19条連絡会ニュース 1 発行日:2018年2月15日 発行:あん摩師等法19条連絡会     〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2 日本盲人福祉センター内     電話:03-3200-0011(代表) FAX:03-3200-7755 発行責任者:竹下義樹 (幹事会の開催後に発行) ────────────────────────────────────── ────────────────────────────────────── 視覚障害者の職域を守るために連絡会を結成 (あん摩師等法19条連絡会 会長 竹下義樹(たけした・よしき)   平成医療学園グループは、晴眼者のためのあん摩マッサージ指圧師養成課程を設置すべく国に認定申請をしましたが、国はあん摩師等法19条を根拠にそれらの申請を不認定処分としました。これに対し、平成医療学園グループは、2016年7月に、東京、大阪、仙台の各地方裁判所に不認定処分の取り消しを求める裁判を提起しました。  裁判は、憲法22条の職業選択の自由をめぐる争点を中心に展開されています。平成医療学園グループは、自らの営業の自由と晴眼者のあん摩師になりたいという職業選択の自由を主張しています。これに対し、国は、営業の自由は視覚障害者の職業的自立を確保するという合理的な理由がある場合には制限できることや既に晴眼者のためのあん摩師の養成課程が全国に多数存在することなどを主張し、あん摩師等法19条は憲法違反ではないと反論しています。裁判は、今年から来年にかけて佳境に入り、来年には判決の言い渡しが想定されます。  私たちは、視覚障害者の職域を守り、あん摩マッサージ指圧師の過当競争を防止するため、視覚障害関係団体やあはき業界の方々に呼びかけ、「あん摩師等法19条連絡会」を2016年11月に結成し、あん摩師等法19条は今日においても視覚障害あん摩師の職域を守るために必要であることを裁判所に訴える活動を開始しました。連絡会の結成以来、幹事会を開催し、さらには東京、大阪、仙台の各地の運動を支えるための地域協議会を立ち上げ、毎回の口頭弁論での傍聴団を組織し、署名活動や裁判所に対する要請はがきに取り組んできました。  そうした活動を続けてきたにもかかわらず、今日までの取り組み内容を皆さまにお知らせするための連絡やニュースの発行を行うことができていませんでした。連絡会の代表者としてそのことをお詫び申し上げます。今後は定期的にニュースを発行し、あるいは広報活動に力を入れていきたいと思います。裁判所が私たちの思いを受け止め、あん摩師等法19条の正当性を認め、平成医療学園グループの訴えを棄却するまで、皆様のご支援を受け運動を続けていきたいと思います。 ────────────────────────────────────── ■ 連絡会第7回幹事会議事録 ■ ────────────────────────────────────── 1 日時:平成30年1月27日(土)10:00〜12:00 2 場所:日本盲人福祉センター研修室 3 出席者 日盲連:竹下、小川、伊藤、藤井、逢坂、三宅(事務局 木村、小柴) 全視協:東郷、生田目、稲垣 理教連:栗原、本田 日マ会:野元 19条を守る東北協議会:及川 4 会長挨拶(竹下) ・沖縄統合医療学院があん摩師課程の設置申請を取り下げた。理由は不明。 ・2月28日(水)の院内集会については、のちほど議題で取り上げる。 5 審議事項 (1)連絡会事務局の体制について ・事務担当者の会議を今後は定期的ないしは不定期に行う。そして、可能であれれば議事要旨(案)などの作成を輪番で行う。 (2)19条連絡会口座の開設 ・19条連絡会の口座を開設し、会計責任者をおく。会計責任者は全視協の生田目氏が担当する。 (3)新たな情勢について ・沖縄統合医療学院は、昨年4月末あん摩マッサージ指圧師課程を新たに設置するための申請手続きを行った。これを受け厚労省は年度内に医道審議会あはき柔整分科会を開き設置認定の可否について検討する予定であったが、今月になり同学院が突然設置申請を取り下げたためあはき柔整分科会は開催されないこととなった。したがって、懸念されていた仙台、東京、大阪に続く訴訟は回避された。 (4)裁判の動向 ・東京地裁の裁判長が「晴眼者の職業選択の自由が侵害されている」という原告の主張に対し、被告(国)に十分に反論し議論をするようにとの指示(釈明)があった。これを受けて、3地裁で晴眼者の職業選択の自由の問題が論議され始めた。そこで、われわれとしても、全国に22ヶ所の晴眼者向けの養成施設があることを強調し、反論できるようにすることが必要である。