愛盲時報 第226号(テキスト形式・全文)

2010年4月23日

愛盲時報 第226号 平成22年4月23日(金) 

 ≪1.笹川会長6期目 新年度事業計画決定 日盲連理事会・定期評議員会等開く≫
 日本盲人会連合の平成21年度理事会並びに定期評議員会が3月31日、また平成22年度理事会並びに指導者研修会が4月1日、いずれも東京・西早稲田の日盲福祉センターで開かれた。
 定期評議員会では任期満了に伴う役員改選が行われ、翌日の理事会での選任を経て、笹川吉彦現会長並びに竹下義樹、前川昭夫、時任基清の3副会長を再選し、現執行部体制の継続が決まった。笹川会長は6期目となる。任期は平成24年3月31日までの2年間。そのほか、平成21年度補正予算案、平成22年度事業計画案並びに予算案などの審議が行われ、新年度事業の推進に向け、一般会計2億69万7000円、特別会計2億8119万2000円、総計4億8188万9000円の22年度予算を承認した。指導者研修会では厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室の前田省三室長補佐による講演「今後の福祉制度における利用者負担等について」に続いて質疑応答が交わされた。
 【日盲連新役員の顔ぶれ】
 会長:笹川吉彦(東京・再)
 副会長:竹下義樹(京都・再)
 時任基清(東京・再)
 前川昭夫(広島・再)
 理事:佐川俊樹(札幌市・再)
 小島伸公(岩手・再)
 本多操(茨城・再)
 渡辺哲宏(東京・再)
 岡田正平(千葉市・再)
 鈴木孝幸(神奈川・再)
 小山尊(福井・再)
 内田順朗(三重・再)
 田澤勝男(滋賀・再)
 柿内健作(大阪市・再)
 小川幹雄(島根・再)
 久米清美(徳島・再)
 染井圭弘(福岡市・再)
 衛藤良憲(大分・新)
 監事:片石修三(埼玉・再)
 新子義則(京都・新)
 井上孝昭(岡山・新)

 *あはき協議会委員会
 日本盲人会連合のあん摩マッサージ指圧師はり師きゅう師協議会(久米清美協議会長)の平成21年度委員会が4月1日、東京・西早稲田の日盲福祉センターで開かれた。会合では、平成21年度事業並びに会計中間報告、平成22年度事業計画案並びに予算案が審議され、一部修正の上、承認された。事業計画では、視覚障害あはき師を取り巻く厳しい情勢を打開するため、自立的就労対策が講じられるよう新政権に働きかけることや、無資格業者取り締まり運動の展開と、あはき法遵守を行政に訴えていくこと、日本国内で普及が進められようとしているタイ式マッサージへの反対運動に取り組むことなどが示された。

 *女性協議会全国委員会
 日本盲人会連合女性協議会(新城育子協議会長)の常任委員会、全国委員会並びに研修会が3月23日、全国代表者会議が24日、いずれも東京・芝の東京グランドホテルで開かれた。議事では平成21年度事業並びに収支決算報告(中間)、平成22年度運動方針案、事業計画案、予算案を原案通り承認。そのほか、日盲連の全国盲人福祉大会提出議題、第56回全国盲女性研修大会の研修テーマなどについても審議を行った。
 任期満了に伴う役員改選では、新城育子現協議会長(熊本県)はじめ、煙山秋子(秋田県)、前田美智子(神奈川県)、加賀谷睦子(東京都)の3副協議会長がいずれも再任された。

