愛盲時報 令和元年7月25日(木)第263号 目次  1.第72回全国盲人福祉大会 ~北の大地で団結~  2.副会長就任のご挨拶  3.関係府省庁に陳情  4.日本映像ソフト協会に感謝状贈呈  5.日盲連が第1回公務員交流会を開催  6.令和元年度 東京都専門点訳奉仕員養成講習会受講者募集  7.日盲連紹介動画をホームページで公開  8.ご寄付のお願いについて  9.奥付  *見出しの頭には「--(半角で2つ)」の記号が挿入されているので、検索機能を使って頭出しをする際にご利用下さい。  また検索の際、目次でご紹介した数字を続けて半角で入力すると、その項目に直接移動することができます。  (例)1をご希望のときは、「--1(すべて半角)」と入力。 (以下、本文) --1.第72回全国盲人福祉大会 ~北の大地で団結~ 大会式典に1000人が集い、盛大に開かれる  5月26日から28日の3日間にわたり、北海道札幌市において第72回全国盲人福祉大会が開催されました。最終日の会場となった札幌市中央区の札幌市民交流プラザ 札幌文化芸術劇場 ヒタルには、全国から視覚障害者ならびに関係者約1000人が参集し、大会式典と議事が執り行われました。  第1部の大会式典では、札幌市視覚障害者福祉協会 古谷(ふるや)久幸(ひさゆき)副会長の開会宣言、国家・日盲連の歌斉唱の後、大会実行委員長の札幌市視覚障害者福祉協会 近藤(こんどう)久江(ひさえ)会長から歓迎の挨拶が述べられました。  続く主催者挨拶では、日本盲人会連合 竹下(たけした)義樹(よしき)会長から「日盲連は昨年結成70周年を迎え、令和元年となる2019年に北の大地・札幌において、次の80周年に向けた大会を開催することができました。大会を準備するに当たり、近藤会長を中心とした札幌市の視障協のみなさん、そして物心両面にわたってこれを支えていただいた北海道および札幌市の関係者のみなさんに、この場を借りて御礼申し上げます。また、今日の大会にお忙しい中をたくさんの方々が大会に花を添えるべくご出席いただきました。本当にありがとうございます」と述べ、さらに、災害対策と情報保障の問題を挙げ、「これら重要問題に対し、平成の30年を分析・整理し、今後の10年に向けて、視覚障害を持つすべての人の福祉を担う団体としてみなさんと一緒に取り組むべく、この札幌大会を新たな出発点としたい」と述べました。  両会長の挨拶の後、日盲連顕彰等被表彰者に表彰状・感謝状が贈られました。また、厚生労働大臣、文部科学大臣、鈴木(すずき)直道(なおみち) 北海道知事、秋元(あきもと)克広(かつひろ) 札幌市長からの祝辞、祝電披露が行われました。  第2部の大会議事では、平成30年度決議処理報告、令和元年度運動方針を執行部の原案通り全会一致で可決し、宣言・決議も全会一致で採択されました。最後に、札幌市視覚障害者福祉協会 舟崎(ふなざき)隆(たかし)副会長から閉会が宣言され、万歳(ばんざい)三唱(さんしょう)で3日間にわたる大会の幕を閉じました。  次年度の第73回全国盲人福祉大会は、令和2年の6月14日(日)から3日間、宮城県仙台市の仙台サンプラザを会場に開催されます。 日盲連 顕彰等被表彰者氏名(敬称略・順不同でご紹介します) 【礎賞】組織功労 近藤(こんどう) 久江(ひさえ)(札幌市) 髙橋(たかはし) 吉四郎(きちしろう)(川崎市) 楠本(くすもと) 光男(みつお)(愛媛県) 【ブライトスター賞】 教育・スポーツ功労 辻(つじ) 和宏(かずひろ)(札幌市) 大橋(おおはし) 博(ひろし)(滋賀県) 【光の泉賞】内助等功労 殿山(どのやま) 希(のぞみ)(札幌市) 米川(よねかわ) 貴美子(きみこ)(秋田県) 高橋(たかはし) 幸子(ゆきこ)(新潟県) 伊藤(いとう) てるみ(静岡県) 大谷(おおたに) 光子(みつこ)(滋賀県) 石川(いしかわ) 千栄子(ちえこ)(山口県) 村上(むらかみ) ちえみ(熊本県) 小波津(こはつ) 真理子(まりこ)(沖縄県) 【光の泉賞】福祉貢献  斉藤(さいとう) 信子(のぶこ)(川崎市) 松田(まつだ) 恵美(えみ)(徳島県) 【永年勤続表彰】 有泉(ありいずみ) 一如(かずゆき)(日盲連・東京都) 【感謝状】 公益社団法人 札幌市視覚障害者福祉協会 新体制迎える  大会初日の26日に執り行われた令和元年度日盲連定時評議員会では、役員の選任が行われ理事・監事の選任の議案が審議され、執行部の原案通り承認されました。