できれば、昭和39年以後の動向をめぐる資料を探し、国を支援することが必要である。過去の点字毎日や雑誌視覚障害中に関連記事がないかを探してみる。京盲の資料室については、竹下から岸先生に依頼してみる。付属盲についても、栗原氏らにおいて資料室を調べてみる。 6 各団体及び各ブロックの取り組みについて ・東北では、署名活動、裁判の傍聴に加え、2月12日(月・祝)にシンポジウムを予定している。 ・近畿では、署名活動、裁判の傍聴に加え、学習会を実施している。 ・日盲連 12月末までに各裁判所に提出した署名及びはがきは以下のとおり 東京 20,927(内点字196) 大阪 22,320(内点字190) 仙台 24,871(内点字192) 送付はがき枚数 45,417枚 パンフレット・チラシを作成し、加盟団体に送付した(墨字・点字)。 7 2月28日(水)の院内集会について ・竹下会長より経過説明:1月10日(水)の打ち合わせにおいて、竹下からあん摩師等法19条関東協議会の鈴木会長に対し、関東協議会から提示された開催要項の内容では日盲連としては実施に反対である旨を伝えた。これを受け、翌日、関東協議会の鈴木会長より竹下に院内集会は中止する旨の連絡があったが、さらにその数日後になり、19条に絞って開催することにしたという連絡があった。しかし、新しい開催要項は昨日になりようやく配布されたが、紹介議員との調整ができていない。このままでは、日盲連を通じた会場確保は難しい。そのことを踏まえて関東協議会で検討することになった。 ※ 同日の午後に開かれた関東協議会において、2月28日に予定していた院内集会は延期することが決定された。 8 啓発活動について(ニュースの発行) ・これまでもニュースを発行することが確認されていたが、実行できていない。そこで、ニュースを発行するための担当者の話し合いを、1月31日19:30〜 日盲連にて開催する。 9 活動資金について ・東北、関東、近畿の各ブロック協議会に対し、これまでの資金援助に対する収支報告が必要であることを伝える(事務局より連絡する)。 ・新たに設ける連絡会の口座に当面の経費として、全視協、理教連から各5万円、日盲連から10万円を入金する。日マ会は5万円の負担につき検討する。 ────────────────────────────────────── ■ 地方協議会の活動報告 ■ ────────────────────────────────────── あはき19条を守る東北協議会 会長 及川清隆(おいかわ・きよたか)   一昨年から始まった「あはき等法19条違憲訴訟」がこれほどあはき師関係者に一石を投じたことはありません、太平洋戦後処理下でのGHQが「はり治療は不衛生だ!」との施術禁止令を発し、業団が猛反発して、結束し撤回させたという事件以来の大きな出来事と言っていいでしょう。将来に先人の思いをどのようにして継承してゆくかが今、問われているのです。仙台地裁訴訟対応は、一致団結して事に当たる会を結成しました。これまで、運動のモチベーションを高めるための会報「マッサージ未来」を3号まで発行。署名活動や社会に理解を求めるためのポスターとチラシの掲載配布。そして、活動財源の確保等の運動を転回してまいりました。私は、この活動の狙いは、3つ、あると考えております。1つは、国勝訴支援運動、2つ目は、社会への理解促進、3つ目は、あはき資格者が団結して業権(市場死守)を死守できる業団になることだと思います。結びに、19条の死守に団結を切に願って挨拶とします。 あはき法19条関東協議会 会長 鈴木孝幸(すずき・たかゆき)   現在の関東地域(東京地方裁判所)の活動について次のように報告します。  関東協議会は、全視協、理教連、日マ会と日盲連関東ブロック協議会の4団体が協力して運動を進めています。  特に、これまで口頭弁論の傍聴については、座席数98に対して150名前後の傍聴希望者があり、毎回抽選となっています。当然原告側の傍聴希望者もいますが、それをはるかに上回る視覚障害者の傍聴希望者が参加しています。  更に、9月、12月開催の口頭弁論以降、傍聴前には、地裁民事第3部を訪問し、直接署名用紙を提出しています。 引き続き次回の口頭弁論前にも提出することを考えています。  今後は「院内集会」を行い、議員の皆さんにも理解を深めるような方向でも運動を進めています。皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。 近畿19条問題対策協議会 会長 辰巳寿啓(たつみ・としひろ)   近畿19問題対策協議会代表の辰巳です。  