結成70周年記念第42回全国盲人将棋大会 開催

2018年11月30日

【写真の説明】第42回全国盲人将棋大会の様子

   日本盲人会連合主催による「日盲連結成70周年記念第42回全国盲人将棋大会」が11月24日と25日の2日間に渡り、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷(私学会館)を会場に開催されました。
 大会は、S級(A級優勝者)8名、A級(有段者の部)18名、B級(級位以下の部)21名、C級(初心者の部)8名、あわせて55名が全国から集まり熱戦が繰り広げられました。55名の参加は、昭和51年に広島県で行われた第1回大会と昭和56年に神奈川県で行われた第5回大会に続き3番目に多い参加者でした。

 開会式では日本盲人会連合 及川清隆副会長からはじめに、日本将棋連盟、ボランティアの審判員の皆様へ大会運営のご協力に感謝を述べるとともに、「将棋は、アドバンテージがなく対等にやれるものである。ぜひ、参加者には今大会を楽しんでいただくとともに、今後将棋道を究めて欲しい」と参加者にエールを送りました。

 【右写真の説明】主催者挨拶をする日盲連 及川清隆合副会長

 本大会には、公益社団法人日本将棋連盟より屋敷伸之九段を審判長に迎えるとともに、竹部さゆり女流三段を副審判長としてお迎えしました。お二人にご協力いただけたことと併せ、大会初の女流棋士を迎えられたことに参加者一同喜びました。

また、日本将棋連盟棋士の勝又清和六段を始めとして棋友館、富士通将棋部の方々、関東の学生の皆さんがボランティアとして各対局の審判員をつとめられ、対局終了後には感想戦を楽しみました。

【左写真の説明】日盲連結成70周年記念し行われた講演会でお話される日本将棋連盟 棋士 屋敷伸之 九段

 

 1日目の対局は、S級(総当たり)の1~3回戦、A級・B級の予選対局1~3回戦、C級(6回戦)の1~3回戦が行われました。
1日目の対局後には、70周年の記念イベントとして屋敷審判長による講演「記憶を刺激する将棋のエピソード」が催されました。
講演では、小学校2~3年生の時に将棋をはじめ、小学校3年生の時に将棋が大好きで強い学校の先生との出会いが将棋にのめりこむきっかけであったと自身の将棋との出会いを話していただきました。特に印象に残っている対局として、当時18歳6ヶ月で中原誠十六世名人を相手に2連敗後に3連勝して史上最年少タイトルを獲得した棋聖戦を紹介し、当時は、緊張感が半端なかった、感想戦も「ええ、まま、はい」しか言えず、もっと自分の考えを伝えて感想戦をやればよかったと当時を振り返りました。
会場から、もっと強くなるにはどのすればいいかとの質問には、「熱心に続けること。実践を積む、詰将棋をとく、プロの対局を見る等で自分に合う方法・好きな方法で学んで欲しい」とエールを送られました。

 その夜、催された懇親会では、長年にわたり全国盲人将棋大会にお力添えを下さった小俣隆三さん(東京都)と月刊誌「将棋世界」の朗読にご尽力いただいている世田谷録音奉仕グループひびきの皆さんに感謝状が贈られました。
また、ボランティアと参加してくれた現役音大生の村岡響子さん(桐朋学園大学 ピアノ科4年)と後藤元信さん(東京藝術大学 作曲科1年)によるミニピアノコンサートや将棋大会参加者 比嘉財定(大阪府)による声帯模写、同じく斉藤啓二さん(福島県)によるクラッシックギターの演奏などがあり、例年にない盛り上がりをみせました。

【写真の説明】
クラッシックギターの演奏をする斉藤啓二さん(左)とピアノを演奏する村岡響子さん(右)
ミニコンサートの最後には、村田英雄の「王将」の演奏があり懇親会参加者全員で歌い、大いに盛り上がりました

【写真の説明】
指導対局で参加者と対局をする、屋敷伸之 九段(右)と女流棋士 竹部さゆり 女流三段(左)

 2日目には、S級4回~7回戦、A級並びにB級の決勝トーナメント、C級4回~6回戦が行われました。
また、A・B級の決勝トーナメントに進めかった参加者で交流トーナメントと屋敷審判長・竹部副審判長による指導対局が行われました。指導対局の順番を待つ参加者が出るほど盛況を博しました。両審判長からのアドバイスに参加者は真剣に耳を傾けていました。
閉会式の講評では両審判長から「皆様の棋力の高さに驚くとともに、皆さんの熱意と気迫に圧倒された。2日間楽しかった。これからも盲人将棋の発展を祈ります」とのコメントをいただきました。
 また、日盲連の結成70周年を記念し、第1回大会から長年にわたり運営にご協力いただいている日本将棋連盟に対し、及川清隆副会長から日本将棋連盟の森下卓常務理事へ感謝状が贈られました。

 【写真の説明】
感謝状を贈った日盲連合 及川清隆副会長(左)と挨拶をする日本将棋連盟 森下卓常務理事(右)

 翌日、東京・千駄ヶ谷の日本将棋会館を訪れ、日盲連の後藤英信常務理事から森下卓常務理事へ感謝状を直接届け、改めて感謝の意を表しました。

 なお、本大会の様子は12月16日(日)10時からNHKEテレの「将棋フォーカス」にて放映されます。

◆NHK 「将棋フォーカス」
ホームページアドレス:http://cgi2.nhk.or.jp/goshogi/shogifocus/

放送:毎週日曜日 午前10時~10時30分(Eテレ)
再放送:毎週木曜日 午後3時~3時30分
※放送内容・時間等は変更になる場合がございます。


【写真の説明】日本将棋連盟 森下卓常務理事(左)と日盲連  後藤英信常務理事(右)(日本将棋会館にて)

【入賞者】

S級
優勝  石川 准さん(静岡県)

【写真の説明】日盲連 及川清隆副会長(左)からトロフィーを受け取るS級 優勝 石川 准さん(右)

A級 
優勝  斎藤 照行さん(横浜市)
 2位  西山 洋一さん(神奈川県)
3位  鷲頭 芳夫さん(札幌市)

【写真の説明】優勝した喜びを述べる A級 優勝 斎藤照行さん(左)
斎藤さんの隣には、準優勝 西山 洋一さん(中央)と第3位 鷲頭芳夫さん(右)

B級
優勝  関口 透さん(千葉県)
2位  宮本 博さん(東京都)
 3位  近藤 悠斗さん(東京都)

【写真の説明】日盲連 及川清隆副会長(左)からトロフィーを受け取るB級 優勝 関口透さん(左中央)
関口さんの後方には、準優勝 宮本博さん(右中央)と第3位 近藤悠斗さん(右)

C級
優勝  廣嵜 孝夫さん(東京都)
2位  篠崎 聡美さん(福島県)
3位  仲野 明治さん(千葉県)

交流戦 優勝
広瀬 進市さん(群馬県)
長谷川 智也さん(愛知県)