愛盲時報 第233号(テキストデータ・全文)

2012年1月16日

愛盲時報 平成24年1月16日(月) 第233号

≪1.新春対談2012 小宮山厚労大臣と笹川日盲連会長≫
 就任から3か月余り、重要課題への取り組みに多忙な毎日をお過ごしの小宮山洋子厚生労働大臣に、注目の同行援護をはじめとする新たな制度の今後などについて、笹川吉彦日本盲人会連合会長がお話をうかがいました。
 笹川日盲連会長:新年明けましておめでとうございます。
 小宮山厚生労働大臣:おめでとうございます。
 笹川:大臣に就任されて3か月余りになられますけれども、厚生労働大臣というのは本当に重要ポストでして、さぞかし苦労が多いかなというふうに伺います。
 大臣:そうですね、厚生労働行政は本当に皆さんの生活に密着している非常に重要な分野で、皆様方からのご期待も高いのだと思います。厚生省と労働省を一緒にしたものですから、そういう意味で大臣が二人いなければいけないぐらいの仕事量かと思っているんですね。今、日本では、世界で一番高齢者の比率が高く子どもの比率が低い、超少子高齢社会になっていますので、社会保障の改革に今一生懸命取り組んでいますが、雇用対策も含めて大変難しい課題に直面していると思っています。
 厚生労働行政、言うまでもなく障害者福祉施策を始め、子育て支援、年金、医療、介護、そうした持続可能な社会保障の構築、それから雇用対策、これは何としてもここで後世につけを回さない形でしっかりと再構築をしたい。これは野田内閣の最重要課題でもありますし、社会保障改革をお預かりする私としても、これは決意と覚悟を持って取り組んでいきたいと思っています。
 また、先の東日本大震災で、障害がおありの方も含めて多くの方が被災されましたので、その復旧に取り組み、今は復興に向けて、総力を挙げて取り組んでいく必要があります。今年も社会保障改革が、おそらく一番中心の柱になると思いますので、障害者の皆様の政策も含めて、すべての方が安心してお暮らしになれるように、精一杯努めていきたいと思っています。
 笹川:ありがとうございます。大臣のお声は、私ども大臣がNHKのアナウンサーをなさっていた頃から拝聴しておりまして、本当に親しみやすいお声で、私どもとしてはそのお声をですね、頼りにしております。
 我々見えない者は、残念ながらお顔を拝見することができませんので、声だけが頼りで、全国の障害者が大臣の今後のご活躍に大変期待をしております。大臣ご就任のご感想やら、期待に対する大臣のお考えをお聞かせいただければ、大変ありがたいです。
 大臣:そうですね、今も申し上げたように、本当に重要な分野で責任重大だと思っています。ただ社会保障というと、高齢者三経費と言われる年金・医療・介護がメインだと思われていたわけですけれども、ぜひ若い世代の方にも受益感を持っていただかないと、社会保障の財源も含めてご協力いただけないので、子ども・子育てを支援する、あるいは若い人たちの雇用も応援する、全世代の方が受益感を持てる全世代対応型と言っているのですが、その中でもちろん障害をお持ちの方にも、必要な施策が届くように、日本にいるすべての人たちにちゃんと受益感のある社会保障制度に組み立てていきたいと思っています。
 9月に就任してから3か月、4か月経ちました。その前の年に副大臣としてこなした1年分の仕事はしたのかなと感じています。充実しすぎるほどですが、ぜひ、私どもが作ってきた政策を実現できる立場でもありますので、精一杯務めさせていただきたいと思っています。
 笹川:ありがとうございます。それから、大臣をはじめ関係者の皆様の大変なご努力によりまして、昨年の10月から同行援護事業がスタートいたしました。我々目の見えない者にとりましては、やはり移動とそれから読み書き、これがもう致命的なハンディでございます。同行援護が実施されることによって、私どもがそれぞれの地域で社会参加し、安心して生活ができる、その基本になるこの同行援護事業でございますけれども、今後この事業を厚生労働大臣として、どのように展開していっていただけるか、
その辺をお聞かせいただければ大変ありがたいんですけれども。
 大臣:今、笹川会長からもありましたように、重度の視覚障害がおありの方は、その地域で生活していくためには、どうしても移動の際の支援が重要な柱になるのだと思っています。
 障害者自立支援法の一部改正によって、昨年の10月から視覚障害のある方が非常に待ち望んでいらしたサービスとして、重度の視覚障害のある方に対する移動の支援、同行援護の給付が開始されました。
 この同行援護は、代筆・代読を制度的に位置づけて幅広く利用できるような仕組みにする、また、利用を希望する重度の視覚障害をお持ちの方がサービスを受けられないということがないよう、独自のアセスメント票を用いるなど、制度設計に当たっても、日本盲人会連合からの要望にも十分配慮させていただいていると思っています。
 今後の事業展開につきましては、同行援護が昨年10月から実施された事業で、まだ発足間もないということもございまして、まずは事業の実施状況などを見守りながら、重度の視覚障害者にとって、より良い事業になるように、皆さんたちからのご意見も伺いながら、今後ともしっかりと実施に努力をしていきたいと考えています。
