皆さんこんにちは。令和という時代が始まりました。日本盲人会連合の令和元年としての第72回札幌大会は、皆さんの期待に沿う大会になるものと思っております。この私の声が届く時には、札幌大会は終わっていることでしょうけれども、令和という新しい時代にふさわしい札幌大会になることを念じております。  令和元年ということにどれほどの意味があるか分かりませんが、一つの元号が変わった以上は日盲連としても新しい時代にふさわしい活動というものをぜひ見いだしていきたいと思っております。  その手がかりとして、教育問題をスタートさせました。これまで日盲連の運動の中で、統合教育、あるいは盲学校教育の充実というものを掲げたことはありましたが、あまり具体的な動きは出来ていませんでした。  そこで、教育問題についての研究会を立ち上げ、この一年間ないし、三年間をかけての継続的な調査研究を行い、関係者の方々にお集まりいただいて議論を深めていきたいと思っております。  その中で、人数がどんどん減り続けている盲学校の今後のあり方や統合教育における支援の更なる前進を考えることが必要だと思っております。私自身は盲学校の存続をぜひ願っておりますがそれと合わせて統合教育というものも推進しなければならないと考えております。この二つは決して矛盾するものではありません。  今後どこに問題点があるのかも、関係者で知恵を出しながら大いに役立つ提言ができるところまで持って行きたいと思っております。  もう一つ、国の動きとも関連するものですが、雇用問題についても更に力を入れたいと思っております。日盲連としてはこれまでにも障害者の雇用というものに大きな力点を置いた運動をしてきたつもりではあります。  国家公務員を中心とした水増し問題に対処するということもありました。視覚障害者を受け入れ、視覚障害者が更に働きやすい職場環境にしていくことを国に求めて行くにはどうすればいいか。  現に働いている人達にもお集まりいただいて問題点を共有しながら、そこから更に働きやすい職場作りに向けた動きを始めたいと思っております。そういう意味では令和元年というこの年に新しい日盲連の芽が出ることも期待しているわけであります。  さて、私自身の少し遊びの部分で、また喋らせていただきます。私は読書が大好きで、多分一年間に50冊から60冊の本を読んでおります。これは移動が多いということから、いつも電車の中や飛行機の中で本を読んでいるからであります。  その中で原りょう【ハラリョウ】という推理作家の本が好きで、先ほども読んでいました。彼は14年ぶりに5冊目の長編推理小説を出したのですが、それは去年のことなんです。ようやく私の手元に届いたのは、今年になってからだったんですね。そういうことで私の好きな原りょうの小説を久しぶりに読み終えた訳です。  この読書ということについて皆さんはどういう不満をお持ちでしょうか。どんどん、どんどん、点訳にせよ、電子データにせよ、状況は改善しているかとは思うのですけれども、まだまだ不満があると思うのです。  私は、この原りょうの小説が出て一年以上経ってから私の手元に届いたという不満があります。宮本輝【ミヤモトテル】の長編小説の一つに『流転の海』という作品があり、第9巻がもう既に出て一年以上が経つのですけれども、まだサピエには登録されておりません。  こういう環境をなくすことが、私達に求められているんだろうと思っております。この問題もぜひ、この一年間追い求めたいと思います。