詰めかけた(傍聴席は91名分)。   口頭弁論に先立ち、近畿協議会は183筆分の署名簿を大阪地裁に提出した。口頭弁論では、原告より第9準備書面(字句の訂正書面)、被告より第7準備書面がそれぞれ提出されたことが報告され、これまで提出された書面等を審査した結果、原告より出されていた証人申請については却下することが告げられた。そのうえで、裁判長より今回をもって口頭弁論を終結する旨が伝えられ、原告・被告ともに了承した。  判決は令和2年2月25日(火)15時から大阪地裁202号法廷にて行われる。