 笹川:ありがとうございます。それから次に、障害者自立支援法に代わる新法ですけれども、昨年の8月30日に総合福祉部会から新法の骨格に関する提言が提出されております。今後この法律が、私どもの地域での生活を決定づけるものになるというふうに私どもは考えておりますけれども、今後のこの法律への取り組み、それから今後の、大まかで結構ですけれどもスケジュールをお聞かせいただければ大変ありがたいです。
 大臣:はい。障害をお持ちの方々からのこの法案に対する期待が大変高いと思っています。今、会長からもおっしゃっていただいたように、昨年8月30日に障がい者制度改革推進会議総合福祉部会の提言が、本当に色々な意見が数多く出される中、苦労されて取りまとめられたと承知しています。提言の内容は障害当事者の皆さんの思いがしっかりと込められたものですので、段階的・計画的に実現を目指していきたいと思っています。
 民主党でも厚生労働部門の障がい者ワーキングチームで、昨年10月から精力的に議論が行われています。こうした議論も踏まえまして、今年の通常国会への法案提出を目指して、引き続き法案の内容について検討していきたいと考えています。
 笹川:そうですか。ぜひ今国会中に成立させていただきたいと思います。
 大臣:はい、そのように努力をしたいと思いますが、ご承知のように国会がねじれておりますので、ぜひ与党だけではなくて野党の関係者にも、党派を超えた課題だと考えますので、ぜひ皆様方からも働きかけていただければと思います。
 笹川:はい。それから先ほどのお話にもございました、昨年の3月11日の東日本大震災ですけれども、本当にこれは、国民挙げて取り組まなければならない大きな問題だと思います。あの悲惨な状況、被害の大きさ、多くの視覚障害者が被害に遭っておりますので、私ども自身としても支援対策本部を立ち上げまして、これまでにも色々と援助、協力をしてまいりました。内容がわかればわかるほど、本当に大変な状況だなということを実感しておりますけれども、これからの、この災害対策というものは、
我々障害者にとっては大変大きな問題でございます。
 そこで、厚生労働大臣としての災害対策、特に視覚障害者はもう本当に一人では行動できないような状況ですので、大臣としてのお考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
 大臣:はい。東日本大震災に当たりましては、皆さんがいち早く視覚障害者支援対策本部、3月22日には立ち上げていただいて、視覚障害者の支援に当たられたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
 笹川:ありがとうございます。
 大臣:災害が起きた時の障害をお持ちの方への対応については、障害をお持ちの方をはじめ、災害時に援護が必要な方たちが安心して避難できるように、福祉避難所の設置や、安否の確認などの支援に努めてきました。
 視覚に障害をお持ちの方に対しては、避難所で情報を得ることが困難にならないように、たとえば食料の配給時間などを掲示する場合には、その内容をハンドマイクなどを使って音声で伝えるなどの情報コミュニケーション支援に努めてきました。また、避難所や仮設住宅、自宅にいらっしゃる方々に対しては、自治体職員や保健師、障害のある方の相談支援専門員などが巡回して、障害のある方々のニーズを把握した上で福祉サービスの利用につなげるなどの対応も行ってきました。
 でも、まだまだ障害をお持ちの方の被害の把握ができていない、まだ足りないということは、委員会の審議などでも度々ご指摘いただいていますので、今回のことも皆様からもお話を伺って必要な対策が遅れないように取り組んでいきたいと思っています。また、今後さらに自治体や関係団体、消防などの関係省庁とも連携しながら、厚生労働省として、障害をお持ちの方の把握ですとか必要な支援の提供に、今回のことも教訓にして、一層努めていきたいと考えています。
 笹川:ありがとうございます。くれぐれもよろしくお願いいたします。最後に、大臣の今後の抱負につきまして、お聞かせいただければ大変ありがたいと思います。
 大臣:はい。今年は平成22年12月に成立しました障害者自立支援法・児童福祉法の一部改正が4月1日から本格施行を迎え、また障害者虐待防止法も10月1日から施行になります。加えて、通常国会で法案の提出を目指すことにしています。障害のある皆さんにとって非常に重要な1年になると思っていますので、皆さんからご要望いただいた件も含めまして、厚生労働大臣として、障害のある皆さんが地域の中で安心して暮らしていただけるような社会づくりに、引き続いて全力を注いでいきたいと思っています。
 ぜひ皆さんの取り組みも入れていただいて、国会での法案提出、そしてその実施に向けて努力したいと思っています。今年が皆さんにとって良い1年になるように、心から祈念しています。
 笹川:はい。全国の障害者は、大臣のご活躍に期待をしておりますので、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。
 大臣:こちらこそ、ありがとうございました。

