皆さんこんにちは。私の声が皆さんに届くのは桜が散っている頃かもしれません。しかし、新しい年度が始まる、ウキウキした時期でもあるかもしれません。  3月から4月にかけては出会いもあれば、別れもあり、新しい出発に対する皆さんの気持ちの高まりもあるだろうと思います。私自身も正月は正月で、1年の計はここにありとばかりに意気込み、4月は4月で、新しい年度が始まるということで、心を引き締めてもいるわけです。  何と言いましても、5月には第72回となる全国盲人福祉大会が札幌で予定されております。この大会を成功させることは、さらなる10年の峰を築くための出発点になるだろうと思います。  この札幌大会で、次のステップとして、10年後の我々にとって住みよい街を作るために、これまでに積み上げてきたものの中で、何が足りないのか、あるいは見直すべきものはないんだろうか。この10年20年で要求したけれど、実現しなかったものを分析し、原因はどこにあったのか、どうすれば実現するのか。こういうことも考える機会になるんだろうと思っております。  札幌大会の成功のためには、皆さんからたくさんの声を寄せていただくことが必要です。北の地、札幌に、多くの皆さんが集まってくださることをお願いしたいと思います。  さて、今日は安全対策について、もう一度触れさせていただきたいと思います。  私たちは外出する時に常に危険と隣り合わせの状態にあります。  道路を歩けば交通事故、あるいは側溝への転落、さらには自転車とぶつかる、などということも、しばしば経験するわけです。  他方、鉄道を利用している場面においては、ホームから線路への転落という痛ましい犠牲が繰り返されてきているわけです。毎年、多い時で70人から80人という我々の仲間が線路に転落しているんだそうです。死亡する方も年に数人おられます。こういう犠牲をなくすことが日盲連にとって、最大の目標であるということは分かってはいるんですが、なくすことができないという、もどかしさを感じております。  国自身もそのことは分かってくれておりまして、ホームドアの普及のために、さらなる一歩を踏み出すためにワーキングチームを作ることを決めてくれました。  ホームドアは、最近はコストの問題も考えながら、よりコストのかからない、あるいは、重量の軽いものを開発する鉄道事業者も増えているようですけれども、そのことが私たちにとってプラスになるようにすることが大事です。  今現在、8種類の転落防止柵が検討されているようですけれども、私たちは8種類もいらないと思うんです。この中で本当にコストがかからなくて、より安全性を高めるのにふさわしいものを早く決めていただきたい。  そのために、ワーキングチームにも日盲連からメンバーを派遣して、私たちの声が十分反映される転落防止柵の開発に結びつけたいと思っております。  もう一つ、最後に今年力を入れたいと思っていることに触れておきます。それは教育問題です。盲学校の将来が危ういと思っております。統合教育を受けている我々の仲間も十分な教育を受けられておりません。この問題を、日盲連のこの1年間の課題として取り組むことをお約束して、私の今日の挨拶に代えさせていただきます。