新たに19名の理事、3名の監事が選任され、その後開催された理事会では、会長に竹下(たけした)義樹(よしき)氏、副会長に近藤(こんどう)久江(ひさえ)氏、及川(おいかわ)清隆(きよたか)氏、野口(のぐち)豊(ゆたか)氏の3名が、常務理事に橋井(はしい)正喜(まさき)氏、後藤(ごとう)英信(ひでのぶ)氏の2名がそれぞれ選任されました。 --2.副会長就任のご挨拶  今期も続投することになった及川(おいかわ)清隆(きよたか)副会長、そして新たに副会長に就任した近藤(こんどう)久江(ひさえ)副会長、野口(のぐち)豊(ゆたか)副会長からご挨拶いただきます。 及川 清隆 副会長  去る第2回理事会において副会長の職を拝命いたしました及川清隆です。5月1日から令和の時代に入りました。そうした時代背景の中にあって、本連合も改名をして新たな一歩を踏み出そうとしています。今後の日盲連や、全国の視覚障害者にとって、将来を見据えたとき、いま何をなすべきかという重要局面にあると捉えております。そのようなことから、取り組むべき課題の私見を下記に記させていただきました。1点目は、あはき違憲訴訟に勝利する事。2点目は、教育・福祉の支援の谷間である重複視覚障害者(児)支援環境の構築。3点目は、全国の下部組織強化策。4点目は、災害対応の取り組みではないかと考えております。それぞれの課題は、一足飛びには解決できない困難な課題です。しかし、これまで竹下会長と共に歩んできた中での共通認識の一部です。他にまだまだ課題は山積しております。今、本連合に横たわっている課題が少しでも前進できるよう、竹下会長の補助役として、新しく就任された両副会長や理事の皆様と共に力を合わせて行きたいと考えております。結びに、任期の間皆様方にはこれまで同様一層のご指導とご助言を賜りますようお願い申し上げ、就任に当たっての挨拶とさせていただきます。 近藤 久江 副会長  第72回全国盲人福祉大会札幌大会に全国から多数の皆様のご参加を頂き、まずはお礼申しあげます。大会中は高温に見まわれて涼しい春の札幌を過ごしていただけずに申し訳なく感じているところでございます。  この度5月26日に開催されました札幌大会における理事会で、副会長に選定され驚きと同時に戸惑いを禁じ得ません。しかし、私達視覚障害者を取りまく様々な問題が山積している状況においては立ち止まることは出来ません。中央情勢を日盲連がどのようにコントロールして行けるのか。また、加盟団体の現状と向き合い寄り添いながら何ができるのか。更にあん摩師等法19条を巡る裁判への取り組み、国の障害者雇用の水増問題対応の推移等を注意深く見守る必要があります。  竹下会長と歩調を合わせながら全ての役職員が同じ方向を向いて力を結集し72年前の先人の皆様に恥じる事なく邁進出来ればと願うばかりです。伺うところによりますと、発足以来72年間女性の正副会長はいなかったとのこと。「やはり女性は使えなかった」と全国の皆様に危惧されることのないように微力ではありますがこの重責を担わせて頂きたく思います。  最後に、加盟団体会員の皆様のお力添え、ご支援ご協力をお願いし就任のご挨拶といたします。 野口 豊 副会長  去る5月26日の理事会において副会長を拝命いたしました、野口豊です。私にとっては分不相応の役職であり、西の果ての長崎からどれだけのお手伝いができるか、大きなプレッシャーを感じております。  私自身は先天性の疾病で徐々に視力を失い、42歳で光だけの世界になりました。 IT技術が進歩した今日では、視覚障害者に向けた音声情報が多様化し音声データの利用も進んでいますが、私が30代前半の頃にはとにかく点字を触読できるよう、必死に覚えた記憶があります。  これまで「長崎県視覚障害者情報センター」に29年間勤務して、主に中途視覚障害者の相談や点字指導に従事してきました。また、縁あって昨年度から「難病相談・支援センター」とも関わりを持ち、様々な疾病の方と交流させていただくようになりました。