≪2.謹賀新年2012年≫
 会員の「絆」に感謝 会長 笹川吉彦
 会員の皆様、新年明けましておめでとうございます。
 お元気で2012年の初春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。旧年中は本連合活動に対し、ご理解、ご協力頂き誠にありがとうございました。心から感謝申し上げますとともに本年もなお一層温かいご支援を賜りますよう、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。昨年の漢字一文字は「絆」でした。3月11日に発生した東日本大震災で、薄くなりつつあった国民同士の絆に目を覚まされました。本連合でも救援のための義援金募集を行いましたが、昨年12月15日までに4654万5839円もの義援金が寄せられました。
 改めて、会員同士の絆の強さ、そして全力をあげて被災会員を救援支援しようという意気込みを感じ、ただただ感謝申し上げるばかりです。組織の存在意義を改めて痛感いたしました。
 昨年は、私たちの将来を大きく左右する「障害者基本法」が抜本改正されました。また、障害者虐待防止法も成立を見ました。そして本年は、私達障害者のそれぞれの地域での自立した生活を保障する、(仮称)障害者総合福祉法が制定されることになっています。昨年8月30日には新法の骨子に対する提言が障害者制度改革推進会議総合福祉部会から提出され、目下、政府案策定の作業が進められていますが、私達の生の声がどこまで盛り込まれるかが最大の関心事となっています。また、障害者差別禁止法の審議も佳境に入ることになります。
 一方、各団体のご協力の下、例年実施している本連合の諸事業も着々と準備が進められています。特に最大のイベントである第65回全国盲人福祉大会は、公益社団法人千葉県視覚障害者福祉協会と千葉市視覚障害者協会の主管により、6月7日から3日間、千葉市で開催される事になっております。すべての事業が皆様のご協力により成功し、大きな成果を収められるよう願っております。
 また、マレーシアでのマッサージセミナーや、タイでの第8回世界盲人連合の総会も予定されており、国際的にも多忙な1年となります。
 本年が会員の皆様にとってより良い年となるよう、また本連合が一層充実発展するよう祈念し、年頭のご挨拶といたします。
 新たな立法で飛躍の年に 副会長 竹下 義樹
 新年あけましておめでとうございます。
 昨年は、東日本大震災をはじめ台風や豪雨などが、会員を含む多くの国民に多大な損害をもたらす最悪の年でした。そうした中にあっても、会員をはじめ国民一人ひとりの復興に向けた努力によって、徐々にではありますが最低限の生活が確保されてきました。
 本年は辰年であり、国民の願いが天高く上昇する年にしたいと思います。そうした中にあっても、私たちを取り巻く障害者福祉の改善のための動きは活発に行われ、とりわけ昨年10月1日からは自立支援給付(個別給付)としての同行援護事業がスタートしました。現時点では、代筆代読を含む同行援護事業の趣旨や内容が徹底されるまでには至っておらず、全国でさまざまな矛盾や混乱が生じていますが、今後は同行援護事業が視覚障害者の自立と社会参加にとって重要な柱となる事業であることを明確にし、制度の周知と発展を期すことが急務の課題です。また、本年3月頃には障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法(仮称)が国会に上程される予定であり、視覚障害者をはじめとするすべての障害者の願いが、新たな立法によって実現するまで日盲連として全力を尽くす年です。