 ≪2.日盲連平成22年度事業計画の主な項目≫
 1 事業計画の概要
 1-1.2010年WBUAP中期総会の実施
 日本盲人福祉委員会を中心に、日本盲人会連合、日本盲人社会福祉施設協議会、全国盲学校長会等関係団体により、国際会議を開催する。アジア太平洋地域会議は、各国で4年毎に開催され、今回が3度目の日本開催。日本は加盟22カ国の代表幹事国としてアジア太平洋地域の視覚障害者の福祉、教育、雇用、団体組織上の課題・施策等を提言する。
 平成22年10月29日(金)~11月1日(月)、ホテルグリーンタワー千葉とすみだ産業会館サンライズホールを会場に、WBUAP役員会議、青年フォーラム、女性フォーラム、ワークショップ、シンポジウムなどを開く。
 1-2.組織・団体活動の推進
 (1)障がい者総合福祉法への対応
 (a)新政権は障害者自立支援法を廃止し、4年以内に障がい者総合福祉法を制定する方針を明らかにした。これに対し視覚障害者の特性を踏まえた新法実現への積極的な提案を行うとともに、視覚障害者のための福祉制度のあり方検討会における取りまとめをもとに各方面に政策提言する。
 (b)移動支援事業所等連絡会において、昨年度実施した「中山間地域における移動支援の実態調査」に基づき、厚生労働省への新たな提言と各事業所への情報提供を行う。研修会を開催し、加盟団体の増加を図る。
 (c)視覚障害者移動・コミュニケーション支援事業(仮称)に関する研究を進め、視覚障害者移動支援事業従事者の資質向上事業において、全国12会場で4日間の研修を13期行う。視覚障害者ガイドヘルパー養成用テキストを作成し、質の高いガイドヘルパー育成に役立てる。
 (2)バリアフリーへの対応
 (a)視覚障害者のためのインフラ整備充実に向け、意見交換会を実施し、メーカー各社と一丸となって取り組む。さらに公共交通施設、交通機関、道路環境のバリアフリー化の促進と、弱視者に配慮したサイン環境整備を関係機関に要請する。
 (b)IT等を活用した情報機器の研究開発促進、購入費補助等、音響式信号機、音声誘導システム、誘導ブロック、可動柵設置、階段段鼻の色付、拡大文字による案内板設置、エスコートゾーン整備促進など科学技術を導入した補助装置開発促進を関係機関に要請する。
 (c)地上デジタル放送への対応として、視覚障害者でも使いやすい機器を紹介し、便利に視聴できるよう努める。
 (3)第63回全国盲人福祉大会の開催
 日本盲人会連合並びに秋田県視覚障害者福祉協会の主催により、5月19日(水)から21日(金)の3日間、秋田ビューホテルと秋田県民会館を会場に開催。視覚障害者施策等の諸問題を討議し、自立と社会参加の機会拡大、共生社会の実現と福祉向上を目指し、情報交換・意見交換を行う。最終日は平成22年度運動方針を決定、大会決議を採択する。
 (4)各協議会(あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師協議会、青年協議会、女性協議会、音楽家協議会、スポーツ協議会)の運営
 (5)全ての市町村における組織の確立と、都道府県政令指定都市団体の組織強化を図り、各団体の要求運動の前進を目指す。
 (6)各種研修大会、スポーツ大会等の開催
 (7)会員及び地方団体からの要求を実現するため政策能力を強化。
 2 第2種社会福祉事業
 2-1.全国視覚障害者団体に対する連絡及び助成事業の実施
 点字日本、日盲連アワー(カセットテープ及びデイジーCD)、点字JBニュース、電話ナビゲーションシステム、愛盲時報により、定期的に情報を提供。他団体からの情報を、FAX、メール、印刷物(音声コード付)等によりお知らせ。ブロック大会等に役員を派遣し、情報提供と意見交換に努め、組織の連携強化を図る。
 2-2.更生相談所の設置経営
 更生相談、全国盲人生活相談事業(厚生労働省委託)、法律相談、年2回の総合相談(法律、眼科、生活)を実施。
 2-3.点字図書館の設置経営
 蔵書の拡充と登録者の拡大、図書館ニュース発行等、情報提供。新総合ないーぶネットへの参加。録音雑誌のデイジー版貸し出し。作業ボランティア導入の検討・準備。目録のデータ作成及び発行。
 2-4.点字出版所の設置経営
 7月の第22回参議院議員通常選挙・点字版選挙公報の製作・発行。厚生労働省委託事業「点字厚生」「ワールド・ナウ」発行。各自治体広報点字版の作成と、点字表示板等受注・作成。
 3 公益事業
 3-1.福祉一般に関する調査、研究、改善普及、情報宣伝活動及び文化向上に関する事業
 3-2.あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう等生業安定及び職域拡大のための調査研究、改善普及並びに医療保険取り扱い等経営の指導普及事業
 (1)視覚障害あはき業者の自立と生活を守る運動
 (2)無免許・無資格違法類似業者一掃運動
 (3)タイスパサービスへの対応
 (4)視覚障害あはき師の資質向上、競争力強化
 (5)鍼灸マッサージ健保取扱拡大
 (6)損害賠償責任保険加入促進
 (7)情報交換促進
 3-3.国内及び海外の関係団体との相互交流、協力事業
 (1)関係省庁の審議会等に代表を派遣し、意見要望を陳述
 (2)2010年WBUAP中期総会の開催
 (3)障害者団体連絡協議会(全国社会福祉協議会)、日本障害フォーラム(JDF)、あはき等法推進協議会、鍼灸マッサージ保険推進協議会等の一員として、視覚障害者の権益擁護と福祉増進に努める
 3-4.日本盲人福祉センターにおける事業
 (1)点字情報ネットワーク事業
 厚生労働省の補助事業「点字ニュース即時提供事業」の実施。電子メールによる情報提供。メーリングリスト等による意見交換・情報交換促進。
電話ナビゲーション新システムの構築。解説放送の拡充。
 (2)録音製作事業
 大会等各種イベントの取材、収録。厚生労働省委託事業「声の広報・厚生」、「厚生労働白書」「障害者白書」発行。各自治体広報録音版の作成と音声案内の受注拡大・作成。日盲連アワーの製作。
 (3)補装具、用具の研究開発及び販売斡旋
 盲人用具販売斡旋(厚生労働省委託事業)の継続。大会、展示会への出展と、福祉関連機器情報や取扱商品の拡充。ユーザーの商品知識向上を図り、販路拡大。高齢者向けユニバーサル商品探求と、独自の商品開発。仕入れコストの見直しと、需要喚起。サービス分野での市場拡大。
 (4)その他の事業
 東京都委託・広域ガイドヘルパーネットワーク事業、点訳・音訳奉仕員指導者養成、専門点訳者養成。