本協議会は、代表の辰巳(日盲連近畿ブロック協議会委員長)と、副代表の氏野(全日本視覚障害者協議会副理事)と、副代表の藤本(大阪府立北特別視覚支援学校理療科教員)の3人が中心となって大阪地裁で開かれる口頭弁論の報告集会や研修会の企画運営あるいは、各団体や点字JBニュースへの情報提供などを行っています。 また、あはき等法19条連絡会議が提起する活動について多くの支援者の協力を得ながら取り組みを続けています。  今回の裁判は、長期にわたることが予想されます。近畿協議会としては、中だるみをしないように気を引き締めて一歩一歩19条の死守に向けて活動を展開したいと考えています。皆様のご協力をよろしくお願いします。  下記に近畿19条問題対策協議会のこれまでの活動報告を記載します。 ┌────────────────┐   活動報告 ○ 2016年9月9日(10時) 第1回口頭弁論  大阪地裁 1007号法廷 約60名(35席) 第1回報告集会  弁護士会館 約50名 ○ 2016年11月9日(15時) 第2回口頭弁論  大阪地裁 202号法廷 約116名(91席) 第2回報告集会  弁護士会館 約70名 ○ 2016年11月22日(15時) 近畿19条問題対策協議会発足会議 大阪府盲人福祉センター 5名 ○ 2017年1月12日(15時) 第3回口頭弁論  大阪地裁 202号法廷 約110名(91席) 第3回報告集会  日本ライトハウス情報文化センター 約60名 ○ 2017年4月17日(15時) 第4回口頭弁論  大阪地裁 202号法廷 約115名(91席) 第4回報告集会  弁護士会館 約70名 ○ 2017年6月19日(18時) 代表・副代表打ち合わせ  大阪市視覚障害者福祉協会事務所 3名 ○ 2017年6月25日(13時) あはき19条問題研修会  エル大阪(大阪府立労働会館) 約70名 ○ 2017年7月5日(15時) 第5回口頭弁論  大阪地裁 202号法廷 約120名(91席) 第5回報告集会  弁護士会館 約70名 ○ 2017年10月2日(15時) 第6回口頭弁論  大阪地裁 202号法廷 約110名(91席) 第6回報告集会  堂島ビルヂング 約60名 ○ 2018年1月19日(15時) 第7回口頭弁論  大阪地裁 202号法廷 約100名(91席) 第7回報告集会  堂島ビルヂング 約60名 └────────────────┘ ────────────────────────────────────── ■ 幹事団体の活動報告 ■ ────────────────────────────────────── 社会福祉法人 日本盲人会連合(日盲連) 副会長 小川幹雄(おがわ・みきお)   この度の裁判につきまして、多くの業団体や視覚障害者関係団体の皆様にはご協力をいただき誠にありがとうございます。  この裁判は、視覚障害者の職業的自立と経済的基盤を支えてきたあはき業の存廃に関わることです。もし、国が敗訴でもすれば、たちまち視覚障害者の職業的自立と経済的基盤が失われることになります。日盲連は組織をあげて国の勝訴のために全力を尽くしています。  活動の内容としては、各裁判所での傍聴席を埋めること、裁判長に対するはがき陳情及び署名活動、国民の理解を深めるためのリーフレットとチラシの作成、活動を支えるための募金を行っています。これまでに陳情はがきは3万6千枚、署名は6万7千筆を裁判所に届けています。  各裁判共に傍聴席を埋め尽くし、はがき陳情及び署名活動を更に強化して行きたいと思っています。  皆様方の一層のご支援ご協力をお願いいたします。 日本理療科教員連盟(理教連) 会長 栗原勝美(くりはら・かつみ)   本連盟は「按摩し等法19条連絡会」幹事会に発足当初から参画し、平成医療学園グループが提訴している「あマ指師課程非認定処分取り消し訴訟」について被告の国を支援しています。これまで、関係団体と協調し、裁判傍聴・署名・募金・はがき要請活動などを行ってきています。この裁判は、「あん摩師等法19条第1項は、憲法25条の職業選択の自由を侵害している。」という違憲訴訟なので、最高裁まで争われれば5年・10年と長期化が予想されます。最後まで、一致団結して取り組まなければなりません。  あん摩師等法19条は、視覚障害があるあマ指師の最後の砦です。この条項がある現在でも私たち視覚障害マッサージ師の就労・生活は極めて厳しいものがあります。あん摩師等法19条は視覚障害者の最低限度の生活を保証するために欠かせないものです。視覚障害者の就労・生活を守るために、国がこの裁判に勝訴するまで結束して取り組みましょう。 