85ページ 第5章 シンポジウム 87ページ 1.開催概要                  本連合は昭和23年8月に大阪府下二色の浜で結成し、平成30年は結成70周年を迎える年となった。そして、この結成70周年を契機に、本連合のこれまでの歴史を振り返りながら、今後の視覚障害者運動の将来を考える催しとして、結成の地である大阪において記念式典及び記念シンポジウムを開催する運びとなった。  当日は、全国より約200名の参加者が集い、盛大な催しとなった。記念シンポジウムに先立ち開催を行った記念式典では、関係者による挨拶、感謝状の贈呈、広瀬浩二郎准教授(国立民族学博物館グローバル現象研究部)による記念講演を行った。そして、記念シンポジウムは2部構成での開催になり、前半は本連合が目指す将来ビジョンについてのシンポジウム、後半は本報告書を題材とした弱視者に関するシンポジウムを開催した。両シンポジウムとも、これまで本連合では集中して取り扱うことがなかった題材であることから、参加者からの注目は高く、熱気に満ちたシンポジウムとなった。 【開催詳細】 開催名 日盲連結成70周年記念式典・記念シンポジウム 日時 平成30年8月18日(土)12時30分〜17時00分 会場 大阪府大阪市 メルパルク大阪 主催 社会福祉法人日本盲人会連合 ●シンポジウム2(15時30分〜17時00分)  「弱視者(ロービジョン)の抱える困難と社会の変革を目指して」  司会:江見 英一(関東ブロック協議会青年部 会長)  基調報告:伊敷 政英(弱視に関する懇談会 委員)  コーディネーター:中野 泰志(慶應義塾大学経済学部 教授)  パネリスト:石原 純子(弱視に関する懇談会 委員)         神田 信 (弱視に関する懇談会 委員)         橋あい子(大阪府視覚障害者福祉協会 会長)         野村 茂樹(奥野総合法律事務所 弁護士) 88ページ 【参考写真 会場の様子】 【参考写真 会場の様子】 【参考写真 主催者挨拶:会長 竹下義樹】 【参考写真 感謝状の贈呈】アートコーポレーション株式会社様、株式会社ダノックス様に贈呈。  【参考写真 記念講演:広瀬浩二郎】「障害者イメージの改変」として、持論を交えた熱い講演が行われた。 【参考写真 会場の様子】 90ページ 2.シンポジウムについて            弱視者を題材としたシンポジウムでは、「弱視者(ロービジョン)の抱える困難と社会の変革を目指して」として、本報告書の基調報告と弱視当事者によるパネルディスカッションを行った。  基調報告では、弱視に関する懇談会委員である伊敷政英より、本報告書の意義や紹介内容について報告を行った。報告の中では、弱視者の困り事がもっと世間一般に理解され、弱視者が暮らしやすい社会になることが大切であると指摘した。  パネルディスカッションでは、本報告書で示された「弱視者の困り事」をテーマに、コーディネーターを努めた中野泰志教授(慶應義塾大学経済学部)の進行のもと、各パネリストからの報告や提案が行われた。各パネリストからは、自身が体験した失敗談や成功例などが紹介され、弱視者の暮らしを豊かにするための要望なども提案された。  参加者からは「弱視者の困り事をこれまで理解していなかったので、今回のシンポジウムが大変勉強になった」との意見が多く、本報告書で示した弱視者の困り事をまとめ、分かりやすく紹介することの重要性をシンポジウムを通して実証することができた。 【参考写真 基調報告:伊敷政英】    【参考写真 コーディネーター:中野泰志】 【参考写真 パネリスト:石原純子】子育てでの困り事や化粧の悩みなどを紹介する。       【参考写真 パネリスト:神田信】障害の受容をすることの難しさについて紹介する。 【参考写真 パネリスト:橋あい子】学生時代の体験や弱視者であることを隠した体験を紹介する。   【参考写真 パネリスト:野村茂樹】試験での合理的配慮を求めた経緯について紹介をする。