いろいろな相談を受ける中で思い返されるのが、昭和52年に私自身が「失明」の宣告を受けた時のことです。実際に失明する時の精神的ショックがいかに苦しくつらいものであるか自らが体験しながらも、相談者の気持ちを理解して、抱えている課題解決のために医療・労働・福祉・訓練制度等に関し多方面から適切なアドバイスを与えることの難しさを痛感しております。少しでも相談者のニーズに応えられるよう自己研鑽に努める毎日です。  これからの2年間竹下会長の下、新しい名称となる組織で、障害者福祉の更なる向上に微力ながら尽力させていただく所存です。今後とも一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。 --3.関係府省庁に陳情  日本盲人会連合は、第72回全国盲人福祉大会で採択された要望事項をまとめ、6月26日に関係府省庁等に一斉陳情を行いました。 全文は、日本盲人会連合ホームページ(URL http://nichimou.org/)に掲載しています。 ■主な陳情先 厚生労働省、人事院、経済産業省、文部科学省、財務省、総務省、国土交通省、内閣府、警察庁、鉄道・放送等の各民間事業者 --4.日本映像ソフト協会に感謝状贈呈  5月7日、日本盲人会連合をはじめ、社会福祉法人 全国盲ろう者協会、NPO法人 バリアフリー映画研究会、NPO法人 メディア・アクセス・サポートセンターの4団体は、東京都・中央区の一般社団法人 日本映像ソフト協会(以下、JVA)を訪れ、島谷(しまたに)能成(よししげ)会長に感謝状を贈りました。  同協会は、ビデオソフト業界におけるバリアフリー視聴環境の整備にあたって、バリアフリー対応に関する表記の統一およびビデオソフト市場におけるバリアフリー対応の整理等に多大なる貢献をしました。この事業に対し、今回、深く感謝の意を表するとともに今後も継続してバリアフリー化に取り組まれることを切に願い、感謝状を贈る運びとなりました。  プレゼンターを務めた国際ユニヴァーサルデザイン協議会の松森(まつもり)果林(かりん)理事から感謝状が贈られると、島谷会長は「JVAという組織は、映像のコンテンツをDVDやブルーレイなどのパッケージにして皆さんにお届けしようという製作会社32社が集まっている総合的な団体。日本映画、アメリカ映画、レコード会社、テレビ局の関連会社、アニメ会社と様々な会社が集まっており、パッケージをひとりでも多くの人に届けたいと全員が思っているので、非常にまとまっている。本日、応援の感謝状を頂いたため、この道をもっと広く良くしていくよう我々も努力していきたい」と語りました。日盲連からは、後藤(ごとう)英信(ひでのぶ)常務理事が出席し、「障害のある方がこのようなDVDを楽しめる環境になってきたということで大変嬉しく思っている。これからも引き続き我々も応援をしたい」と感謝の意を述べました。 --5.日盲連が第1回公務員交流会を開催  日本盲人会連合は5月18日、日本盲人福祉センターにおいて、第1回公務員交流会(国家公務員障害者選考試験等合格者並びに支援者交流会)を開催しました。日盲連総合相談室では、昨年8月、中央省庁における障害者雇用水増し問題に端を発して実施された初の人事院国家公務員選考採用試験について、訓練施設・支援機関等と連携し、面接のアドバイス等、支援に取り組んできました。交流会には、今回の試験合格者と支援者、現役の視覚障害公務員などの関係者が、8省庁・3自治体等から25人参加しました。  冒頭、竹下(たけした)義樹(よしき)会長から、合格者に対して祝意を伝えるとともに、「今回の人事院の採用試験では、視覚障害者は点字2人を含む43人が合格した。全体(754人)の1割にも満たないとは言え、一度にこれだけ合格することは今までなかったことで、今後、全盲であろうと弱視であろうと、国家公務員として視覚障害者の働く姿がどこでも見られるようにしなければならない」と述べました。  続いて、総合相談室 工藤(くどう)正一(しょういち)室長の司会進行と相沢(あいざわ)保(たもつ)相談員の助言の下、視覚障害当事者一人ひとりから、現在の状況、合理的配慮の状況、仕事の内容など報告があり、各支援者からは、受験上の配慮の問題や、今後の支援の在り方などについて感想や意見が出されました。