 ≪3.平成22年度の主な行事予定≫
 ・第63回全国盲人福祉大会、5月19日~21日、秋田県民会館ほか(秋田市) ・第36回全国盲人文芸大会、募集は7月1日~8月31日
 ・音楽家協議会第49回福祉大会並びに第48回全国音楽演奏会、7月4日~5日、ももちパレス大ホールほか(福岡市)
 ・第56回全国盲青年研修大会、7月17日~19日、福岡東映ホテル(福岡市)
 ・第56回全国盲女性研修大会、9月1日~3日、ベストウェスタンプレミアホテル長崎(長崎市)
 ・第34回全国盲人将棋大会、10月10日~11日(広島市)
 ・第10回全国障害者スポーツ大会(後援)、10月23日~25日(千葉県)
 ・第16回フロアバレーボール大会、10月30日~31日、新宿区立スポーツセンター(東京都)
 ・2010WBUAP中期総会、10月29日~11月1日、ホテルグリーンタワー千葉(千葉市)、すみだ産業会館サンライズホール(東京都)
 ・第25回全日本視覚障害者柔道大会(後援)、11月7日、講道館(東京都)
 ・視覚障害者スポーツ競技団体連絡会、11月14日、日本盲人福祉センター(東京都)
 ・第5回全国視覚障害者スポーツ研修大会、平成23年2月(新潟県)
 ・第6回通信競技大会、募集期間9月~11月
 ・全国視覚障害者卓球大会と全日本グランドソフトボール大会は日時 ・場所未定

 ≪4. 2010年アジア太平洋盲人福祉会議(2010WBUAP中期総会)≫
 アジア太平洋22か国の代表者らが4年に1回一堂に会して、視覚障害者の権利確立、平等な就業機会と生存権の保障を求めて意見交換し、今後の活動のあり方をともに考えます。奮ってご参加下さい!!
 主催:世界盲人連合アジア太平洋地域協議会
 社会福祉法人日本盲人福祉委員会
 開催期間:2010年10月29日(金)~11月1日(月)の4日間
 会場:ホテルグリーンタワー千葉(10月29日~31日の3日間)
 すみだ産業会館サンライズホール(11月1日の最終日)
 参加費:参加登録料12,000円、付添者5,000円
 (昼食、喫茶代、資料代含む)
 パーティー参加費 1人4,000円
 (歓迎パーティー、送別パーティーとも同額)
 ホテルグリーンタワー千葉
 千葉市中央区問屋町1-45千葉ポートスクエア
 電話:043-302-1122
 URL:http://greentower.co.jp/
 交通の便:JR京葉線「千葉みなと駅」より徒歩15分
 千葉都市モノレール「市役所前駅」より徒歩8分
 ※ホテルと千葉みなと駅間は無料送迎シャトルバス運行中
 すみだ産業会館サンライズホール
 東京都墨田区江東橋3-9-10丸井共同開発ビル
 (JR・地下鉄半蔵門線錦糸町駅前、丸井錦糸町店8・9階)
 プログラムの概要
 第1日目(10月29日) ホテルグリーンタワー千葉
 10:00~13:00 青年フォーラム
 14:00~17:00 女性フォーラム
 18:00~20:00 歓迎パーティー
 第2日目(10月30日) ホテルグリーンタワー千葉
 8:30~ 受付け開始
 9:30~12:00 開会式
 13:30~15:00 WBUAP中期総会・活動報告
 15:30~17:30 全体会議
 18:00~19:30 地区委員会
 第3日目(10月31日)ホテルグリーンタワー千葉
 9:00~10:00 代表者会議
 「WBUAP理事会からの審議事項 定款改正等」
 10:30~12:00 ワークショップ
 A分科会「WBUと国際協力」
 B分科会「WBUと権利条約の批准」
 13:30~15:30 シンポジウム
 「視覚障害者の平等な就業機会の保障」
 16:00~17:00 大会総括、閉会式
 18:00~20:00 送別パーティー
 第4日目(11月1日)すみだ産業会館サンライズホール8・9階
 9:45~10:00 サイトワールド開会式、テープカット
 10:00~12:00 展示会自由見学
 13:30~16:00 シンポジウム「視覚障害者と情報・通信・技術」
 16:00 終了予定

 ≪5.日盲連青年協議会紹介用リーフレット作成≫
 日本盲人会連合青年協議会(前田茂伸協議会長)では、共に活動する新しい仲間に参加を呼びかける紹介用リーフレットを作成、各団体に送付しました。活動の様子を豊富なカラー写真を添えてご紹介しておりますので、ぜひご活用下さい。
 青年協議会は日盲連加盟団体の青年部を中心に組織され、全国の若い視覚障害者が、研修大会での議論や、スポーツ大会、レクリエーションなど、幅広い活動を通して情報交換し、交流を深めています。
 加入申し込みは各加盟団体青年部へ。
 日本盲人会連合青年協議会
 ホームページ http://www.seinenkyou.org/
 Eメール kaichou@seinenkyou.org