公益社団法人 日本あん摩マッサージ指圧師会(日マ会) 会長 安田和正(やすだ・かずまさ)   「伝統と歴史を見つめよう!」  私が、あはき業を開業して約半世紀の歴史を通ってきた。 その頃の日本の経済成長は、将にウナギ上りの時代。金利も現在と比較すると信じられないくらいの高金利で順風満帆!前途洋洋の時代でもあった。その頃、よく大先輩の皆さんが異口同音に言われていた言葉が「自分たちが、今こういう暮らしができるのは先達のお蔭、ほんとうに感謝の一言だ」と。  今回の、あはき十九条訴訟問題が発生し、今現在このお仕事で生計をたてている関係者のみなさんは、どのようにこの問題を考えておられますか。よく「初心忘れるべからず」と言われますが、本当に真剣に取り組まないと、永い伝統と歴史に汚点を残すことにもなりかねません。  日本で唯一のあマ指師の専門団体の長として、これは視覚障害者のみの問題ではありません。規制緩和の流れで社会情勢・理念が急速に変化してきている今日、国民の保健衛生を守る砦の一つでもある、この名誉ある資格を死守しなければなりません。その為には、資質の向上も忘れてはなりません。視覚障害の、また資格保有の上にあぐらをかいていませんか。裁判の長期化が予想されますが、後進のみなさんに引き継ぐ責任と、この名誉ある伝統と歴史の流れを止めてはなりません。その為の行動を広く国民をも巻き込んで共に運動して行こうではありませんか。 一般社団法人 全日本視覚障害者協議会(全視協) 19条裁判担当理事 東郷進(とうごう・すすむ)   「全国は一つ」「視覚障害者は一つ」のかけ声で次の活動を行いました。 1.本会機関誌「点字民報」2017年1月増刊「19条裁判」を発行し普及しました。 2.マスコミと裁判官宛葉書を2000セット普及し、「毎日」「朝日」掲載に繋げました。 3.裁判傍聴を組織しました。特に、東京地裁は傍聴希望者の半数を目指しています。 4.支援募金に取り組み、100万円に到達しました。 5.裁判官署名簿を裁判毎に届けています。署名筆数は目標3万筆に対して19003筆を達成しました(達成率63%)。 6.宣伝用ビラ(A4片面)を作成し活用しています。 7.全国17カ所の学習会に講師を派遣しました。 8.裁判記録を閲覧するなど情報収集に努めました。  全視協は、山椒で小粒ですが、これからも頑張ります。 ────────────────────────────────────── ■ 記録(予定) ■ ────────────────────────────────────── ■ 口頭弁論の記録(予定) 仙台地裁は 101法廷 79席 抽選 東京地裁は 103法廷 98席 抽選 大阪地裁は 202法廷 93席 先着順   2016年 9月9日(金) 大阪地裁(第1回) 9月28日(水) 東京地裁(第1回) 9月29日(木) 仙台地裁(第1回) 11月9日(水) 大阪地裁(第2回) 12月12日(月) 仙台地裁(第2回) 12月14日(水) 東京地裁(第2回)   2017年 1月12日(木) 大阪地裁(第3回) 2月13日(月) 仙台地裁(第3回) 2月15日(水) 東京地裁(第3回) 4月17日(月) 大阪地裁(第4回) 4月19日(水) 東京地裁(第4回) 5月22日(月) 仙台地裁(第4回) 6月14日(水) 東京地裁(第5回) 7月5日(水) 大阪地裁(第5回) 8月21日(月) 仙台地裁(第5回) 9月13日(水) 東京地裁(第6回) 10月2日(月) 大阪地裁(第6回) 12月4日(月) 仙台地裁(第6回) 12月6日(水) 東京地裁(第7回)   2018年 1月19日(金) 大阪地裁(第7回) 2月28日(水) 東京地裁(第8回) 11時30分開廷 3月23日(金) 大阪地裁(第8回) 15時30分開廷 4月19日(木) 仙台地裁(第7回) 15時開廷 5月16日(水) 東京地裁(第9回) 11時30分開廷 6月6日(水) 大阪地裁(第9回) 15時30分開廷  7月25日(水) 東京地裁(第10回)11時30分開廷 ■ 幹事会等の記録(予定)   2016年 10月14日(金) あん摩師等法19条連絡会結成 11月3日(木) 幹事会(第1回) 12月17日(土) 幹事会(第2回)   2017年 2月11日(土) 幹事会(第3回) 5月13日(土) 幹事会(第4回) 7月29日(土) 幹事会(第5回) 11月4日(土) 幹事会(第6回)   2018年 1月27日(土) 幹事会(第7回) 4月28日(土) 幹事会(第8回) 10時から12時 日本盲人福祉センター