 2012年が日盲連と会員にとって飛躍の年となるよう、全国の会員と組織が一丸となって障害者福祉の充実を目指して頑張りましょう。
 復興も福祉も前進へ 副会長 時任基清
 平成24年の新年、明けましておめでとうございます。 
 昨年は東日本大震災、続く福島第一原発の大災害(どう考えても、これはマネー優先社会による人災です)、紀伊半島を中心とする大量降雨による水害等々、災害オンパレードでした。今年こそは災害からの復興を為し遂げて、和やかな年としたいものです。
 今年は皇紀2672年、西暦2012年、4で割り切れ、100で割り切れないので、閏年です。又、オリムピックの年でもあります。さらに言えば壬辰六白金星でしょうか?一体、どんな年になるのか?楽しみのような、恐ろしいような思いです。恰かも、日本の国が大変革を迫られ、高齢者、障害者の福祉はどうなってしまうのか?不安でもあります。ともかく、私たちは与えられた条件の中で、最善を尽し、視覚障害者福祉の前進に努めねばならないと、心を引き締めるばかりです。
 今年が皆様にとって健康で幸多い年であることと、日盲連の大発展を祈ってご挨拶と致します。
 新法への提言反映に期待 副会長 前川昭夫
 皆様新年明けましておめでとうございます。2012年は辰年、会員・関係者の皆様にとって飛躍の年となりますよう心から祈念いたします。
 昨年3月11日の「東日本大震災」は多くの人々の命を奪い、大きな被害を残しました。原発の終息までは長期間が想定され、国は「復興庁」「復興局」を設置、「復興特区法」も成立し、迅速に対応される事と思います。日盲連も加盟団体会員はじめ多くの関係者のご支援をいただいて、義援金の募集や現地視察・懇談会を実施し、厚生労働省など関係機関への陳情も行いました。義援金につきましては今年も引き続き、ご支援よろしくお願いいたします。
 昨年6月の第64回全国大会は島根県の会員・関係者の方々のお世話になり、東日本各県からも多くの参加がありました。第65回大会ご担当の千葉県・千葉市の皆様には大変お世話になりますが、一人でも多くのご参加をいただき、大いに盛り上がりましょう。
 昨年10月1日施行の「同行援護」は、いまだ各地で混乱があると聞いていますが、全国統一で根づくよう引き続き見守って行く必要があります。仮称「障害者総合福祉法」については間もなく素案が厚生労働省から示されると思いますが、骨格提言が修正されることなく、すべて反映されるよう、本年も運動を継続します。駅ホームでの転落事故や自転車走行時の事故も、命にかかわる問題であり、私たちの取り組みが重要と考えています。
 経済の先行きは見えず政治も閉塞感が漂っていますが、視覚障害者福祉が当事者の運動で大きく前進する事を皆さまとともに誓い合いましょう。
 結びに、東日本の震災で被災された方々、台風12号・15号で被害にあわれた方々に一日も早い平穏な日々が訪れるよう、また会員・関係者のご健勝とご多幸をお祈りして、年頭の挨拶とさせていただきます。

