皆さんこんにちは。今年は明治維新150年の年だそうです。当然、私たちは明治維新から始まる近代社会の建設の息吹きというものを、この1年、大いに実感しながら、さらに新しい国づくりに向かうことになるのだろうと思っております。150年というのは、区切りの良い年で、私たちはこういう何十周年とかいう、区切りというものを非常に大事にしているように思います。  当然、日盲連は今年、結成70周年ですし、全国の組織には日盲連と同じ年に結成した地方組織が多いわけですから、当然70周年を迎える団体が多いと思います。また、教育の面をみましても、京都の府立盲学校が設立されてちょうど140年目だと思うんです。そういうところでも、今年は何十周年とか、あるいは、区切りになる、様々な記念行事が行われるのではないかと思います。そうした記念行事は、単に行事として終わらせるのではなくて、これまでの歴史を振り返りながら、新たな国づくりや新たな組織づくりに向かって、私たちがどういう希望を膨らませ、実現させていくのか、ということになるんだろうと思っております。  そういう意味からも、少し日本国憲法というものに触れてみたいと思います。ご存知の通り、いま、国の政治の分野においても憲法の改正というものが大きな論議になろうとしています。私たちは憲法9条という、平和主義の柱となっている規定や憲法25条という生存権規定に常に意識が向いているはずです。平和な国でこそ福祉が成り立つということは、今更私が申し上げる必要がないことかも知れません。しかし、今こそ平和について考えないと、私たちの国づくり、そして将来への希望というものが崩れかねない、あるいは、失いかねないということも、改めて我々障害者のなかでも議論するべきなのだろうと思っております。憲法25条もしかりです。  今年は社会保障分野において、非常に厳しいものがたくさん出てくるように思います。生活保護基準が引き下げられるとか、あるいは、我々が日々利用している障害者福祉サービスの報酬がどういう数字として示されるのか、それらもすべては、憲法25条が柱となっている中で成り立っている制度ですから、憲法25条をもう一度私たちは考えてみる必要があるのではないでしょうか。是非とも、この1年間は日本国憲法をもう一度意識し、そして、私たち自身の福祉そのものも、この日本国憲法のもとに成り立っているのだということを意識する1年にしたいと思っております。  さて、少し話を変えます。昨年まで何度か取り上げてきましたが、ずっと転落事故、ホームからの線路への転落事故が続いているわけです。この不幸をどうすれば無くせるか、減らすことができるか、これを常に考えてきたつもりですが、正直なところ、その成果は現れていないと言わざるを得ません。このホームからの転落事故を無くす、あるいは、減らすために、もう一度、今できることを国も鉄道事業者も、そして、我々視覚障害者自身も考える年にしたいとも思っております。  そういう意味で、1年が終わる時には、「こんな1年が過ぎた」「こういう前進があった」「こういう安全が確保できた」ということが言える、そういう年末を迎えるために、1年間皆さんと共に頑張りたいと思います。