日盲連発第138号 平成29年2月14日 スポーツ庁  長官 鈴木 大地 様 社会福祉法人日本盲人会連合  会長 竹下 義樹  社会福祉法人日本盲人会連合  スポーツ協議会 会長 濱野 昌幸  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた要望書  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下大会)に向けて、視覚障害者の要望を提出いたします。 1 選手以外の視覚障害者に対し大会への参加と活躍できる機会が与えられることを要望します。 (1)目的   多くの視覚障害者は大会に関心をもち、大会の開催を待ち望んでいます。しかし、選手に対するメダルの期待やパフォーマンスへの期待など、この大会が観覧型イベントの域を出ていない状況があり、視覚障害を含む全ての障害者が参加出来る大会になるかは不透明だと思われます。大会の開催をきっかけに、障害者が自立をすることもオリンピック・パラリンピックの理念とすれば、このような状況は改善する必要があります。   そこで、一般の視覚障害者が大会自体にスタッフ等として参加することで、視覚障害当事者の意欲と自立心の向上を図ることが出来ると考えています。また、視覚障害当事者が競技以外の部分でも大会に参加をしている姿があることは、健常者・障害者、そして国内・国外に対して、大会の本来の意義や目的を広くアピールすることが出来ると考えています。 (2)具体策   目的の達成のためには、まず、視覚障害者を大会の役員・スタッフとして各所で採用して下さい。   例えば、役員等に就任した視覚障害者は、視覚障害者の視点から会場のバリアフリー化、視覚障害者が利用しやすい運営体制の構築を検討し、大会が全ての視覚障害者にとって楽しめる内容になることを目標に協力を行います。また、全盲者はアナウンスの担当、視覚障害者のマラソンランナーやタンデム自転車競技者には聖火リレーの担当、また、弱視者を集めればマスゲームを行うなど、視覚障害者でもその者が持つ特性を活用出来れば、大会運営における要職を担当することも十分に出来ます。   なお、このような状況を作るために、大会の運営に大きく関わる貴団体においても、視覚障害者団体と当事者と共に、視覚障害者が参加する可能性を模索して頂き、大会に関わる視覚障害者を可能な限り増やして下さい。 2 大会の競技会場において、日本古来の視覚障害者スポーツを紹介する場所が設置されることを要望します。 (1)目的   日本の視覚障害者スポーツにおいては、パラリンピックの種目には選ばれてはいないものの、戦前より多くの視覚障害者に親しまれ、日本全国で広く普及している視覚障害者スポーツが多数存在します。特に、グランドソフトボール、フロアバレーボール、サウンドテーブルテニス(以下3種目)は人気が高く、日本独自のスポーツとして世界に発信することが十分に可能だと考えています。   そのため、日本で開催することの意義を踏まえて、この3種目を広く紹介することで、海外の視覚障害スポーツとは違う緻密な日本の視覚障害スポーツがあることを周知し、世界からの関心を高めるきっかけになると考えています。また、国内においては、3種目に対する注目が集まり、視覚障害者スポーツの更なる底上げが実現出来ると考えています。 (2)具体策   目的の達成のために、大会の期間中、競技会場の外に特設ブースを設け、3種目を紹介する場所を設けて下さい。   例えば、3種目の紹介ビデオを流すとともに用具の紹介コーナーを設ける、また、3種目の試合や体験会を開催し、国内、国外を問わず、多くの来場者に紹介する場が作られることを要望します。   更に、これらの紹介ブースを設けることで、大会の会場外を盛り上げる効果があることも考えられます。 日盲連発第138号 平成29年2月14日 公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック  競技大会組織委員会      事務総長 武藤 敏郎 様 社会福祉法人日本盲人会連合  会長 竹下 義樹  社会福祉法人日本盲人会連合  スポーツ協議会 会長 濱野 昌幸  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた要望書  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下大会)に向けて、視覚障害者の要望を提出いたします。 1 選手以外の視覚障害者に対し大会への参加と活躍できる機会が与えられることを要望します。 (1)目的   多くの視覚障害者は大会に関心をもち、大会の開催を待ち望んでいます。しかし、選手に対するメダルの期待やパフォーマンスへの期待など、この大会が観覧型イベントの域を出ていない状況があり、視覚障害を含む全ての障害者が参加出来る大会になるかは不透明だと思われます。大会の開催をきっかけに、障害者が自立をすることもオリンピック・パラリンピックの理念とすれば、このような状況は改善する必要があります。   そこで、一般の視覚障害者が大会自体にスタッフ等として参加することで、視覚障害当事者の意欲と自立心の向上を図ることが出来ると考えています。また、視覚障害当事者が競技以外の部分でも大会に参加をしている姿があることは、健常者・障害者、そして国内・国外に対して、大会の本来の意義や目的を広くアピールすることが出来ると考えています。 (2)具体策   目的の達成のためには、まず、視覚障害者を大会の役員・スタッフとして各所で採用して下さい。   例えば、役員等に就任した視覚障害者は、視覚障害者の視点から会場のバリアフリー化、視覚障害者が利用しやすい運営体制の構築を検討し、大会が全ての視覚障害者にとって楽しめる内容になることを目標に協力を行います。また、全盲者はアナウンスの担当、視覚障害者のマラソンランナーやタンデム自転車競技者には聖火リレーの担当、また、弱視者を集めればマスゲームを行うなど、視覚障害者でもその者が持つ特性を活用出来れば、大会運営における要職を担当することも十分に出来ます。   なお、このような状況を作るために、大会の運営に大きく関わる貴団体においても、視覚障害者団体と当事者と共に、視覚障害者が参加する可能性を模索して頂き、大会に関わる視覚障害者を可能な限り増やして下さい。 2 大会の競技会場において、日本古来の視覚障害者スポーツを紹介する場所が設置されることを要望します。 (1)目的   日本の視覚障害者スポーツにおいては、パラリンピックの種目には選ばれてはいないものの、戦前より多くの視覚障害者に親しまれ、日本全国で広く普及している視覚障害者スポーツが多数存在します。特に、グランドソフトボール、フロアバレーボール、サウンドテーブルテニス(以下3種目)は人気が高く、日本独自のスポーツとして世界に発信することが十分に可能だと考えています。   そのため、日本で開催することの意義を踏まえて、この3種目を広く紹介することで、海外の視覚障害スポーツとは違う緻密な日本の視覚障害スポーツがあることを周知し、世界からの関心を高めるきっかけになると考えています。また、国内においては、3種目に対する注目が集まり、視覚障害者スポーツの更なる底上げが実現出来ると考えています。 (2)具体策   目的の達成のために、大会の期間中、競技会場の外に特設ブースを設け、3種目を紹介する場所を設けて下さい。   例えば、3種目の紹介ビデオを流すとともに用具の紹介コーナーを設ける、また、3種目の試合や体験会を開催し、国内、国外を問わず、多くの来場者に紹介する場が作られることを要望します。   更に、これらの紹介ブースを設けることで、大会の会場外を盛り上げる効果があることも考えられます。