≪3.第35回全国盲人将棋大会 A級優勝は御神本さん≫
 日本盲人会連合主催による第35回全国盲人将棋大会が10月29、30の両日、東京・西早稲田の日本盲人福祉センターで開催された。
 大会には、A級(有段者の部)15人、B級(級位以下の部)15人の計30人が出場。日本将棋連盟から日浦市郎八段を審判長に迎えて、29日は予選、30日は決勝トーナメントが行われた。
 決勝戦では、A級が島根県の御神本章さん、B級が横浜市の新井豊三さんがそれぞれ優勝、厚生労働大臣杯を手にした。さらに御神本さんにはNHK会長賞、各級3位までの入賞者には日本将棋連盟会長賞並びに日盲連会長賞が贈られた。そのほかの結果は次の通り(敬称略)。
 【A級】準優勝:福岡繁(東京都)、3位:小俣隆三(同)
 【B級】準優勝:松本豊治(佐賀県)、3位:佐藤泰章(宮崎県)

≪4.第26回視覚障害者柔道大会 埼玉県が7回目の優勝≫
 第26回全日本視覚障害者柔道大会(NPO法人日本視覚障害者柔道連盟主催)が11月27日、東京都文京区の講道館で開催され、全国から36名の選手が出場、都道府県対抗戦では埼玉県が7回目の優勝、厚生労働大臣杯などを獲得した。準優勝は大阪府A、第3位は宮城県。
 体重別個人戦の試合結果は次の通り(優勝、準優勝、第3位の順。
1人の場合は優勝、2人の場合は優勝と準優勝、3位は2人の場合あり)。
 《男子》【60kg級】平井孝明(熊本)/礎眞一(福岡)、【66kg級】広瀬誠(愛知)/上野裕介(茨城)/大山桂司(熊本)、【73kg級】高橋秀克(埼玉)/永井崇匡(群馬)/米田幸弘(東京)/中村隼人(大阪)、【81kg級】加藤裕司(埼玉)/菊地裕三(宮城)/近藤正徳(茨城)、【90kg級】初瀬勇輔(東京)/竹林尚秀(愛知)/坂野裕(茨城)、【100kg級】北薗新光(兵庫)/松本義和(大阪)、【100kg超級】正木健人(徳島)、【シニア】牛窪多喜男(埼玉)
 《女子》【63kg以下級合同】半谷静香(神奈川)/田中亜弧(東京)/米田真由美(東京)

≪5.第11回全国障害者スポーツ大会 グランドソフト優勝は三重≫
 第11回全国障害者スポーツ大会「おいでませ!山口大会」が10月22日~24日、山口県で開催された。「たちあがれ!東北 がんばろう!日本」の合言葉のもと、東日本大震災復興支援行事として実施され、全国の都道府県・政令指定都市から選手・役員など関係者約5500人が参加。22日は、山口市の維新百年記念公園陸上競技場に皇太子様をお迎えして開会式が開かれ、終了後は県内外18市町の各会場で、オープン競技を含む14競技に熱戦が展開された。
 グランドソフトボール競技は宇部市東部体育広場で、予選を勝ち抜いた6チームに開催地元チームを合わせた7チームが優勝をかけて戦った。24日の決勝では三重県チームと鹿児島県チームが1対1で引き分け、抽選の結果、三重県チームの優勝が決まった。3位は広島県。対戦成績は次の通り(カッコ内は得点)。
 【1回戦】鹿児島県(5)対青森県(2)/群馬県(7)対山口県(1)/三重県(10)対京都府(5)、【準決勝】鹿児島県(9)対広島県(2)/三重県(16)対群馬県(2)、【決勝】三重県(1)対鹿児島県(1)(抽選で三重県チームの勝ち)、【3位決定戦】広島県(8)対群馬県(1)、【交流試合】青森県(6)対山口県(5)、青森県(6)対京都府(6)

≪6.短信≫
 *秋の叙勲・褒章
 平成23年秋の叙勲・褒章受賞者が11月初旬、発表されました。そのうち視覚障害関係では次の方々が受章されました。
 【旭日双光章】渡辺哲宏・日本盲人会連合理事、東京都盲人福祉協会副会長(70)、大藤武彦・元岡山県視覚障害者協会会長、元岡山県鍼灸師会会長(73)
 【黄綬褒章】小林忠之・富山県視覚障害者協会評議員(74)

