皆さんこんにちは。いよいよ春爛漫という季節を迎えました。桜の蕾もどんどん膨らんでいるようです。日盲連の予算理事会が開かれる頃には、東京で満開になっているように思います。関西では、3月12日に東大寺の二月堂でお水取りという行事があり、これを過ぎると春が来るというふうになっております。これから、ますます私たちの活動も忙しくなりますが季節の変わり目も楽しみたいと思います。  さて、私が頻繁に乗り降りしているJR高田馬場駅に降り立ったときに、昔のことを思い出しましたので、そのことを少し喋りたいと思います。高田馬場駅に初めて来たのは、今から50年近く前だと思います。古い日盲連の会館に何度となく足を運び、点字の司法試験受験などを村谷昌弘会長にお願いに来たことを思い出しました。  高田馬場駅といえば、どうしてもすぐ、上野さんという中途視覚障害の方がホームから転落して亡くなった事故を思い出します。「上野訴訟」という裁判が点字ブロックをホームに敷設する大きな流れを作ったことは間違いないだろうと思います。その高田馬場駅にも、現在は転落防止のためのホーム柵ができ、安全な駅になりました。そういう社会の進歩を、高田馬場駅だけを見ていても感じる訳でして、私たちの運動もそうした変化を実感できるものとしてこれからも闘いの中で、運動の中で、考えていければと思っております。  さて、日盲連は4月を迎え、また始めなければならない新たな動きについて、二つ申し上げたいと思います。  一つは当然のことながら、結成70周年の記念事業がこの1年間展開されるということであります。6月11日から13日には東京都盲人福祉協会のご協力をいただき、東京文化会館で結成70周年の記念大会が行われます。この大会には秋篠宮殿下・妃殿下もお出まし願いますので、ぜひたくさんの方々のご参加をお願いしたいと思います。この記念大会に止まることなく、70周年をお祝い事としてではなく、単なる記念行事としてでもなく、あくまでも、次の10年を見据えた日盲連の活動を企画する、あるいは、今後10年、20年に我々日盲連がやらなければならない方向が見えるような活動を、記念事業としてやりたいと思っております。  もう1点、この10月から、あはき師の保険取り扱いが拡大することになります。療養費の償還払い制度における受領委任制度というものが、スタートするはずです。そうなっていきますと、視覚障害あはき師にとって、事務処理がおおいに増える訳ですから、これをこなすために、全盲や弱視の方々の困難さはどんどん増すばかりで、そうした自営業者への支援というものが、大きな課題になってくるだろうと思います。そのような課題を克服するためにも私たちが今、すべきことについて、国と真剣に考え、自営業者への事務処理上の支援を是非とも実現したいと思っております。  もう一つ、付け足させてください。それは、外出時における安全というものについて、音の信号であったり、点字ブロックであったり、それ以外の音声によるガイドであったり、それらを全てトータル的に考える検討会も立ち上げたいと思っております。