この中で、通勤や読み上げパソコンなどの配慮はされても、セキュリティーの課題もあり、システムやソフトの環境整備、自分の業務をどのように構築していくかなどの問題が浮き彫りとなりました。  国と地方、常勤と非常勤が隔たりなく交流し意見交換することで、同じ公務部門でも、対応の違いや共通点などに特徴があることが分かりました。多くの参加者から、参加して良かった、今後も定期的に開催して欲しい、懇親会も計画して欲しいなどの要望があり、好評のうちに幕を閉じました。 ■雇用に関するご相談は、日盲連 総合相談室までご連絡ください。(電話:03-3200-0011) --6.令和元年度 東京都専門点訳奉仕員養成講習会受講者募集  日盲連では、東京都の委託による「専門点訳奉仕員養成講習会」を実施しております。下記の要領で実施いたしますので、お知り合いのボランティアなど関係する方々にご案内いただけますと幸いです。 ■対象 点訳の知識と経験があり、受講後、都内で活動できる方。 ■期間 令和元年10月1日~令和2年2月19日 【英語コース】火曜日の10時~12時 【理数コース】木曜日の14時~16時 【楽譜コース】水曜日の13時30分~15時30分 ■定員・回数 各コースとも定員10名、全10回 ■申込書請求 8月1日~8月30日(必着)に希望コース名を明記した用紙と、住所・氏名を記入し92円切手を貼った返信用封筒(長形3号)を同封の上、下記まで郵送ください。申込時に課題提出と来館による試験があります。 詳細は、日本盲人会連合ホームページ (URL http://nichimou.org/)をご覧ください。 ■申込み・問い合わせ先 〒169-8664 東京都新宿区西早稲田2-18-2 日本盲人会連合点字図書館講習会 担当 (電話03-3200-6160) --7.日盲連紹介動画をホームページで公開  日本盲人会連合は、ホームページに「日盲連の70年の歩みと活動」を紹介した動画を公開しました。紹介動画は、雇用先の方をはじめ多くの人に視覚障害を理解してもらうため、日本テレビ小鳩文化事業団の協力の下、日本盲人職能開発センターにより製作されたもの。 紹介動画は、日盲連ホームページ(http://nichimou.org/movie/)より見ることができます。 --8.ご寄付のお願いについて  日本盲人会連合は視覚障害者自身の手で、<自立と社会参加>を実現しようと組織された視覚障害者の全国組織です。  1948年(昭和23年)に全国の視覚障害者団体(現在は、都道府県・政令指定都市61団体が加盟)で結成され、国や地方自治体の視覚障害者政策の立案・決定に際し、当事者のニーズを反映させるため、陳情や要求運動を行っています。 活動内容は多岐にわたりますが、そのために必要な経費の確保は、厳しい財政の中困難を極めています。 視覚障害者福祉の向上を目指し、組織的な活動を維持していくため、皆様からの特段のご厚志を賜りますよう、何とぞ宜しくお願い申し上げます。 ■ゆうちょ銀行 記号番号 00160-5-536104 加入者名 社会福祉法人日本盲人会連合 ■みずほ銀行 店名 高田馬場支店 預金種目 普通  口座番号 2868101 カナ氏名(受取人名)フク)ニホンモウジンカイレンゴウ ※領収証が必要な方、本連合が振り込み手数料を負担する専用の振込用紙をご希望の方は、日本盲人会連合までご連絡ください。(電話:03-3200-0011) --9.奥付 愛盲時報 令和元年7月25日(木)第263号 ※この愛盲時報は鉄道弘済会の不動産賃貸事業などの益金等、日本盲人福祉委員会の愛盲シール維持会費の中から贈られた寄付金などで作られたものです。 発行所:社会福祉法人 日本盲人会連合  〒169-8664東京都新宿区西早稲田2-18-2 発行人:竹下 義樹 / 編集人:三宅 隆 電話:03-3200-0011/FAX:03-3200-7755 URL:http://nichimou.org/ Eメール:jouhou@jfb.jp(情報部) 以上で、愛盲時報 令和元年7月25日(木)第263号を終わります。