≪7.特集・日韓国際交流 ソウルの韓国盲人協会を訪問≫
 日本盲人会連合では国際交流活動の一環として平成23年11月22日から24日にかけて韓国・ソウルの韓国盲人協会(KBU)を代表メンバーが訪問、意見交換会などを行った。
 この日韓両国の視覚障害当事者を代表する団体による、相互訪問という形での国際交流は、平成22年10月にKBU代表が東京・西早稲田の日本盲人福祉センターを訪問したのを機にスタートしたもので、23年は日盲連側がKBUを訪問することが決まっていた。
 日盲連の笹川吉彦会長、竹下義樹副会長ら代表メンバー9名は22日、韓国・金浦空港に到着。ソウル市内のKBUを訪問した一行は、チョイ・ドンKBU会長らに迎えられ、14時からの韓国障害者差別禁止法に関する意見交換会に臨んだ。18時からは懇親会が開かれ、和やかな歓談の一時で親睦を深めた。翌23日の10時からは、視覚障害者のための職業訓練施設を見学、14時から再びKBUで、組織運営と会員拡大、あはきに関する両国の現状と問題点などについて、熱心に意見交換を行なった。
 最終日の24日は、ソウル市内の朝鮮王朝時代の王宮・景福宮や国立民族博物館などを観光、すべての日程を終了した日盲連代表メンバー一行は、金浦空港から空路、帰国の途についた。
 今回の韓国訪問では全日程を通して、韓国における視覚障害者を取り巻く環境、問題点や取り組み等についての活発な意見交換と共に、両国の視覚障害者の現状についての情報交換を行うことができた。
 そのうち、障害者差別禁止法については、日本側は法制定が中々進まないことを問題としたが、一方の韓国においては、早期に成立したものの、それまでの審議時間が短く、成立後に多くの課題を残したことが問題点として挙げられた。日本側は、韓国国内における同法成立後の問題点や課題について、深く掘り下げた話を聞くことができた。一方、韓国側に対しては、現在日本国内で同法がどのように審議されているかを伝えることができ、今回の意見交換が、双方の今後の運動に活かされるであろうことが確認された。
 また、組織のあり方に関しては、日本側はリーダーの高齢化を課題として挙げ、韓国側は若いリーダーが多いものの、任期を継続して会長職に就く人がいないため、事業が継承できないことが課題として挙げられた。
 職業においては、韓国ではマッサージは視覚障害者の専業として保障されているものの、現状は日本と同じように、カイロ、スポーツマッサージなど名前を変えて施術を行う人があり困っていること、取り締まりについても類似行為が多すぎるため難しいことが、問題として挙げられた。さらに、3年前に皮膚管理士という資格ができ、顔などの皮膚の管理と称して実際は施術を行っていることが、致命的な事例として紹介された。すなわち、現在30万人がこの資格を有し、特に美容師の多くがこの資格を取得して、美容院の隣に皮膚管理の店を出し、マッサージ行為を行っているのが現状とのことで、生存権を巡る闘いは日韓ともに厳しく、打開に向けた双方の意見交換の必要性が改めて認識される結果となった。

≪8.ご協力ありがとうございました!! 東日本大震災義援金募金・配布のご報告≫
 平成23年12月16日までに日本盲人会連合に寄せられた東日本大震災の義援金は、総計412件、4654万5839円に達し、この中から施設団体に300万円(7件)、個人に3662万円(295件)を贈らせていただきました。
 ご協力いただいた全国の会員・関係者の皆様に、篤く御礼申し上げます。義援金の受付は平成24年3月11日まで行っておりますので、引き続きご協力よろしくお願い申し上げます。
 送付方法は下記のいずれかで。
 【郵便振替】口 座 名:社会福祉法人 日本盲人会連合
 口座番号:00170-9-48326
 ※ 通信欄には「震災義援金」と必ずご記入下さい。
 【銀行振込】銀行名:みずほ銀行  支店名:高田馬場支店
 預金種類:普通預金
 口座名義人:(フク)ニホンモウジンカイレンゴウ
 口座番号:2691058
 お問合せは日盲連事務局へ(電話03-3200-0011)

≪9.第37回全国盲人文芸大会入賞者発表≫
 平成23年に開催された日本盲人会連合主催「第37回全国盲人文芸大会」には、全国から短歌54人(160首)、俳句85人(225句)、川柳67人(200句)、随想・随筆12人(12編)のご応募頂き、厳正な審査の結果、各部門の入選作品が決まりました。
 審査員の先生並びに、1位から3位までの入賞者の方々のお名前は次の通りです。(敬称略)
 【短歌の部】審査員:佐佐木幸綱、池田はるみ、黒岩剛仁
 1位(厚生労働大臣賞):福岡県・野中利秋、2位:長崎県・立石幸子、3位:新潟県・上林洋子
 【俳句の部】審査員:松林尚志、松井国央
 1位(文部科学大臣奨励賞):大阪府・山影俊典、2位:三重県・山口等、3位:茨城県・寺門勇治
 【川柳の部】審査員:川端六点、石部明
 1位(NHK会長賞):新潟県・本間光子、2位:愛媛県・藤岡健次、3位:熊本県・村上参吉
 【随想・随筆の部】審査員:竹村實、当山啓
 1位:札幌市・海野久夫「約束」、2位:長崎県・立石幸子「好きこそものの上手なれ」、3位:福井県・横山博一「塗師矢の神様」